テレ朝POST

次のエンタメを先回りするメディア
menu

トヨタのタナック、初日SSで首位スタート!【WRC:ラリー・ポルトガルDAY1結果】

現地時間の5月17日、WRC(FIA世界ラリー選手権)の第6戦「ラリー・ポルトガル」のデイ1が開催された。

©WRC

木曜日の午後7時3分からスタートしたのは、大きなスタンドを作り多くの観客が観戦できる特別コースを走行するSSS(スーパースペシャルステージ)。2台のマシンを同時に走らせる競争スタイルのステージだ。

特設コースにはギッシリと満員の観客が集まっており、ラリー・ポルトガルの人気の高さがわかる。

マシンのお披露目となるデイ1の結果は、1位オット・タナック(トヨタ)、2位ティーム・スンニネン(フォード/1位から0秒4遅れ)、3位セバスチャン・オジェ(フォード/同0秒4遅れ)、4位クリス・ミーク(シトロエン/同1秒4遅れ)、5位アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイ/同1秒4遅れ)、6位ティエリー・ヌービル(ヒュンダイ/1秒5遅れ)と続いた。

前戦ラリー・アルゼンチンで今季初優勝を飾ったタナック(トヨタ)は、対戦相手のミケルセン(ヒュンダイ)を破り初日トップに立った。

©TOYOTA GAZOO Racing

公式テレビのインタビューでタナックは、「前戦のラリー・アルゼンチンに続いて、ここでも他を圧倒できそうか?」と問われると、「ここで他を圧倒するのは難しいよ。ただ、鍵となるのは明日金曜日の走りだ。明日良い走りをすることで、土曜日の走行順も良くなる。ここSSS1はハードに攻めたよ」と、明日から始まる長い戦いを前に気を引き締めている。

トヨタ勢は、トップにタナック、エサペッカ・ラッピが10位、エースのヤリ‐マティ・ラトバラがトップから3秒9遅れの13位だった。

ポルトガルはスペインの隣国だけに、ここラリー・アルゼンチンでも人気が高いスペイン人ドライバーのダニ・ソルド(ヒュンダイ)と争ったラッピは、走行後に今週末の目標を聞かれ、「表彰台だよ!」と不敵な笑みを浮かべながら一言。

しかし、ここで引き下がらない公式テレビのレポーターは、「表彰台のどこ?」と追加質問。ラッピは、「そうだな、表彰台はあくまでも一番高い目標なんだけど、表彰台の何処であれ僕は準備できているよ」と答えた。昨年のラリー・ポルトガルがWRCデビューだったラッピは、急速にWRCに順応してきている。

そして、走行後に悔しい表情を見せたのがラトバラだった。

SSS1の対戦相手は自分と同じくラリー・ポルトガル優勝経験があるミーク(ヒュンダイ)。そのバトルはまさに互角の戦いで、アウト側とイン側のコース位置が入れ替わるたびにリードが変わる激戦だった。最後まで横一線と思われのだが、最終コーナー、ヘアピンを曲がる瞬間にエンジンが止まってしまってしまうようにしてマシンが失速。すぐに復活したが、このロスで3秒9のロスとなってしまった。

この不可解なエンジンストールに、ラトバラも苦虫を噛み潰した表情でインタビューに答えた。

「何が起きたのか、僕にも理解ができない。最終シケインのブレーキングをした瞬間にエンジンが完全にストールしたんだ。あの状況はどうして発生したのか、僕にも説明ができない。すぐにデータを見直さないと。本当に不可思議なんだ。

通常、どれだけ強いブレーキングをすればエンジンがストール症状を発生するか理解している。でも、今回のストールはそうした条件じゃない。とにかくエンジンに不明の不調が発生したとしか言いようがない。だから、すぐにデータを調べる必要がある。ただ、心配するほどではないし、このタイムロスは大きいものではない。とにかく本番は明日だ」

このように早口で説明。調子が良いときはこうした早口ではないことから、今回の不審なトラブルには少々怒り心頭だったようだ。

トヨタはこれまでにもエンジントラブルが発生しているだけに、今回ラトバラに発生したトラブルがあくまでも偶発的なものだったのか、しっかりと調べる必要があるだろう。

ラリー・ポルトガルのデイ2は、SS2からSS9、合計8本のSSを予定。金曜日、SS2の現地スタート時間は午前9時15分(日本時間は午後5時15分)を予定している。<文/モータージャーナリスト・田口浩次>