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1つの役に2つの俳優名が…田中要次がひらめいた驚きの「解決方法」

©テレビ朝日

コワモテ個性派俳優として、映画、ドラマ、CMなど幅広く活躍する田中要次さんだが、大の猫好きとして知られ、テレビやCMで猫と共演することも多い。現在も愛猫3匹と暮らし、その写真を公開するサイトも運営しているほどメロメロ。実は結婚も猫がきっかけだったという。

左からチャイ、サビ、クマコ

◆愛猫との生活

-田中さんと言えば、大の猫好きとして知られていますが、現在は?-

「3匹います。5歳のクマコ、4歳のチャイ、3歳のサビ。みんな女の子なので娘のようなもの。元気に走り回っていますよ」

-性格はどんな感じですか-

「クマコは人見知り、チャイは好奇心旺盛、サビはおっとり。膝やからだの上に乗ってくるので動けなくなっちゃいますね(笑)」

-飼い始めたのはいつごろからですか-

「自分で飼うようになったのは、ちょうど妻と暮らし始めてからなので、2000年です」

-奥様も猫好きだったんですか-

「もともと猫は妻が飼っていて、彼女が僕の家に来ると、猫が留守番になっちゃうじゃないですか。それで、僕は猫のことを心配して、『一緒に暮らそう』って言ったんですよ(笑)」

-奥様の猫は田中さんにもなついていたんですか-

「わりと僕は猫に好かれるんです。猫がなついてくれたから信用してもらえたみたいなところから始まってるんです。『何でこんなに早くなついたの?』って(笑)。『この人、来たばかりなのに、うちの猫がもうなついている』みたいなことで」

-猫が結ぶ縁ですね。猫との共演も多いですね-

「そうですね。猫との共演は楽しいですけど、猫たちは『私女優になりたい』と思ってやっているわけじゃないだろうから、時々、無理をさせているんじゃないかとつらくなるときがありますけどね。

猫のオヤツの“CIAO(チャオ)ちゅ~る”のCMは、本当にただ食べてもらうだけなので、あんなに動物とストレートにすぐに終わることができた現場はなかったですね。出せばすぐ食べに来て『はい、OK』ってなるから『“チャオちゅ~る”すごいな』って(笑)」

-田中さん演じるコワモテのおじさんが、猫をひたすら愛でまくるというドラマ『猫とコワモテ』(BSジャパン)もユニークでした-

「あれは猫カフェでね、みんなが猫を抱いているところを撮ろうとしたんですけど、撮影に使ったお店の猫は抱いてはいけないというところだったんですよ。『触ってもいいけど抱いちゃダメ』って。だから抱かれ慣れてない猫ばかりで、みんな嫌がっちゃって。なかなか監督が撮ろうと思ったシーンが撮れなくて、手間がかかりました。お店自体は大きくて、内装がすごく変わっていて、ファンタジックで画的には素晴らしいロケーションでしたけどね」

-田中さんのお宅の猫たちはどうですか?-

「いやあ、やっぱり一番上のクマコは抱かれるのは苦手だし、チャイもそんなに抱かれるのは好きじゃないかな」

-地方ロケなどで離れているときはやっぱり気になりますか?-

「気になりますけど、妻にまかせているので…。でも、忘れちゃってることもありますけどね(笑)」

©2017キングレコード

◆初主演映画でゾンビメイク?

昨年は、謎の生物に操られたヒトとマシンの複合体ネクロボーグが死闘を演じるさまを描いた『蠱毒 ミートボールマシン』で映画初主演。田中さんは自らもネクロボーグと化し、思いを寄せる女性を守るために戦う主人公・野田勇次を特殊メイクで顔もからだも変貌させて熱演。激しいアクションシーンにもほぼスタントなしで挑んだ。

-昨年は初主演映画も公開されました-

「まさか50歳を過ぎて主演映画ができるとは思っていませんでしたから、うれしかったですね。低予算の作品だったので、2週間もないぐらいのスケジュールだったんです。台本を読んだときはアクションがあるし、CGや合成もあるし、絶対に無理でしょうって思ったんですけど、撮り終えちゃったんですよね(笑)。

撮影初日に監督から『このスケジュールで撮らなきゃいけないので、テストはやりません。本番からいきますから』って言われたんですよ」

-一発本番ですか?-

「そう。テストなしで本番ですよ。でも、それが良いときもあるんですよね。テストは力が抜けていて良かったけど、本番入ったらうまくいかないみたいなことがありますから。今はデジタルだから、全然それで良いと思うんですよね。撮っておけば、もしかしたら何かには使えるかもしれないというのがあるので」

-特殊メイクを施された姿が強烈でした-

「意外と『変身した後がカッコいい』とか言われていて(笑)。よく見たらスーツはボロボロだし、内臓は飛び出ているし…」

-目鼻立ちがハッキリしているのがよくわかりました-

「逆に目から血が流れているメイクとかが、目を際立たせていました。基本ゾンビみたいなちょっとグレーのような肌色に隈(くま)取りしたみたいな顔で、血のりの量もハンパじゃなかったので(笑)」

