バスケ日本代表・富永啓生、挑戦の中で得た手応え。思い出深いアジアカップ、注目すべきは「ファーストショット」
8月5日にサウジアラビア・ジッダにて開幕した「FIBAアジアカップ2025」。
6日にグループステージ初戦シリア戦に勝利したバスケットボール男子日本代表は、8月8日(金)、勝てば決勝トーナメント進出の大一番・イラン戦に臨む。
54年ぶりとなるアジアの頂点を目指す日本代表。
ジェイコブス晶選手、ジョシュ・ホーキンソン選手、ジャン・ローレンス・ハーパージュニア選手に続き、今回は注目選手として、シリア戦でも18得点の活躍をみせた富永啓生選手(24歳/レバンガ北海道)を紹介しよう。
©FIBA
3年前のアジアカップ前回大会、優勝したオーストラリア代表を相手に1試合33得点を記録するなど大活躍。同大会がブレイクのきっかけになった富永選手。
その後、圧倒的な3ポイントシュートを武器にワールドカップでも活躍し、特にパリ五輪出場決定試合となったカーボベルデ戦では3ポイントを6連続で決めるなど、バスケファンのみならず日本中のスポーツファンに強烈な印象を残した。
今年6月にはアメリカ挑戦も後押しするレバンガ北海道への入団を発表。7月にはNBAサマーリーグに参加したことでも注目を集めている。
◆アジアカップ、パリ以降の悔しさを晴らす活躍を
3ポイントシューターとして期待された2024年のパリ五輪では、チーム編成などの問題もあり出場は3試合で7分。成功したシュートはわずか1本で2得点という結果に終わった富永選手。
また、昨シーズンはNBAの下部組織であるGリーグ(インディアナ・マッドアンツ)でプレーしたが、50試合中25試合の出場で1試合平均7.8分出場、平均3.4得点と思うような結果を残せなかった。
しかし、そんななかでも富永選手は確かな手応えや学びがあったという。
富永選手の口から出たのは、「ファーストショットメンタリティ」という言葉。出場して1本目のシュートをいかに決め切るか。「1本目のシュートが入ると、試合を通じて調子がいい試合が増えるという傾向がある」と話す。
実際に昨シーズンのGリーグ(カレッジパーク・スカイホークス戦)でも、重要な1本目のシュートを決め切った後、たった3分で3連続3ポイントを成功させた場面があった。「その時に、出場したらできるんだという自信につながりました。自分もこのレベルでできないことはない、という実感はすごく湧いたかなと思います」と振り返っている。
また、NBAにアピールするために“個の力”が求められるGリーグにおいて、富永選手の克服すべき課題はディフェンスだったが、限られたプレータイムの中でこの点においても成長を実感しているという。
「(昨シーズンは)間違いなく重要な1年だったと思いますし、この悔しさも、いろいろな良い経験も含め、これからもっともっとレベルアップしていけるんじゃないかなと思っています」と話す富永選手。今回のアジアカップでは、パリ五輪以降の悔しさを晴らす活躍が期待されている。
©日本バスケットボール協会
大会直前、7月のインタビューで、
「(前回のアジアカップは)自分としてはすごく思い出深い大会で、A代表初めての国際試合、正式な国際試合だった。3年後、またアジアカップに出られることはすごく光栄。今度は前回よりも良い結果が必要になってくる。それに必要なメンバーはそろっていると思う。あとは自分たちのやるべきことをやって、自分たちのバスケをすることで結果もついてくると思う。頑張っていきたいです」
と、今大会への思いを話していた富永選手。8日に行われるイラン戦については、
「イランは、すごく良いバスケットをするチーム。前回のアジアカップは、イランがやりたいバスケットっていうのを長いことやられて、自分たちの流れがあまり掴めなかったという印象があるので、それ以上に自分たちのバスケットっていうのを40分の間どれだけ長くやり続けられるか、というところが勝負のカギになると思います」
と分析している。前回大会で敗れたイラン代表へのリベンジを果たせるか。グループ最大の大一番、見逃せない。
※放送情報:「FIBA男子アジアカップ2025」
テレビ朝日系列地上波・ABEMAにて生中継
8月8日(金)よる8時 グループステージ第2戦 日本×イラン
8月10日(日)よる7時58分 グループステージ第3戦 日本×グアム
8月12日(火)準々決勝進出決定戦 ※日本進出時
8月17日(日)決勝/3位決定戦 ※日本進出時