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東京2020のマスコットを作った福岡の“シンデレラおじさん”「一度も公募に通ったことなかった」

テニスの現役を退いてから、“応援”することを生きがいにしている松岡修造。

現在は2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて頑張る人たちを、「松岡修造の2020みんなできる宣言」と題して全国各地を駆け巡って応援している。

さて、2020年7月24日の東京オリンピック開幕まであと2年と迫るなか、7月22日(日)には“東京2020大会マスコット”の名称が「ミライトワ」と「ソメイティ」に決まり話題となっている。

そこで今回修造が訪れたのは、福岡の博多。ここで、そのマスコットたちをデザインした人物と待ち合わせをしていた。

©TOKYO応援宣言

現れたのは、下駄履きにアロハシャツ姿の男性、谷口亮さん43歳だ。谷口さんは、無名のイラストレーターながら見事公式マスコットに選ばれ、賞金100万円を貰うことになった。

人呼んで、“シンデレラおじさん”だ。

時の人でありながら、その登場はあまりに自然体。待ち合わせ場所まで乗ってきた電動自転車は、今回の賞金から唯一購入に踏み切ったものなのだそうだ。

 

◆マスコット公募「1個も通ったことなかった」

実は谷口さん、“シンデレラおじさん”になるまでには、故郷・福岡で20年にも及ぶ苦闘の日々を過ごしていた。

イラストでプロデビューを宣言したのは24歳のときで、博多の歩道でお手製のポストカードを150円で売っていたという。当時から、親しみやすい2等身のキャラクターを生み出すことにこだわりを持っていた。

しかし、作品はなかなか売れず…。そこで、マスコットを公募する様々な企業に作品を送ってみたものの、谷口さんは「1個も通ったことなかったんですよ。公募系のものは、一度も(通ったことが)ない」とその道のりを振り返る。

イラストデザインの仕事は、東京が中心。地方都市の福岡を拠点とするなかでは、公募を勝ち抜かない限り大きな仕事を掴むことはできなかった…。さらに、福岡で行われるキャラクター系のイベントや大きなコマーシャルでも東京のイラストレーターが描いたと思われるデザインが使われていて、「福岡にいるのに、なんで頼んでくれないのか」と悔しい想いもしたという。

しかし谷口さんから福岡への愛が消えることはなく、「福岡にいても、絶対に成功する」――その思いを胸に、20年間あきらめることなく描き続けてきた。

 

◆“シンデレラおじさん”に

谷口さんの20年に渡る思いが報われたのが、今年2018年2月のこと。“東京2020大会マスコット”の決定だった。

©TOKYO応援宣言

谷口さんは、最終選考で全国の小学生20万人のうち半数以上の票を獲得。福岡の無名イラストレーターが“シンデレラおじさん”となった瞬間だった。

そしてその一方で、谷口さんは2020年に向けて次の一歩を踏み出していた。それは、地元福岡の伝統工芸・博多人形。現在、修行をしながら次の目標を思い描いている。

「出来れば、マスコットを博多人形でグッズとして出したいと思っています。博多の伝統・日本の伝統というのを世界に紹介できるし、そこから博多・福岡という街のことも知ってもらえる。そして、東京オリンピックの後押しを福岡から出来ることになります」(谷口さん)

©TOKYO応援宣言

「2020年の東京五輪、生み出したマスコットを通じて福岡からさらに盛り上げる!」――43歳、“シンデレラおじさん”の福岡愛、そして2020年への思いは果てしない。<制作:TOKYO応援宣言>

※番組情報:『TOKYO応援宣言
毎週日曜あさ『サンデーLIVE!!』(午前5:50~)内で放送、「松岡修造の2020みんなできる宣言」も好評放送中、テレビ朝日系