松山英樹、全英オープンでタイガー・ウッズと同組でのラウンドが決定 初のメジャー制覇へ良い影響
7月19日(木)から始まる海外メジャー第3戦、第147回全英オープンゴルフ。日本からは、これまでの最多タイとなる10人の選手が出場する。
その中でなんと言っても注目なのは、現在世界ランキング16位の松山英樹。
米ツアー通算5勝(日本人史上最多)、海外メジャーでも既にベスト10入りすること7回。去年の全米オープンでは2位に入り、世界ランキングも2位にまで上昇。まさに、「いつメジャーで勝ってもおかしくない男」として世界中から認められている存在だ。
その松山が、今年の全英オープン初日・2日目と行われる予選ラウンドで、あのタイガー・ウッズと一緒に回ることに決まった。言わずもがな、メジャー通算14勝(歴代2位)、米ツアー通算79勝(歴代2位)という伝説の男である。
◆タイガーとのラウンドは「特に何もない」
松山が初めてタイガーと一緒にラウンドしたのは、2013年8月のWGCブリヂストン招待。この年の4月にプロ転向したばかりの松山は、初日のスコア72の41位、2日目71で19位、最終成績21位と健闘を見せた。
対するタイガーは、初日66の3位、2日目61でトップに立ち、そのまま優勝。この結果に松山は、「そんなに悪いプレーではないけれど、圧倒的な力を見せつけられたら、ふがいないような気もしてくる」と、当時の世界ランキング1位との実力の違いを思い知らされていた。
あれから5年。メジャーで初めてタイガーとラウンドすることが決まり、そのことについて松山を直撃すると、「タイガーとのラウンドだからと言っても、特に何もないです」とクールな反応。
それもそのはず、松山はこれまでに通算4試合でタイガーと共にラウンド(※今年2018年だけでも既に2回)している。もちろん、世界が認めるだけの実力もつけてきた。相手が誰であろうと、自分のプレーに徹し、優勝を狙うことに変わりはないということだろう。
◆解説・丸山茂樹が語る“松山のチャンス”
タイガーとラウンドすることは、松山にとっていい結果につながるはず――そう話すのは、全英オープン中継で解説を務める丸山茂樹だ。
「タイガーとのラウンドはギャラリーやメディアの注目が高く、気持ちが引き締まり、気合いが入る。タイガーのプレーはテンポ・リズムが良く、豊富な技を見せられることで、それに引っ張られるようにいい結果が出ることがある。キャディとの会話などからコース攻略法など参考になることも多い。そして何よりも、これだけの実力の人でもミスすることもあれば、手堅くプレーすることもあるんだと安心する時がある」(丸山)
事実丸山は、メジャーで好成績を残した2大会、2002年の全英オープン(5位)と2004年全米オープン(4位)予選ラウンドをタイガーと一緒に回っていた。
丸山はさらに、「憧れが強すぎると飲み込まれてしまうが、松山はすでに何度もタイガーとラウンドしているのでその心配はない。そして最近のタイガーからは、以前のように他を寄せ付けないような雰囲気は少なくなり、後輩たちを育てたいという気持ちが感じられる」という。
42歳になったタイガーが、松山に好結果をもたらしてくれるに違いない。
◆タイガー・ウッズも認める松山英樹の実力
タイガーは、松山とのラウンドをどう感じているのだろうか。大会前の記者会見では、こう語った。
「ヒデキと初めてラウンドした時は、まだ彼はルーキーであまり知られていなかった。しかし、今や彼は世界中のトーナメントで優勝し、世界中で知られる選手になっている。一時はわずか9カ月の間に世界で5、6回勝ったこともあり、ゴルフ界のホットな位置にいる。ヒデキとのラウンドはいつも楽しいので、いい時を過ごせると思う。」
タイガーの口から出た、“2013年全英オープン”の言葉。改めて調べ直してもそこでは一緒にラウンドしておらず、やはり前述の通り、同年8月のWGCブリヂストン招待が初だ。つまり、タイガーは勘違いしていた。
当時の松山は、まだ21歳。米ツアーに参戦していたわけではなく、日本ツアーのルーキーだった。ルーキーでありながら6月上旬までに2勝。そして6月中旬には初出場した全米オープンで10位という結果を残し、世界に名を知らしめた。
そんななか行われた7月の全英オープン。タイガーはおそらく、それらの実績から松山に注目していたのだろう。そしてそこでも松山は6位という成績を残し、さらに世界を驚かせた。それが、タイガーにとっても“一緒に回っていた”と勘違いさせてしまうほどの鮮烈な記憶となっているのかもしれない。
タイガーは記者会見で、こうも語っていた――「切磋琢磨することで一緒に刺激しあって、共にいい結果を残せたらいいと思う」。
タイガーとのラウンドについてクールな反応を見せた松山に、このことを伝えると…。「メジャーで14回も勝っている人なので、メジャーで勝つことを前提に今回も出場していると思うし、自分も勝ちたいと思っているので、そういう意味では予選2日間しっかりと上位で終われたらと思う」と、静かに燃える気持ちを口にした。
タイガーとのラウンドは、松山にどんな結果をもたらすのか。そして、メジャー通算14勝を挙げながらも2008年以来その記録を更新できていないタイガー・ウッズには、松山はどのような影響を与えることになるのか。注目だ。<制作:テレビ朝日ゴルフ>
※放送情報:「第147回 全英オープン」
・第1日:2018年7月19日(木)よる11時30分~
・第2日:2018年7月20日(金)よる11時15分~
・第3日:2018年7月21日(土)よる11時15分~
・最終日:2018年7月22日(日)よる10時00分~
テレビ朝日系列地上波にて放送
開催地:イギリス スコットランド カーヌスティG.L.
解説:青木功、丸山茂樹
ゴルフキャスター:戸張捷
日本人出場選手:
松山英樹、小平智、宮里優作、池田勇太、時松隆光、秋吉翔太、谷原秀人、市原弘大、川村昌弘、小林正則