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戦列復帰のラトバラ、速さを証明も「少々石に怯えてる」【WRC:ラリー・ポルトガルDAY3結果】

現地時間の5月19日、WRC(FIA世界ラリー選手権)の第6戦「ラリー・ポルトガル」のデイ3が開催された。

波乱の金曜日からどのような変化があったのか。戦列に復帰した王者セバスチャン・オジェ(フォード)、ヤリ‐マティ・ラトバラ(トヨタ)、アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイ)たちは、最終日のパワーステージに向け、さらにはチームに多くの走行データを収集させるため、順位争いとはまた違うドライバーとしての戦いが続く。

©TOYOTA GAZOO Racing

土曜日の午前9時8分からスタートしたSS10。ここでステージトップを獲得したのは、トヨタのラトバラだ。

昨日のデイリタイアが悔やまれるが、気持ちを切り替えチームのための走行データ収集をしっかりするラトバラは、SS13以外は全てトップ5以内。SS14でもステージトップを獲得するなど、トヨタの速さが本物であることを証明した。

SS10とSS11でマシン状態を聞かれたラトバラは、「マシンの状態は良い。ただ、ステージでの走行にはより気をつけている。というのも、昨日は土の中から出てきた石に泣かされたからね。SS11では、一度石がマシン下部にヒットしたけれど、当たりどころが良かったのか、大きな破損はなかった。昨日の経験があるから、少々石に怯えているというか、気をつけているよ」と、単純に速さを追求したデータ収集でないことを示した。

©WRC

王者オジェ(フォード)も速いペースを保ち、全てのステージでトップ5入りしSS15ではステージトップを獲得。こちらも走行データ収集に余念がない。

ただ、モチベーションについて聞かれたオジェは、「確かに、順位争いのないなかハードな仕事をすることは大変だ。誰だって勝負が掛かっていない状態で走っても楽しくはない。ただ、それでも継続的にマシンが早いペースを出せていることは、チームにとってもポジティブでいられる要因だね」と、楽しいドライビングではないことを吐露した。

©WRC

この日トップを守り、さらにリードを広げたのはヒュンダイのティエリー・ヌービル。

ライバルが居ない戦いを問われたヌービル(ヒュンダイ)は、「マシンは快適だよ。リードも広がったしね。でも、路面状況はトリッキーで、タイヤ選択が難しい。それでタイムを失ったステージもあった。でも、まあ今日は良かった。まだ明日があるからね」と、リードを広げていても兜の緒を締める事を忘れなかった。

トヨタで唯一順位争いに残ったラッピは、昨日に続いて5位をキープ。走りを聞かれると、「今日は決して飛ばしてない。とにかくフルスピードで、リスクを負うことはしなかった。だから失うものもなかった。今は学ぶことも重要だからね。マシンは昨日からセットアップを大きく変更した。良くなったと思う。明日も良い日になればいいね」と、チームとしてポイントを獲得する重要性を意識した発言を残している。

ラリー・ポルトガル、デイ3の結果は、1位ティエリー・ヌービル(ヒュンダイ)、2位エルフィン・エバンス(フォード/1位から39秒8遅れ)、3位ダニ・ソルド(ヒュンダイ/同57秒2遅れ)、4位ティーム・スンニネン(フォード/同1分1秒9遅れ)、5位エサペッカ・ラッピ(トヨタ/同1分13秒0遅れ)、6位マッズ・オストベルグ(シトロエン/同3分14秒1遅れ)。

最終日20日は、SS 16からSS 20、合計4本のSSを予定。SS16の現地スタート時間は午前8時35分(日本時間は午後4時35分)を予定している。<文/モータージャーナリスト・田口浩次>