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宇賀なつみアナ、驚き!愛知県・岡崎市で136年続く老舗の“透明すぎる逸品”

いま知っておきたい話題や気になるニュースをお届けする朝の情報番組『モーニングショー』では、月~金の日替わりコーナーが放送されています。

水曜日は、宇賀なつみアナウンサーが、伝統守り、次の世代へ引き継ぐべく奮闘する輝く女性から人生を素敵に過ごす秘訣などに密着する名物コーナー「継ぐ女神」をお届け。

5月23日(水)の放送では、愛知・岡崎市で136年続く“ところてん”の老舗「池田屋」の5代目女将・長坂清美(ながさか・きよみ)さん(53)に、宇賀アナが迫りました。

「ところてん」162円(150g 税込み)

◆宇賀アナが驚いた「透明すぎるところてん」

池田屋のところてんの特徴は、なんと言っても「透明感」。宇賀アナが最初「器に水しか入っていない」と見誤ってしまったほど透き通っているんです。まさに「透明すぎるところてん」と呼ぶにふさわしい逸品となっています。

◆夫が「ご先祖様ゆかりの名品」と信じる日本刀の真価は?

宇賀アナは、清美さんの自宅にお邪魔させていただきました。その広さは、なんと16LDK! 1階と2階には音大生の娘2人のためのピアノが1台ずつあり、さらに3階には夫の光司(こうじ)さん(60)が趣味を楽しむための「卓球台」まで置かれていました。

光司さん自ら「変な家なんです」と笑って語る長坂家。その家宝は年代物の「日本刀」でした。しかし、その評価は夫婦間で割れているんだとか。「この刀は、ご先祖様である長坂血鑓九郎(ながさか・ちやりくろう)の脇差(わきざし)ではないか」とする光司さんに対し、清美さんは「ただのガラクタ」としか見ていないんだそうです。

長坂血鑓九郎というのは「徳川家の家臣で、槍の名手として幾多の合戦で活躍した武将」ですので、本当にその持ち物ならばかなりの値打ち物のはずです。光司さんの見立ては「100万~300万円」と高額ですが、清美さんの方は「1万5000円」とつれないものでした。

どちらが正しいのか、番組では刀剣鑑定のプロにジャッジをしていただきました。鑑定の結果は「10万円」。残念ながら「室町時代の量産品で、血鑓九郎のものではない」とのことでしたが、「10万円ならいいじゃない」と清美さんに慰められ、光司さんも「2人で仲良く大事にしていきたいと思います」と語っていました。

◆「透明すぎるところてん」を生み出すためのたゆまぬ努力

宇賀アナは、伝統のところてん作りの現場に特別に入れていただきました。

まず見せていただいたのは、原料となる海藻「テングサ」です。こちらでは、3つの産地から取り寄せたテングサをブレンドして使っているんだとか。混ぜることによって「歯ごたえがあるが、喉ごしは柔らかい」という極上の仕上がりが生まれるのだそうです。

最初に行うのは、専用の洗濯機を用いての「水洗い作業」です。海中でテングサに付着した不純物を何度も洗うことで落とします。すすいだ水に濁りが無くなるまで徹底的に洗うのですが、なんと最終的な見極めは「舌」で行うんだとか! すすぎ水を光司さんが口にして「味」を確認することで、本当にキレイになったかどうか判断するのだそうです。ここまで行うからこそ、ところてんのあの透明感が生まれるのだといいます。

洗浄が済んだテングサは大きな釜の中で煮られます。ところてんというのは、テングサ内の「寒天質」を煮出し、その煮汁を固めたものなんだとか。煮込み作業は長時間にも及び、立ち上る湯気で室温は40℃を超えます。そんな猛暑の中、寒天質が均一になるようかきまぜ続けるのですから、これは大変な作業です。

苦労の末に生まれたテングサの煮汁は型に入れられ、一晩がかりでゆっくり冷やされます。そして完成するのが、あの「透明すぎるところてん」なのです。煮込み作業のお手伝いで体が火照ってしまった宇賀アナは試食後、「ただでさえ美味しいものが、より美味しく感じられた」と語りました。

◆若者向けに考案された「スイーツ感覚のところてん」

「心を込めて 心太(ところてん)」檸檬みつ、柚子みつ、珈琲みつ、梅みつ 各162円、抹茶みつ 226円(全て税込)

大学2年の時に光司さんとお見合いし、卒業式の3日後にはもう結婚して老舗に嫁いでいたという清美さん。「アルバイト経験すらほぼ無かった」という彼女にとって、重労働のところてん作りと家事を併せてこなす日々は、かなり辛いものだったそうです。ついに耐え切れなくなって実家に帰ってしまいましたが、母親から「10年は我慢しなさい」と諭されたのと、光司さんが迎えに来てくれたことで気持ちを変え、嫁ぎ先に戻ったといいます。

「とにかく10年」という母の言葉を胸に、精一杯頑張った清美さん。しかし、小学校に依頼されてところてんの話をしに行ったとき、衝撃的な事実を知ってしまいました。なんと「7割近い生徒がところてんを知らなかった」というのです。それにショックを受けた清美さんは、光司さんと共に「若い人たちにも食べてもらえるところてん」の開発を始めたといいます。

新しいところてんの試作品は、ゆうに100種類を超えたそうです。清美さんの厳しい「主婦の目」は簡単にはOKを出さず、光司さんは試作に試作を重ねました。その結果生まれたのが、「ありそうでなかったスイーツ感覚のところてん」です。

それは、見た目こそ普通のところてんですが、「檸檬(れもん)みつ」「柚子(ゆず)みつ」をかけていただくのだとか。檸檬みつを試食した宇賀アナは「スッキリしていて美味しい。夏バテの時に疲労回復できそう」という感想を口にしました。もう一方の柚子みつは、柚子の皮まで入れたことで強いフルーツ感が生まれ、こちらも大人気だといいます。他にも「梅みつ」「珈琲(コーヒー)みつ」「抹茶みつ」などもあるそうです。

スイーツ感覚のところてんの大ヒットで、また新たな発展を遂げられた池田屋。「実家へ連れ戻しに行って良かったですね」という宇賀アナの言葉に、「本当ですね。そうでなきゃ今がありませんから」と深くうなずく光司さんでした。

◆長いようでも、10年頑張りましょう。10年頑張れば、どんなことも上手になります

今回、清美さんへの取材を通して宇賀アナの心に残った「女神の一言」は、「長いようでも、10年頑張りましょう。10年頑張れば、どんなことも上手になります」です。

実家に逃げ帰った時、母からかけられた「10年やりなさい」という言葉。言われた時には「長い」と感じたそうですが、「その言葉を信じて頑張ったら、辛かった仕事の中に良いところが見いだせるようになり、すごく楽しくなった」といいます。「楽しくなったら上手にできるようになって、気づいたら30年が過ぎていた」と語る清美さん。現在では光司さんよりもところてん作りに夢中になっていて、新商品の開発を常に模索中なのだそうです。

※池田屋
住所/愛知県岡崎市井田南町8番地7
TEL/0564-21-1512
営業時間/9:00~17:00
定休日/日曜