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石原良純「噛めば噛むほど色々な味が出てくる」地元産素材だけで作る絶品“石窯パン”

いま知っておきたい話題や気になるニュースをお届けする朝の情報番組『モーニングショー』では、月~金の日替わりコーナーが放送されています。

月曜日は、石原良純さんが、様々なテーマを立てて楽しむ「散歩」や、第二の人生を「地方移住」で輝かせている方々などを紹介する名物コーナー「良純未来図」をお届け。

7月2日(月)の放送では、長野・長野市の鬼無里(きなさ)地区へ、東京・目黒から2008年に移住してパン工房「ソノマノ」をオープンさせた竹内正和(たけうち・まさかず)さん(54)・俊子(としこ)さん(47)夫妻に、石原さんが迫りました。

◆長野・鬼無里でパン工房を開いた竹内正和さん・俊子さん夫妻

正和さん・俊子さんが移住した鬼無里地区は、北アルプスの大自然を一望できる、美しい山里です。鬼無里という地名は、「平安時代、村人を襲っていた鬼が武将に退治され、“鬼がいない里”になった」という伝説に由来するのだそうです。

◆店舗にも“地域に元々あった素材”のみを使用

「ソノマノ」というユニークな店名は、「素材のままの」という店のモットーを縮めたものだそうです。その精神はパンだけでなく、店舗や設備にも活かされていました。築90年の古民家をリフォームしたというお店には、「地元に元々あった素材を“そのまま”使う」というスタイルが用いられているのです。

店内のイートインスペースに置かれたテーブルは、かつて地域の学校で使われていた作業台。パン焼き用の石窯には、焼却炉のフタが再利用されています。また、窯に使われている石自体も昔の炭焼き窯から掘り出してきたそうで、まさに店内は「元から地域にあったもの」だけで構成されているのです。

◆地元産素材だけで焼かれる“石窯カンパーニュ”の素朴な美味しさ

紹介した「石窯カンパーニュ(1/4カット)」320円~(税込み)

“地元産”にこだわる竹内夫妻が最大のこだわりを見せているのは、やはり「パンの素材」です。小麦粉は、古くからの信州名物「おやき」に使われているのと同じもの。パンをふくらませる酵母(こうぼ)は、近所で調達できる桑の実を原料とした「手作りの天然酵母」なのだそうです。パンをふくらませる力自体はさほど強くないそうですが、色々な味を持っていて、味わい深い仕上がりになるんだとか。

仕込みから焼き上がりまでおよそ6時間かかるという竹内夫妻こだわりのパン「石窯カンパーニュ」を、石原さんは味わわせていただきました。黒ゴマときな粉の入った「フランスの田舎風」というこのパンは、石窯焼きならではの焦げ目が魅力の、素朴な美味しさ。石原さんによれば「噛めば噛むほど色々な味が出てくる」そうですが、ジャムをつけると、また新たな美味しさが生まれます。ジャムの原料は、地元で採れる「ルバーブ」という野菜で、「ワイルドな味わい」だそうです。

石窯カンパーニュは今回、エノキとジャガイモを使った塩麹(しおこうじ)スープと、アズキと干しカボチャのマリネを付けたランチコースでいただきました。食材は全て地元産だといいます。実は石原さんはカボチャが好きではないのですが、干したことで甘味が凝縮されたカボチャは美味しくいただけたそうです。

◆修行ナシの“独学”で人気パンを生み出した竹内夫妻

東京のデザイン会社で知り合い、職場結婚をしたという竹内夫妻。現在の地へ移住したのは、「自然豊かな環境下で自分が過ごしてきたので、子どもたちにも同じような体験をさせたい」という正和さんの願いからだといいます。パン工房を開いた理由は「夫婦共にパン好きだったから」ということに加えて、「デザイン会社でやっていた装飾ディスプレイの仕事が“季節を追いかけるもの”だったので、こちらでも“季節を追っていくパン”を作りたかった」ということもあったそうです。

「まったく知らない土地」で「以前とは異なる仕事を始める」ということに不安がなかったわけではありません。しかも夫妻共に「パン作りの修行に出たことはない」そうで、技術は「専門書を見ながらの“独学”で、試行錯誤しながら身に付けていった」んだとか! それでも現在は多くのファンを持つ人気店となっています。

当初はお店を持たず、「道の駅」などに卸す形でパンを販売していたそうです。それが口コミで評判となり、店舗開設へ。さらに「お店で焼きたてを食べたい」というリクエストに応え、昨年にはイートインスペースも設けたのだそうです。現在の営業ペースは水曜と土曜の「週2日」で、収支はトントンなんだとか。

石窯でパンを焼くためには、1回につき30本ほどの薪(まき)が必要だそうです。正和さんがその調達に利用しているのが、自宅から車で10分ほどの場所にある「鬼無里薪ステーション」という施設。地元の山を整備した際に出た間伐材(かんばつざい)を、市街地の住民に薪として販売してくれているのだそうです。その価格は、針葉樹の薪1リューベ(約400本)で1万8000円。1年を通じて購入する竹内さんはお得意様なんだとか。

◆竹内夫妻の目指す“究極のパン”とは?

開店日には朝の2時から仕込みを始め、夕方まで販売に追われるという竹内夫妻。そんなおふたりに“癒し”を与えてくれるのが、自宅の裏山にある絶景スポットです。集落を一望するこちらからは、北アルプスの雄大な自然も眺めることができます。石原さんも、しばし時間を忘れて自然美に見入ってしまいました。

最後に石原さんは、竹内夫妻の目指す“究極のパン”がどんなものか伺いました。それはなんと「味噌汁と一緒に食べておいしいパン」なんだとか! 「お菓子的なものではなく、ご飯の代わりになって、体のためにもなる」という“主食パン”を作りだすべく、おふたりはこれからも研究と修行を続けていかれるそうです。

※ソノマノ
住所/長野県長野市鬼無里日影419
TEL/026-262-1819
イートインの営業日/水曜・土曜
営業時間/11:00~17:00

※紹介した「日替わりランチ」960円(税込み 日替わりランチは日によって内容・値段が変わります)
今回登場したランチの内容/石窯カンパーニュ(黒ゴマきな粉入り 1/4カット)、エノキとジャガイモの塩麹スープ、あずきと干しカボチャのマリネ、ルバーブジャム

※ソノマノのパンの委託販売先(販売先の詳細およびお取り寄せについては「ソノマノ」のHPをご覧ください)
「道の駅おがわ さんさん市場」
住所/長野県上水内郡小川村大字高府1502番地2
TEL/026-269-3262
販売日時/毎週火曜13:00~14:00
「銀座NAGANO」
住所/東京都中央区銀座5丁目6-5 NOCOビル 1・2・4階
TEL/03-6274-6015(代表)
販売日時/毎週土曜の午後
※限られた種類のパンを少量入荷しているため、石窯カンパーニュを販売しない場合があります。

※鬼無里への移住に関するお問い合わせ先「長野市役所鬼無里支所」
TEL/026-256-2211
受付日/月曜~金曜(土曜・日曜・祝日・年末年始はお休み)
受付時間/8:30~17:15