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本田圭佑、W杯後の新天地は「らしいなと思える選択をする」

サッカーのロシアW杯(6月14日~7月15日)に向けて、日本サッカー協会は31日、最終登録メンバー23人を発表した。MF本田圭佑(31=パチューカ)は、3度目の世界舞台。自ら「集大成の大会」と言い切るロシアの地で、開幕前日には32歳の誕生日も迎える。

本田はW杯を節目に、世界を渡り歩いてきた。初めて代表に選ばれた2010年南アフリカW杯の前には、オランダのVVVフェンロからCSKAモスクワに移籍して4年間、プレーした。幾つもポジションをこなし、ひざの故障も経験しながら、移籍理由の一つだった欧州チャンピオンズリーグにも出場。ロシアは、まさに勝手知る国、W杯でも「地の利」あり。代表メンバーにも、プレー環境などをアドバイスできる。

CSKAモスクワは契約満了まで手放してくれなかったが、2014年ブラジルW杯の前年12月には、イタリアのビッグクラブ・ACミランにステップアップの移籍を果たした。名門のエース番号10を背負い、2季目はリーグ通算6得点も、最後の4季目はわずか先発2試合という「屈辱」。そしてロシアW杯を控えた昨夏、メキシコのパチューカに1年契約で移った。テレビ番組では、この移籍で「成り上がりの人生は終わった」と明かしたが、個人技と細かいパスが特徴のメキシコで自身のプレースタイルを取り戻し、公式戦通算13得点の活躍。標高2400mのホームスタジアムで、心肺機能も高まったという。

前指揮官のバヒド・ハリルホジッチ氏(65)の下では「縦の速いパス」を受け入れられず、もがき苦しんでいたのが、電撃解任により西野朗監督(63)の登板で「復権」。再び代表の中心に座った。30日の壮行試合ではガーナに0-2の完敗も、新布陣の右シャドーで先発出場して、逆サイドやボランチの位置まで動き回り、FKも狙う好機も。無得点で後半14分に交代し、試合後は代表メンバーに激しいブーイングが起きても、「内容は想定内、結果は想定外。(チームは)ゼロスタートだと思ってるんで」と強気に語った。

本田といえば「ビッグマウス」。今回も国内合宿では、10年前のW杯を引き合いに「今回も1発目が決まる気がするし、そういうのを決めないと話にならない」と不敵に笑った。大会前、岡田武史監督(61)が進退伺を出すほど不振に陥りながら、本選では堅守速攻に切り替えてベスト16を達成。本田は初戦のカメルーン戦でシュートを決めている。ビッグマウスで自身の退路を断ち、チームを鼓舞する姿は、ずっと変わらない。

早くも、ロシアW杯後の去就が注目されている。「最後のW杯」と明言しているので、2006年ドイツW杯を最後に引退した中田英寿氏(41)の姿を思い出させるが、どうやら現役は続ける様子。本人は「W杯後は新しいことにチャレンジする」「Jリーグはない。世界のどこかで、皆さんが(本田)らしいなと思える選択をする」と明かしている。米スポーツ専門局のESPNは「米国のMLSリーグ、スペインリーグの球団が関心を示している」と報じている。

既に球団経営、サッカースクールなどスポーツビジネスを展開。ウガンダ、カンボジア、オーストラリアに続いて、昨年末には米カリフォルニア州に拠点を置くクラブ「オレンジ・カウンティーSC」との提携を発表した。スポーツ大国ながら“サッカー後進国”でもある米国について「今後、発展する可能性が高い。世界中の子どもたちに夢を与えられる」と話しており、自身もMLSリーグを選ぶ可能性はありそうだ。集大成のW杯、そして新天地へ。本田は歩みを止めない。

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