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沢口靖子と監督の“異種格闘技戦”が魅力!プロデューサーが語る『鉄道捜査官』シリーズ制作秘話

ミステリー界の巨匠、西村京太郎原作の人気シリーズ『鉄道捜査官』。警視庁鉄道捜査隊・東京駅分駐所に所属する鉄道捜査官・花村乃里子(沢口靖子)の活躍を旅情たっぷりに描く同シリーズの第18弾が、5月13日(日)に放送される。

©テレビ朝日

本作は、乃里子の所轄署時代の先輩・滝本裕介(別所哲也)が殺人容疑者となり、彼を信じる乃里子が日光・鬼怒川を舞台に事件の真相に迫っていくストーリー。シリーズ18年の歴史のなかで、初めて乃里子の“警察官としての原点”が描かれる衝撃作となっている。

最新作の放送にあたって『鉄道捜査官』シリーズを長年手掛けてきた関拓也ゼネラルプロデューサーが、制作秘話や作品への思いを語ってくれた。

◆こだわりのキャラは、山村紅葉さん演じる人物!

――この『鉄道捜査官』は2000年に第1弾が放送されて以来、18年にわたって人気を博してきましたが、シリーズが支持されてきた理由はどこにあると思いますか?

「テレビ朝日では、『土曜ワイド劇場』時代から西村京太郎先生の名前を冠したシリーズとして、『トラベルミステリー』と『鉄道捜査官』を制作してきました。『トラベルミステリー』では寝台特急など豪華列車を舞台にすることが多いのですが、こちらは第三セクター鉄道やローカル線などをメインに、より生活に密着した風景を描いています。

そんな親しみやすい旅情も、広く受け入れられているのではないでしょうか。実際、地方にロケにうかがうと、地元の皆さんはとてもやさしいんですよ。たとえば電車に乗り込むシーンを撮ろうとしていたらホームの手前で電車が止まってしまい、どうしたのかと心配していたら、「撮影の邪魔かなと思いまして…」と運転手さんが気を遣ってくださっていたことが…(笑)。

あとはなんといっても、主演の沢口靖子さんが美しくてポジティブ! 外見も中身もあんなに美しい方はなかなかいない! とにかくおっしゃることが誠実で説得力も抜群なので、まさに“理想のリーダー”。

こんな方が総理大臣だったら、世界ももっと平和になるのになぁと思います。そんな沢口さんのポジティブさが、画面を通して視聴者の皆さんにも伝わるのではないでしょうか。さらに、このシリーズの魅力のひとつは犯人がなかなかわからないところ。ストーリーの緻密さが、ミステリーのファンの方々に支持されているのではないかと思います」

©テレビ朝日

――沢口靖子さん演じるヒロイン・花村乃里子をはじめ、分駐所のレギュラーメンバーには、ストーリーに描かれていない設定などあるのでしょうか?

「イメージ的にいうと、花村乃里子は“学級委員長”なんです。クラスを統率している、ちょっと“お姉さん”、という感じ。金子昇さん、大塚千弘さん、長谷川朝晴さんには“ボケ役”をやっていただき、それを沢口さんがまとめているイメージですね。

実は、金子さんは“超明るい鉄道オタク”、大塚さんは“マジメな隠れ鉄オタ”、長谷川さんは“皮肉屋な鉄オタ”という、それぞれのウラ設定もあります。

そして、筧利夫さんふんする野川一郎課長は、ちょっと危険な香りがするリーダー。野川課長は“鉄オタ”にして、山村紅葉さん演じる“真理絵オタ”という、隠れた一面も…! 分駐所のシーンは、皆さん、明るいムードで演じてくださっています」

©テレビ朝日

――レギュラーメンバーのなかで、こだわりのキャラクターはいますか?
「野川課長も大好きな、山村紅葉さん演じる小料理屋『てまり』女将・手塚真理絵ですね。昔、新橋の芸者さんだったという設定で、さまざまなウラ側を知っていて、乃里子に『ここだけの話ね…』と話してくれるキャラクターです。

今回の第18弾でも、もちろん乃里子に重要なヒントをもたらしてくれます。実は、真理絵さんがいないと、ストーリーがイマイチ転がっていかないんですよ。

前作では『日曜ワイド』枠(日曜午前10:00~11:50)での放送ということもあり、真理絵さんの店を、小料理屋『てまり』からカフェ『マリエ浪漫』に変更したんです。最新作ではまた小料理屋『てまり』に戻りましたが、おそらく真理絵さんは儲かっていて、2軒経営しているのでしょう(笑)。

さらに今回は、山口竜央さん演じる『てまり』の板前・大沢次郎も大活躍しています。“次郎ちゃん”がいたからこそ、事件の謎を解くことができたので、ぜひ注目していただきたいですね!」

 

◆真面目な沢口靖子×野性的な村川透監督が生み出す、“異種格闘技”な世界!

©テレビ朝日

――このシリーズでは“和製ハードボイルド”を作ったといわれる村川透監督が、ほとんどの作品を手掛けていますが…。
「村川透監督は、フツーの常識では語りつくせない、野性的な監督です。神がかっていて、村川監督が『雨が降るぞ』と言ったら、ホントに降ります(笑)。『蘇える金狼』『野獣死すべし』などハードボイルドの名作を数々手掛けた巨匠だけに、監督のお名前を聞くだけで男性の俳優さんは喜んでオファーを受けてくださいます。

監督は御年81歳でスタッフの中でもダントツに年齢が上なのですが、歩くのもいちばん速いですし、いちばん颯爽としています。現場には“村川タイム”というものが浸透していて、たとえば“朝7時半にロケバス出発”となっていたら7時には集合していないと置いていかれます(笑)。

とにかく予測不能なことをやる芸術家なので、ものすごく誠実で真面目な沢口さんとはまさに“異種格闘技戦”ですね! それが絶妙なバランスを生み、シリーズの魅力にもつながっている気もします」

――最新作は滝本との予期せぬ再会を通して、これまで描かれることのなかった乃里子の“原点”が明らかになる衝撃作ですが、ぜひみどころを教えてください!
「今回はちょっと骨太な作品で、“乃里子VS元先輩刑事”の構図が描かれ、乃里子がなぜ警察官になったのか、鉄道捜査官・花村乃里子の“エピソードゼロ”ともいうべき作品になっています。

冒頭で再会するシーンでは迫力のアクションもあり、ノンストップサスペンスアクションのような趣きもあります。また、日曜夜の放送ということで、『明日、会社行くのイヤだな』と思っている方々が、前向きに希望を見出すようなストーリーに仕上がっていると思います。

さらに、鬼怒川の美しい景色も織り込んでいますので、『来週、鬼怒川に行ってみようかな』と思っていただけるような作品になっています。シリーズのファンの方にはもちろん、『鉄道捜査官』を知らなかった方々にもぜひ見ていただきたいですね」

※プロフィール 
関 拓也(せき・たくや)
1993年、テレビ朝日入社。『土曜ワイド劇場』では、『西村京太郎サスペンス 鉄道捜査官』のほか、『検事・朝日奈耀子』『山村美紗サスペンス 狩矢父娘シリーズ』『再捜査刑事・片岡悠介』など、人気シリーズを多数プロデュース。沢口靖子主演の『科捜研の女』など、連続ドラマも数多く手掛けている。

※番組情報:日曜プライム『西村京太郎サスペンス 鉄道捜査官18』
2018年5月13日(日)午後9:00~午後11:05、テレビ朝日系24局

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