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世界一美しいラリー「ラリー・アルゼンチン」は混戦必至。勝つのは?【世界ラリー(WRC)】

©WRC/無断転載禁止

◆南米中から熱狂的ファンが集まる

WRC(FIA世界ラリー選手権)の2017年シーズン第5戦「ラリー・アルゼンチン」が、舞台をヨーロッパ大陸から南米に移し、間もなく開催される(4月27~30日)。

ラリー・アルゼンチンが開催されるのは、アルゼンチン第2位の都市であるコルドバを中心とした地域。アルゼンチン最大都市であるブエノスアイレスが南大西洋に面した海岸都市であるのと対照的に、コルドバはブエノスアイレスから西へ約700キロ入った内陸の地にある。さらに西にいくと、アンデス山脈が見えてくる。

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コルドバという都市名からも気づく人は多いだろうが、ここコルドバは、16世紀にスペイン人たちによって開拓された地であり、「コルドバ・デ・ラ・ヌエバ・アンダルシア」と命名された。意味としては、“新たなアンダルシアのコルドバ”とでも言えばいいだろうか。

メキシコが「ヌエバ・エスパーニャ」(新スペイン)として開拓されたのと同じように、アルゼンチンもスペイン人によって開拓された地なのである。もちろん、スペインのアンダルシア州の内陸部にも、同じコルドバという名の都市があり、このアルゼンチンのコルドバとは姉妹都市だ。

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そして、アルゼンチン第2位の都市ということで空路の便数が多く、同じ南米大陸のチリやペルー、ブラジル、ボリビア、パラグアイ、ウルグアイとった周辺国からも直行便や1箇所の経由で繋がるなどアクセスが良いので、南米の熱狂的なラリーファンが多く集まる

 

◆草原地と山岳地を走り抜ける

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ラリー・アルゼンチンは、草原部分と山岳部分を組み合わせたグラベル(未舗装路)ラリーが中心。前戦のラリー・フランスのような、直線部分がほとんどないラリーとは違う。

また、同じ高地グラベルながら、エンジンに影響が出る標高2000m以上のコースが多いラリー・メキシコほどの高地でもない(コルドバ市街は標高約400m)。まさにバランスが求められるラリーだといえる

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この地では、過去にトヨタチームの代表を務めるトミ・マキネンが1996年から1998年にかけて3年連続で優勝。また、トヨタチームも1991年・1993年・1994年と3度優勝を果たしている。トヨタのエースドライバーであるヤリ‐マティ・ラトバラも、2014年に優勝経験を持つ。

以前はシトロエンが圧倒的な強さを誇っていたが、過去3年を見ると、VW、シトロエン、ヒュンダイがそれぞれ勝利しており、突出した強さを見せるチームはない。

つまり、今シーズンも4戦を終えてフォード・トヨタ・シトロエン・ヒュンダイと、RC1クラスの4大自動車メーカーがすべて勝利していることから、ここラリー・アルゼンチンも混戦となることは必至だろう

また、各チームともに新レギュレーションのマシンで4戦を終えてそれなりのデータがそろってきた現在、ドライバーだけではなくまさにチーム全体の総合力が問われる。

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過去に何度も世界一美しいラリーに選ばれた「ラリー・アルゼンチン」のコースにも注目してもらいたい。各マシンの走りだけではなく、ラテンならではの熱狂的なファンと、自然が作り出した美しい景観とのコラボレーションが楽しめるのが、ラリー・アルゼンチンなのだ。

<文/田口浩次(モータージャーナリスト)>

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