「自転車はこんなに速い!」エース・新城幸也選手が語る「THE ROAD RACE TOKYO TAMA 2025」
2025年7月13日(日)、東京・多摩地域でUCI(国際自転車競技連合)公認の国際自転車ロードレース「THE ROAD RACE TOKYO TAMA 2025」が開催される。
写真:塩谷哲平
東京2020オリンピックのレガシーコースの一部を活用し、国内外のトップサイクリストたちが本格的なロードレースに挑む本大会。UCI公認の国際自転車ロードレースとして開催されるエリート男子は、武蔵野の森公園をスタートし、JR青梅駅前をゴールとする全長133.8キロのコースを駆け抜ける。
このほか、JR青梅駅前から周回コースを走るエリート女子、フィニッシュ会場周辺でのパラサイクリング、エリートの周回コースを活用した公道でのファンライドイベントであるコース体験ライドも実施される。
写真:塩谷哲平
本大会について、UCIスポーツ部長のピーター・ファンデンアビーレ氏は次のようにコメントを寄せている。
「日本とアジア全域におけるサイクリング文化の繁栄への重要な礎となるUCI公認ワンデイロードレースが初めて東京で開幕されるにあたり、UCIを代表してお慶び申し上げます。このイベントは、活気に満ち印象的な舞台で私たちの競技に対する情熱を披露するこの上ない機会です。この高揚感のある新しいロードレースにおいて、競技者、ファン、サイクリング関係者がひとつとなる光景を楽しみにしております」
また本大会に向けて、テレビ朝日系列で放送中の番組『ペダる!東京』でも、大会コースの魅力に迫っている。
同番組では、サイクリストとしても知られる稲村亜美や武井壮が実際にコースの一部を走行し、その難所や周辺の魅力を紹介。番組を通じて、一般の人々にも自転車ロードレースの奥深さや、多摩地域の美しい景観、そしてサイクリングの楽しさを伝えている。
写真:塩谷哲平
今回、テレ朝POSTでは「THE ROAD RACE TOKYO TAMA 2025」のエリート男子に出場する新城幸也選手にインタビューを実施。
日本を代表する現役プロサイクリストとして長年世界トップレベルで活躍している新城選手が、本大会を通じて日本の自転車ロードレースのさらなる発展を期待する熱い思いを語った。
◆「東京オリンピックのレガシーが使用できて嬉しい」
――「THE ROAD RACE TOKYO TAMA 2025」に向けての思いを聞かせてください。
今回のレースでもっとも感慨深いのは、東京オリンピックのレガシーとして、そのコースの一部を使用できることです。多くの選手、とくにヨーロッパの選手が「東京でレースをしたい」と願っているので、この実現は非常に嬉しいですね。僕ら日本人選手にとってパリで走るようなものなので、選手たちのモチベーションも高く、新しいレースが開催されることに喜びを感じています。
――どのあたりが勝負のポイントになりそうでしょうか?
最大の難所は、平坦な区間がほとんどないことです。平坦でもアタックがかかれば厳しい展開になりますが、アップダウンが続くなかでアタックがかかると、さらに過酷なコースになります。レース展開によっても難易度は大きく変わってきます。たとえば、少人数の逃げ集団ができて、それをメイン集団が追うような展開であれば、比較的楽に進められます。ですが、先頭集団が定まらず、アタックが繰り返されるような展開になれば、かなり厳しいレースになると思います。
――今後、日本でUCI(国際自転車競技連合)公認のレースが増えていく流れについてはどう思いますか?
とても嬉しいです。僕自身、現役で東京を走る機会はもうないだろうと思っていたんです。やっぱり東京でのレース開催は大変じゃないですか。今回の大会を皮切りに、10回、20回と回数を重ねていってほしいですね。東京マラソンや箱根駅伝のように、この「THE ROAD RACE TOKYO TAMA 2025」が毎年みなさんにとって楽しみな大会になってくれることを期待しています。
――今回、一般の参加者がコースの一部を走ることができるコース体験ライドも行われます。同じコースを走ると自転車の楽しさがより身近に感じられると思いますか?
そうですね。それと今、「Strava(ストラバ)」というタイム計測アプリがあるんですよ。これを使えば、僕らがどれくらいのペースで走っているか、そして一般の参加者が同じコースを走ったらどれくらいのタイムになるかを比較できます。プロのラップタイムや区間タイムと自分のタイムを比較することで、プロとの差を実感できるのはおもしろいのではないでしょうか。
写真:塩谷哲平
◆「“自転車ってこんなに速いんだ!”と知ってもらいたい」
――東京でUCI公認のレースが行われることへの思いを聞かせてください。
ヨーロッパでは毎週のようにレースが開催されていますが、日本でもそれが根づいてほしいと思います。現状、UCI公認レースは多くなく、月に1回も開催されないのが実情です。これが少しずつ増えることで、より多くの選手が参加できるようになりますし、一般の方々にも「自転車ってこんなに速いんだ!」ということを知ってもらいたいですね。
普段、自転車に乗る方でも、僕らが時速50キロで走っていることや、レース終盤には時速65キロに達することなどは、なかなか実感できないと思います。実際にレースを見てもらうことで、「自転車ってこんなに速いんだ!」という驚きを体験してもらいたいです。それがきっかけで、子どもたちが「自転車をやってみたい!」と感じ、サッカーや野球のように「自転車の大会を見に行きたい!」と思ってくれるようになるかもしれません。今後もレースが増えれば、そうした子どもたちも増え、日本の自転車界がさらに盛り上がるんじゃないかと期待しています。
――次の世代や日本のファンへの思いを聞かせてください。
「自転車は楽しいよ」ということに尽きますね。自転車はほとんどの方が乗れますし、健康にもいい。たとえば、青梅の山の中を走れば素晴らしい景色を楽しめますし、おしゃれなカフェに立ち寄ることもできます。車で50キロ先のカフェに行くのもいいですが、自転車で行って帰ってくることで、また違った達成感が得られます。
自転車は速く走ろうとすると大変ですが、自分のペースでゆっくりと走る楽しみ方もあります。自転車ってそれぞれの楽しみ方がもてると思うんです。強くなりたい人はストイックにトレーニングすればいいですし、ファンライドを楽しみたい人は自分のペースで楽しめばいい。この両方を一緒にできるのが自転車の魅力だと思います。
速い人が遅い人に合わせれば一緒に走ることもできる。自転車は幅広い人々が楽しめるスポーツなので、もっと多くの方にその魅力を知ってもらいたいですね。
※イベント概要:「THE ROAD RACE TOKYO TAMA 2025」
日程:2025年7月13日(日)
実施内容:
・ロードレース エリート男子
・ロードレース エリート女子
・パラサイクリング
・コース体験ライド
※2025年7月12日(土)には三井アウトレットパーク多摩南大沢でチームプレゼンテーションやエキシビション走行、サイクルスクール等の前日イベントを開催!
※番組情報:『ペダる!東京』
毎週日曜 昼11:45~11:50、テレビ朝日
※『ペダる!東京』は、TVer、ABEMAにて無料配信!(期間限定)
※動画配信プラットフォーム「テレ朝動画」「TELASA(テラサ)」では過去回も含めて配信中!