-衝撃的なバイオレンス・スプラッタームービーですね-

「あれは海外の映画祭ではもう大盛況ですよ。世界各国の映画祭で上映されてますけど、ファンタスティック系の映画祭だというのもあるし、上映時間帯も深夜0時過ぎで、夕食と一緒にお酒が入っているせいか、本当にお祭りみたいな見方をするんですよね。黙って静かに見るという環境じゃなくて、もう本当に、日本で知っているのは、昔あった『ロッキーホラーショー』みたいな観客参加型映画。本当にそんな状態でしたよ。コンサート会場かと思いましたもん(笑)」

-実際に行かれたのはどこの国ですか-

「ブリュッセル(ベルギー)とプチョン(韓国)に行きました。ブリュッセルはコンサートみたいでしたよ」

-舞台あいさつの時の反応はいかがでした?-

「あたたかかったですよ。何しろ、西村喜廣監督がもう人気者なんですよ。人気者というかスターですよ、向こうでは初期の作品『東京残酷警察』(08年)から名物監督になっているみたいで、来るのを楽しみにしている人が多くて。だから僕はほとんど監督の後ろをついて行ったという感じでした。

でも、なかには『キル・ビルを見ました』と言ってくれる方もいて、自分が英語を話せたら、もっといろんなことを話せるのに…とちょっと悔しかったです」

©テレビ朝日

◆田中要次と書いて「BoBA(ボバ)」と読む?

映画関係者から「BoBA(ボバ)」さんと呼ばれている田中さん。自身のデビュー作の映画『SEEK AND FIND/佐々木伸誘』での役名がボバだったこと、そして脱サラ後にそのときのスタッフを頼って業界入りをしたことから、この名前を浸透させたいと願っているのだが…。

-ボバさんは愛称だと思っていました-

「その解釈が多いですけど、本当は、タナカヨウジではなく、『BoBA(ボバ)って呼んで下さい』っていうのが僕のなかの思いです。

石井克人監督の『鮫肌男と桃尻女』(1999年)では、オープニングでは『BoBA』と表記されたんですけど、エンドロールの表記は『田中要次』だったんですよ。ひとつの作品で2つの名前っておかしいじゃないですか。だから、どう使いわければ良いんだろうと思って、それで、『そうだ!読みにすれば良いんだ』とひらめいて。

『漢字では田中要次だけど、これをBoBA(ボバ)と読んで下さいよ』ってことにすれば成立するなと思って。だから『英語で書かれるときはBoBAにしてください』って、僕は言ってるんです」

-田中さんイコールBoBAさんの浸透状況はいかがですか?-

「まだまだテレビでは浸透してないです。映画、ドラマぐらいですかね。でも、世代が変わってきちゃっているから、受け継がれてないかもしれない」

-そこはこだわりですか-

「『キル・ビル』でもBoBAって出してもらってるから、そこはやっぱり通さないとね。でも、それは裏ネタ的でいいかなって思ってますけど(笑)。田中要次は本名だし、あんまりそこを頑張って、いちいちそれを現場とかテレビで訂正していると、“イタい人”って思われるから流しますけど」

©テレビ朝日

◆『大改造!!劇的ビフォーアフター』で板倉をリフォーム

長野県・木曽町にある田中さんの生家は町の管理のもと、田舎暮らし体験住宅として利用されているが、2年前には『大改造!!劇的ビフォーアフター』(テレビ朝日系)で生家から40m離れたところに建っていた「板倉」(木造の倉)をリフォームして民泊に。古くからの友人との語らいや掃除のために現地に行くのが楽しみだという。

-リフォームのきっかけは?-

「何年か前の大雪で板倉の屋根が傷んでしまって、『使っていないんだったら壊しちゃえば?』と言われたんです。とりあえず中がどうなっているんだろうと思って、帰郷して久しぶりに中を見たら、屋根の中心に使っている棟木がものすごく太くて立派だったんですよ。これは壊すのはもったいなと思って」

-中はどうだったんですか?-

「それが全然傷んでなかったんです。それでこれは逆にもうちょっとお金を足して、遊べる空間にしたほうが良いなあと思って。屋根だけ直したら、またそれでほったらかしにしてしまうだろうから、ちゃんと使えるようにしようと思ったんです。

それで地元の友人に相談したら『“大改造!!劇的ビフォーアフター”(テレビ朝日系)に応募すれば良いじゃん』って言われて、地元の友人から番組のディレクターに紹介されて。それで2年前にリフォームをしてもらってテレビで放送されました。

自分のなかではまだ完成という気がしてなくて。ずっと頭の中で『あそこを直しに行きたいな』とか、『草が生えてきたんじゃないかな。草刈りたいな』とか、思ってるんですけど」

-田中さんがご自分でやるんですか?-

「そう。一応、冬の間は閉めていて、春先GW前に開けるために掃除と草刈りに行くんです。故郷を出た自分をいつもあたたかく迎えてくれる地元のみんなに楽しく使ってもらえたらという思いもあってリフォームしました」

故郷を出たからこそ故郷の良さを実感したという田中さん。2003年に短編監督デビューを果たし、これまでに7本短編映画を監督。いつか1本は長編映画を監督したいと目を輝かせる。一見コワモテだが、笑顔はとてもチャーミング。愛されキャラと独特の存在感に魅了される。(津島令子)

© 2017キングレコード

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