バスケ日本代表、ジョシュ・ホーキンソンが“大黒柱”たる理由。誰よりもハードワークで貢献「相手が膝に手をついてたらチャンス」
8月5日(火)よりサウジアラビア・ジッダで開催される「FIBAアジアカップ2025」。
54年ぶりとなるアジアの頂点を目指すバスケットボール男子日本代表の注目選手を紹介。
今回は、ダブルキャプテンのひとりを務めるチームの大黒柱、ジョシュ・ホーキンソン選手(30歳/サンロッカーズ渋谷)だ。
アメリカ・シアトル出身、地元マリナーズに在籍したイチローに憧れ、高校までは野球もやっていたホーキンソン選手。
大学でバスケ一本に絞り、NCAA(全米大学体育協会)の強豪リーグでオールスターに選出されるなどNBAを目指していたが、ドラフトにはかからず、周囲は下部組織のGリーグやヨーロッパの強豪リーグに進むと予想していたなか、ホーキンソン選手が選んだのは日本の地。名古屋で2部リーグからプロとしてのキャリアをスタートさせた。
異国の地で努力を続けたホーキンソン選手は、2023年に日本国籍を取得。日本代表までのぼり詰め、かつて対戦したNBAスターも出場するワールドカップ、オリンピックまでたどり着くこととなった。
日本での生活では、最初は強いホームシックに苦しんだというが、自身も異国でプロ選手としてプレーした父・ネルズさんからの「もっと外に出ろ!文化に触れろ」という助言を実践していったことで、現在では日本が大好きになり、日本語も堪能。
ホーキンソン(HAWK=鷹)という名前から“タカちゃん”というニックネームも付けられ、元来の明るい性格もあってファンからも大人気の選手となっている。
◆誰よりも“ハードワーク”をこなす大黒柱
そんなホーキンソン選手の特徴のひとつが、リバウンド。
世界的に見てサイズの小さい日本代表において、取って取って取りまくるその姿と存在感は、まさに大黒柱だ。
ホーキンソン選手自身はこのリバウンドについて、「私はすごく高いジャンプでリバウンドを取るような恵まれた身体じゃない。だから相手のほうが優れている場合、賢さやハングリー精神など全力を出して相手を上回らないとダメなんだ」と話す。
この言葉にも表れているホーキンソン選手の最大の優れた資質が、誰よりもハードワークでチームに貢献する選手であるということ。
2023年のワールドカップでは、世界2位の平均10.8リバウンドを筆頭に、平均21得点(世界7位)、平均出場時間34.9分(世界6位)、フィールドゴール成功率58.8%(世界9位)、フリースロー成功率88.9%(世界10位)――。これらのスタッツをもとに割り出す貢献度ランキングでは、世界2位の数値をたたき出した。
そして2024年のパリ五輪でも、世界1位の3ポイント成功率75%、平均9.7リバウンドはワールドカップに続く世界2位、平均18.3得点(世界7位)、平均出場時間36.4分(世界3位)、平均ブロック世界6位、フィールドゴール成功率60.7%(世界4位)、フリースロー成功率80.0%(世界8位)――。貢献度ランキングでは世界3位となった。
これだけの活躍を見せるホーキンソン選手自身のモットーも、「誰よりもハードワークすること」。スタミナも驚異的で、ワールドカップ・パリ五輪で決めた全160得点のうち、後半に決めたのは103得点。前半のおよそ倍も決めていることになる。
また、日本代表の試合で印象的かつ自身もベストプレーに選ぶのは、2023年8月、ワールドカップ前に行われた強化試合のスロベニア戦でのワンシーン。
ゴール下で守っていたホーキンソン選手は、ある場面で相手のシュートを2回連続でブロックし、日本代表がボールを持つとそのままリムランニングで攻撃に参加。最後はシュートを決めた。
「ほかの選手なら2連続ブロックで喜ぶかもしれないけど、仕事は終わっていないので、チームに貢献するため速攻に加わった。笛が鳴るまでプレーを続ける選手になりたい」と、ホーキンソン選手はこの場面を振り返っている。
「相手が両手を膝についているのを見ると、チャンスだ行くぞって思うんだ。ハードワークも才能の一種で、それがなければ才能も開花しない。これが私のモチベーション」と豪語するホーキンソン選手。
アジアカップでも、ハードワークで誰よりもチームに貢献する姿から目が離せない。
※放送情報:「FIBA男子アジアカップ2025」
テレビ朝日系列地上波・ABEMAにて生中継
8月8日(金)よる8時 グループステージ第2戦 日本×イラン
8月10日(日)よる7時58分 グループステージ第3戦 日本×グアム
8月12日(火)準々決勝進出決定戦 ※日本進出時
8月17日(日)決勝/3位決定戦 ※日本進出時