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竹中直人「おかしくて笑っちゃった」知英、初主演映画での“おじさんぶり”が話題

©テレビ朝日

日本で本格的に活動を始めてまだ4年だとは思えないほど流暢(りゅうちょう)な日本語を話す知英(ジヨン)さん

映画デビュー作『暗殺教室』シリーズでは金髪の暗殺者、映画『全員、片想い』のなかの1作『片想いスパイラル』では性同一性障害の留学生、主演ドラマ『オーファン・ブラック~七つの遺伝子~』では一人七役…次々と難役に挑んでいる。

©テレビ朝日

 

◆知英、初主演映画で竹中直人のからだに…

-韓国から来たタレントの方で、日本でこれだけ映画やドラマの主演作が続いている方はなかなかいないと思いますが―

「そうですね。感謝です、そこは」

-日本で女優をという道を選んだ理由は?-

「KARA時代に初めてドラマをやらせていただいたとき、お芝居がとても楽しかったんです。それから本格的にお芝居をやりたいと思うようになりました。それで、私は女優をやりたいからチーム(KARA)から卒業したというか、みんなもそれを応援してくれたんです。

もともと日本のドラマや映画が好きだったことも大きいですね。それと良いスタッフとの出会いもあったので、日本で女優をやっていこうと決めました」

-ここのところ日本人役が多いですが、まったく違和感がないですね-

「ありがとうございます。日本人の役は何度かやったことがあったので、そこに関しては心配はしていませんでした。やっぱり日本での生活に慣れたことが多いと思います」

-結構難しい役どころが多いですね。初主演映画『レオン』では竹中直人さん演じるエロ社長とからだが入れ替わっちゃいました-

「からだが入れ替わるという設定は前にドラマでもやったことがあるんですが、エロ社長の演技をするのが難しかったですね(笑)。でもコメディー作品はずっとやりたいと思っていたし、前から好きだった竹中直人さんとの共演はとても楽しかったです。

竹中さんのクランクインの日は、私は撮影がなかったんですけど、私と入れ替わったところをどんな風に演じるのか見たくて、見に行っちゃいました(笑)」

-入れ替わった後の知英さんのおじさんぶりが話題になりました-

「肩をいからせたり、ガニ股の歩き方、貫禄たっぷりの声の出し方など、とにかく男性っぽくしなくちゃいけないと思って頑張りました。あのときは撮影現場でもどこでも、ずっと男の人ばかり見て観察していましたね(笑)」

-竹中(直人)さんが、「知英さんが僕と入れ替わったと気づいたときに、僕のからだの上に乗っかるシーンが本当におかしくて笑っちゃった」と話されていました-

「あのシーンもとても楽しかったです。『失礼しまーす!』と言って竹中さんのからだの上に乗らせていただきました(笑)」

※『レオン』=消極的で地味な派遣OLの玲音(知英)と彼女が務める会社のワンマンエロ社長は、同じ車の事故に巻き込まれたことがきっかけで、からだが入れ替わってしまう。性別も地位も性格も何もかもが正反対の2人が巻き起こす騒動を描く。

(C) 2018「私の人生なのに」フィルムパートナーズ

 

◆知英、新体操にプレッシャー

7月14日(土)には主演作『私の人生なのに』が公開される。この映画で知英さんは、新体操のスター選手として将来を期待されていたが、突然、脊髄梗塞で倒れて下半身麻痺(まひ)になり、絶望に打ちひしがれながらも、ミュージシャン志望の幼なじみと再会し、音楽を介して生きる気力を取り戻していく主人公・金城瑞穂を演じている。

-かなりの難役でしたが、役作りはどのように?-

「まず最初に『もし、自分だったらどうなんだろう?』と考えました。もし、急に現場でそうなったとしたら、それはもう最初は絶望ですよね。

本当にそうなったことはないんだけど、実際に瑞穂と同じ病気を持っている皆さんにお会いして、色々とお話を聞かせていただくことができました。でも、今回の役は本当に難しかったです」

-実際にお話を聞かれていかがでした?-

「こうやって自分の足で歩けるということが、私たちには普通なんですけど、ただ、これだけでも幸せなことなんだなって思いました。

そこは深く突き詰めていくと本当に大変なんですよ。だから、そこを監督とも話して、映画の中でどのくらい描くのか、あまりにも障害のことに比重を置くとドキュメンタリーみたいになっちゃうので…。

