大谷翔平の活躍が日本球界にも影響!松坂大輔、菅野智之の“プチ二刀流”
「2WAY(二刀流)」フィーバーは、とどまるところを知らない。大リーグ・エンゼルスの大谷翔平投手(23)が、20日(日本時間21日)のレイズ戦で4勝目を挙げた。
移籍後最長の7回2/3、最多110球を投げて6安打2失点。スプリット(フォークボール)がさえて9三振を奪い、チームの連敗を5で食い止めた。17日のレイズ戦では現在、最強打順といわれる2番・指名打者(DH)で6号本塁打を放ち、通算打率.321。マイク・ソーシア監督(59)はこの日「彼は投打ともに重要な存在」と称賛した。
1918年に13勝+11本塁打を記録した「神様」ベーブ・ルース以来となる100年ぶりの2WAY記録へ着々と数字を積み上げ、メジャーを席巻しているが、日本球界にもあらためて影響をもたらしている。DH制のないセ・リーグでは投げて、打てる投手の“プチ二刀流”が目立ってきた。
その筆頭が、大谷と14歳差の中日・松坂大輔投手(37)だ。昨日20日の阪神戦で2勝目を挙げるとともに、打撃では2安打をマークした。西武時代からDH制だったので、日米プロ20年目にして初の複数安打、通算14安打と数こそ少ないが、20年前に甲子園で春夏連覇を果たした横浜高では、4番を張っていたほどの打撃力。
レッドソックス時代の2007年ワールドシリーズ(WS)では日本人投手唯一の安打を放ち、同球団の投手では1918年のルース以来、89年ぶりの2点適時打となった。
中日の森繁和監督(63)は松坂獲得に乗り出した時期から「打撃もいいので」と話しており、最初から本気で期待していた。それが現実になり「こっそり打撃練習をしているのも知っているから」と得意顔だ。松坂本人も「打撃を期待されて獲ってもらったので」とニヤリ。
ロッカーにはマリナーズ会長特別補佐に就任したイチロー(44)や大谷、昨日も使用した巨人・坂本勇人内野手(29)らトップ選手からもらったバット10本を確保。「平成の怪物」は、37歳になっても投げるだけでは満足せず、大谷ばりの二刀流を目指している?
他の投手も刺激されてか、巨人のエース・菅野智之投手(28)は5勝目を挙げた18日のDeNA戦でプロ1号の決勝弾を放ち、今季はここまで19打数4安打(打率.211)と野手並みの成績を残している。8日の巨人戦で8年ぶりに完封勝利を飾った阪神・秋山拓巳投手(27)は、ソロ本塁打を含む2安打2打点。西条高時代に「伊予ゴジラ」と称された元スラッガーの打撃も「本物」だ。
本来、好投手は打撃もいい。かつて野球少年は誰もが「エースで4番」にあこがれたものだが、現代では小学生の頃から投手と野手の分業スタイルになり、あまり打撃練習をしないチビッコ投手も珍しくなくなった。それが今、大谷の活躍を受けて、各球団の野球教室でも投手で4番を打つ球児が再び、増え始めたという。
松坂、菅野らの登板日の二刀流も子どもたちの向上心をくすぐり、日本球界の底上げにつながるかもしれない。中6日で投げる「サンデー大谷」の次回先発は、27日に敵地でのヤンキース戦になる見込み。田中将大投手(29)との投げ合いが実現するか注目だ。