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車いすスポーツに新たな風!「1台で複数の競技ができる子供用車いす」がもたらすもの

テニスの現役を退いてから、“応援”することを生きがいにしている松岡修造。

現在は2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて頑張る人たちを、「松岡修造の2020みんなできる宣言」と題して全国各地を駆け巡って応援している。

©TOKYO応援宣言

今回修造が訪れたのは、千葉市にある車いすメーカー「OXエンジニアリング」の代表・石井勝之さん。

石井さんの会社は、陸上やテニスなど幅広い競技用車いすを作っており、パラリンピックで連覇を果たした国枝慎吾選手をはじめとして国内外のトップアスリートからの厚い信頼を誇るトップメーカーだ。

 

◆車いすスポーツの競技人口は「減ってきている」

日本が過去最多の24個のメダルを獲得したリオパラリンピック。この事実から、車いすスポーツ界は盛り上がりを見せているように感じられるが、石井さんには実はひとつの危機感があるという。

石井:「トップアスリートに向けた車いすに非常に注力してきたのですが、足元を見たとき、やっぱりご高齢の方が中心で、新しい若い人たちの参加というのが年々減少しているんですね」

この話には、修造も思わず「(若い選手は)増えてるんじゃないんですか?」と驚く。続けて、「車いすに乗って活躍している選手がいっぱいいるじゃないですか。その活躍を見て自分もやってみようというようにならないものですか?」と聞くと、石井さんは「(活躍する選手たちを)雲の上の存在だと思ってしまうんです」と答えた。

事実、車いすスポーツの競技人口は減ってきているのだという。その最大の理由は、障がい者がスポーツに「出会う」環境がないからだ。

©TOKYO応援宣言

そのため石井さんは、スポーツに触れる機会を増やそうと“競技用車いすの試乗会”を全国で展開。石井さんはこの試乗会である程度の手ごたえを感じると同時に、ある基本的なことにも気付かされたという。それは、子供向けの競技用車いすがなかったということだ。

 

◆1台で複数の競技を楽しめる子供用車いす

そもそもスポーツ用の車いすは、その競技によって形や大きさは様々だ。さらに、石井さんが作るようなトップアスリート用のものは、ミリ単位までこだわった完全オーダーメイドとなっている。

石井:「子供用の車いすを作るにあたっては、オーダーメイドは逆にデメリットになってしまうと思うんです。バスケットはバスケット、陸上は陸上というように分かれていても、その度に車いすを作っていたら、お父さんお母さんは大変ですよね」

修造:「それはそうですよね。お金もかかりますしね」

石井:「それに、今日やりたいって言って明日やっているかというと、お子さんだから分からないですし」

そこで石井さんは、バスケやテニスなど複数の競技を1台で楽しめる子供用の車いすを開発した。

その際、あえてオーダーメイドではなく“S・M”と2つのサイズで提供し、シートやフットレストも可変式にして子供の成長にも対応できるように工夫。そして、価格はトップアスリートの半分、15万円程度に抑えた。

©TOKYO応援宣言

そうして出来た車いすの名前は、「WeeGo(ウィーゴー)」だ。“here we go”――「さあやろうよ」という意味から名付けられたという。開発当初、石井さん自身も売れるかどうか不安だったそうだが、今では大人の競技用車いすと同じくらいの人気ぶりとなっているとのことだ。

「たくさんの子供たちに車いすスポーツを楽しんでもらいたい!」――石井さんは2020年に向け、そう宣言してくれた。

©TOKYO応援宣言

※番組情報:『TOKYO応援宣言
毎週日曜あさ『サンデーLIVE!!』(午前5:50~)内で放送、「松岡修造の2020みんなできる宣言」も好評放送中、テレビ朝日系