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“賞味期限切れ”引退も考えた入江陵介、もう一度世界のトップ争いへ【パンパシ水泳東京2018】

8月9日(木)より開催されている「パンパシ水泳東京2018」。

大会最終日には、代表最年長の入江陵介(28歳)が男子200m背泳ぎ、男子4×100mメドレーリレーでメダル獲得に臨む。

©テレビ朝日水泳

日本の背泳ぎを引っ張ってきた入江だが、16年リオ五輪では男子100m背泳ぎで7位、200m背泳ぎで8位と悔しい結果に終わった。

しかし、リオ五輪後に拠点をアメリカに移し、今年4月の日本選手権では100m・200m背泳ぎで優勝。今大会も、初日の混合 4×100mメドレーリレー、2日目の100m背泳ぎで銀メダルを獲得するなど、調子を上げている。

200m背泳ぎで対するのは、リオ五輪で2種目を制覇したアメリカのマーフィーだ。2017 年世界水泳では100m背泳ぎで銅、200m背泳ぎで銀。今大会も100m背泳ぎで金と、世界のトップを走り続けている。

「もう一度世界のトップの争いに戻りたい」(入江)――この夏、入江が再び最強スイマーに挑む。

 

◆リオの悔しさのあとに「まだできたんじゃないか」

入江は、08年北京五輪から常に代表入りし、12年ロンドン五輪では200m背泳ぎで銀、100m背泳ぎとメドレーリレーで銅メダルを獲得。世界の舞台で実績を積み上げ、日本男子背泳ぎを牽引し続けてきた。

しかし前述の通り、リオ五輪では100m背泳ぎで7位、200mで8位に。レース後、「正直もう、自分は賞味期限切れた人間なのかな」と自らの限界を口にした。

悔しく、やるせない思いがよぎり、一時は引退も考えたというが、それと同時に「まだできたんじゃないか」という思いも湧いてきたという。そして、「ここから4年間、やるなら東京まで」と自らも招致に関わった東京五輪を目指すことを決意した。

そこで入江は、「今の環境と自分の心では絶対にできない」と、昨シーズンからアメリカへ拠点を移し再スタートを切った。

新しく飛び込んだアメリカという環境は入江の心を大きく変化させ、4月の日本選手権での2冠、今大会100m背泳ぎでの銀メダル獲得をもたらしている。

 

◆「日本の力をアピールしたい」

日本を離れたからこそ、個人としての再起だけでなく、日本代表チーム全体を考える余裕も生まれたという。

「個人はもちろん、チームとしても、前回以上のメダル数を目標にしているので、2020年へ向けてみんなが手ごたえを得るような大会になってほしいです」(入江)

今大会から導入された国別対抗戦では、アメリカが一歩抜けた形になっているが、入江は「今は日本も本当にタレントぞろいで、素晴らしい選手がたくさんいる。ひとりでも多くトップ3に入って日本の力をアピールしたい」と意気込む。

©テレビ朝日水泳

そんな、各国のチームの総合力を競う男子メドレーリレーでも、入江はメダルをかけて戦う。

昨年の世界水泳では入江が2位で入って流れをつくり、自由形の塩浦慎理が47秒64のラップタイムで泳ぎながらも、最後はロシアに0秒43を逆転されて4位と悔しい結果に終わった。

だが、今年は入江が昨年よりレベルアップしてきていることは明白で、平泳ぎの小関也朱篤も日本記録をマークと勢いに乗っている。

バタフライの小堀勇氣が世界水泳並みのラップでつなぎ、自由形の中村克がきっちり力を出せる状態になれば、2位は確実だ。

06年パンパシ初出場から12年。多くの悔しさを乗り越えながら日の丸を背負い続けてきた入江の活躍に期待したい。<制作:テレビ朝日水泳>

※放送情報:「パンパシ水泳東京2018 競泳国別対抗戦」
8月12日(日)よる6時57分「決勝 最終日」