やっぱり映画ということはあったんですけど、瑞穂と同じ病気の方たちの気持ちをわからないとダメというところもあったので、難しかったです。

実際にお話を聞いてみると、『病気のことは今でも認められない、歩けないことが、自分はまだ信じられない。あした目がさめたら歩けそうな気がするんだけど、何も変わってない。自分の足だけが動かないということが、なかなか受け入れられない』って…。

事故でもないし、瑞穂の病気というのは、ある日、突然、そういう風になるわけなんで、もう本当に原因もわからないんですよ。でも、本当に実際にそういう方たちがたくさんいるんですよね。だから『私って本当に幸せなんだなあ。感謝して生きよう』って改めて思いました」

-車椅子も大変だったのでは?-

「坂道もありましたし、大変でした。最初の何日間かは腕が痛くて筋肉痛で大変だったんですけど、実際にその病気の方が指導者としてずっと現場に付いていてくださって教えてくれました。

たとえば、物をひとつ取るのでも、私たちは簡単に取れますが、でも、どこか支えないとダメなわけですよ。だけど、そういうのもやっぱり私は無意識に力が入るからやっちゃうんですけど、『そこは違う』と言われて動きを変えたり…。

足が動かないように見えなきゃいけなかったので、よっぽどじゃない限りは撮影中もずっと車椅子に乗っていましたし、家にも持ち帰って練習をしていました」

-新体操のシーンもありましたね-

「新体操と歌も苦労しました。役として歌うのも、ここまで感情をこめて歌うということも初めてだったので…。やっぱりそこも今回の映画のハイライトだったし、ギターを弾きながら歌うというのも、今までやってきたけど、コンサートでやるのとはまた全然違ったので、そこも練習がすごく必要でした」

-ダンスをやってらしたので、新体操のシーンは本領発揮という感じだったのでは?-

「いえいえ、皆さんそう言われるんですけど、今まで私がやっていたダンスとは全く関係ない新体操で、全然違うジャンルでしたから大変でした。だから時間もあまりないなかでそれをやるということはものすごいプレッシャーで、諦めそうになったこともあったし、本当に大変だったんです」

-結構特訓されたんですか―

「そのつもりでいるんですけど(笑)。でも、やっぱり、一ヵ月ガーッと集中してやっても、そう簡単にできるものじゃないんですけど、映画のためにやるということだったので、頑張りました」

-撮影で印象に残っていることは?-

「とにかく、感情を爆発させるシーンも多かったですね。泣くシーンとか。瑞穂として生きる時間が、結構つらかったです。撮影のときには、とにかく毎日泣いていた記憶があります。

瑞穂を演じるには、前向きになるときはまた別なんだけど、そうじゃないシーンを撮っているときは、本当に幸せじゃないって思わないとダメだったから、人ともあまりしゃべらないようにしていました」

-もうすぐ公開ですね-

「短期間でいろんなことをしなくちゃいけなくて大変でしたけど、これまでのなかでも思い入れが強い作品になりました。ぜひ、たくさんの方に見てほしいです」

-今後の夢は?-

「良い作品に出合って、良い歌に出合うこと、それしかないですね。それでいろんな役に出会って、作品ごとに違う姿を見せられるカメレオン女優になりたい。英語の勉強もしているので、機会があれば海外の作品にも出たいです」

2016年には短編映画監督デビューも飾り、活躍の場を広げている知英さん。

10月には、家族を殺した犯人に復讐(ふくしゅう)するために殺し屋となった女・愛子を演じた日米合作映画『殺る女』の公開も決定。ノリにノッている彼女の勢いが止まらない。(津島令子)

 

(C) 清智英・大倉かおり/講談社・2018映画「レオン」製作委員会

※『レオン』
ブルーレイ & DVD セット【初回生産限定】4,743円(税別)発売中
発売元・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

(C) 2018「私の人生なのに」フィルムパートナーズ

※『私の人生なのに』7月14日(土)より新宿バルト9ほか全国ロードショー。
監督・脚本:原桂之介
出演:知英、稲葉友、落合モトキ、根岸季衣

(c)2018「殺る女」製作委員会

※『殺る女』
10月27日(土)より、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー。
監督:宮野ケイジ  出演:知英、武田梨奈、駿河太郎