テレ朝POST

次のエンタメを先回りするメディア
未来をここからプロジェクト
menu

モロッコ代表の苦労人イケメン監督、登り詰めたW杯でクリロナに挑む

開催中のワールドカップ。ポルトガル・スペイン・モロッコ・イランがいるグループBは、「2強2弱」と言われることもある。現地時間の6月15日、うち“2強”とされるポルトガル代表とスペイン代表が激突した。

欧州王者・ポルトガルと、2010年世界王者・スペイン。序盤にして既に“大会ベストゲーム”とも囁かれているこの一戦は、優勝候補スペインが終始ゲームを支配するなか、ポルトガルのクリスティアーノ・ロナウドが初戦にして圧巻のハットトリック。「スペインVSロナウド」とも言いたくなるような展開で、独力でドローに持ち込んだ。

これまでのワールドカップでは3大会で各1点ずつの3点しかとっていなかったが、4度目の初戦で過去3大会分の得点をあげる結果となったロナウド。33歳でのハットトリックは、ワールドカップ史上最年長のハットトリックとなっている。

今大会のロナウドの輝きは、世界の全サッカーファン注目の的だ。

 

◆クリスティアーノ・ロナウドが唯一手にしていないもの

©テレビ朝日サッカー

「成功はほぼ手にしてきた。自分に足りないのはワールドカップ優勝だけだ」――クリスティアーノ・ロナウドはこれまで、ポルトガル代表で2016年EURO優勝、クラブでチャンピオンズリーグ優勝5回、個人でバロンドール受賞歴代最多タイ5回、そして各リーグでの得点王(CLで6回・プレミアリーグで1回・スペインリーグで3回)と、幾多のタイトルを獲得してきた。

そんな彼が唯一手にしていないもの、それがワールドカップである。

2006年から過去3度挑戦するも、ドイツ大会(2006年)の4位が最高。自身の年齢も33歳となり、おそらく最後になると思われる4度目の挑戦で、悲願のワールドカップを手にすることはできるのだろうか。

©テレビ朝日サッカー

ここで、クリスティアーノ・ロナウドにまつわる“数字”を3つ紹介しよう。

まずは、SNS(インスタグラム)のフォロワー数。2018年6月19日現在、約1億3000万人だ。これは、日本の総人口よりも多い。

続いて、これまでに稼いだ金額。2017年12月時点で、計約814億円といわれている。そして、そんなロナウドの市場価値。実に約1億1770万ドル(※ING銀行アナリスト算出)だ。

ポルトガル代表がスペインの次に第2戦を戦うモロッコ代表は、その全選手の市場価値を足しあげて約1億4120万ドル。つまりロナウドは、ひとりでモロッコ代表全選手に匹敵する市場価値があるとされているのだ。

そんな“差”があるなか、モロッコ代表はどう立ち向かうのか。

 

◆“苦労人”モロッコ代表監督・ルナール

ポルトガル代表とモロッコ代表は、国際Aマッチで過去に一度だけ対戦している。1986年、メキシコワールドカップのグループステージだ。このときは意外にもモロッコが3‐1で勝利をおさめ、そのままグループ首位で突破。一方のポルトガルは、この敗戦でグループ最下位に沈んだ。

モロッコはこれまでのワールドカップ本大会でわずか2勝しかしていないが、そのうちの1勝はポルトガルからあげているというわけだ。

©テレビ朝日サッカー

今回、5大会ぶり5回目の出場となるモロッコ代表。アフリカ最終予選を全6試合無失点・無敗で勝ち上がった同代表で注目すべきは、ルナール監督(49歳)だ。

フランス国籍のルナール監督は、ザンビア代表監督、コートジボワール代表監督でアフリカ選手権を二度制覇し、2016年2月にモロッコ代表監督に就任。今回は、自身初のワールドカップに臨んでいる。

イケメンとしても注目を集め、トレードマークの白シャツにちなんで洗剤のCMにも出演しているルナール監督だが、その実態はかなりの“苦労人”だ。

フランスのアマチュアサッカー界で「ドラギニャン」というチームの監督を務めていた(1999-2001)ときのルナール監督は、清掃会社で働き、家屋や庭の掃除などをしていた。毎朝6時に起きて仕事に向かい、夜は選手の指導をする日々だった

そんな彼の人生を劇的に変えたのは、アフリカ・アジア方面で活躍した名監督クロード・ルロワ氏。

当時ルナール監督は、ルロワ氏との共通の知人で不動産業を営むロメロ氏から建物清掃の仕事を斡旋してもらっており、ロメロ氏があるパーティーの際、中国のクラブ監督に就任しアシスタントコーチを募集していたルロワ氏にルナール監督のことを推薦した。

そうして2002年から約6年間にわたりルロワ氏のもとで修業を積んだルナール監督は、ルロワ氏の推薦でザンビア代表監督に就任(2008-2010)。2010年のアフリカネイションズカップでザンビアを同国史上初の優勝へ導き、ルナール監督の名は世界に知れ渡るようになった。

2015年には黄金世代のコートジボワールを率いてアフリカネイションズカップで優勝したのち、フランスのリールでクラブチームの監督に挑戦したが、数か月後には成績不振で解任される。

そこで彼が向かった先は、またしてもアフリカだった。2016年にモロッコ代表の監督に就任すると、チームを20年ぶりのワールドカップ出場に導き、同時に自身の夢でもあった監督としてのワールドカップ出場も果たすこととなった。

こうしてルナール監督の“苦労人”の経歴を大まかに説明したが、南仏の清掃会社からワールドカップのひのき舞台へと登り詰めた彼、失業や下部リーグ時代の苦労を乗り越えてワールドカップ出場監督となったルナール監督こそは、多くの人々に希望を与える存在なのだ

 

◆劇的な初戦を終えた2国による第2戦

そんなルナール監督が率いるモロッコ代表のイラン代表との初戦は、まさに死闘。

両者譲らない試合展開は、点数こそ入らず派手さはなかったものの、局面ごとに両国の意地がぶつかりあう観る者の胸を打つ内容に。いたるところで足をつったり負傷して倒れたりする選手が続出するも激しさが保たれたゲームは、後半アディショナルタイムにモロッコのオウンゴールが決勝点となる劇的な幕切れとなった。

つまり、ポルトガル代表とモロッコ代表、ともに劇的な初戦を終えて第2戦を迎えることになる。

両国ともにグループ突破に向けて是が非でも勝ち点3を獲得したい第2戦。いったい、どんなドラマが待ち受けているのだろうか。<制作:テレビ朝日サッカー>

※放送情報:「2018FIFAワールドカップ ロシア ポルトガル×モロッコ」
2018年6月20日(水)よる8時~放送、テレビ朝日系列地上波にて生中継

はてブ
LINE
おすすめ記事RECOMMEND