人気俳優、戦時の学生に大変身!空襲前の親子会話に涙…<花のれん>
昭和の名作家・山崎豊子の“生誕100年”を記念し、山崎の初期の代表作であり直木賞受賞作でもある『花のれん』が北川景子主演でドラマ化され、3月8日(土)に放送された。
原作は“日本エンターテインメント界の母”ともいうべき吉本興業の創業者・吉本せいさんをモデルに、ショービジネスに人生を捧げたひとりの女性を情緒豊かに描き上げた傑作小説だ。
本ドラマでは、ヒロイン・河島多加(北川景子)のひとり息子・河島久男役を「第32回日本映画批評家大賞 新人男優賞(南俊子賞)」を受賞している人気俳優の坂東龍汰が担当。一時期は多加に反抗することもあった久男だが、日本が戦争に突入していくなかでの親子の会話は涙を誘う一幕となっていた。
【映像】「お父はんにも聞かせたかったわ」息子の言葉に多加が感動
◆「今度は僕がお母はんを助けます!」
三度の飯より寄席通いが好きな呉服店の主人・河島吉三郎(伊藤英明)のもとに嫁いだ多加。遊び好きで怠け者な夫のせいでとうとう家を売るしかなくなるまでに窮迫すると、多加は「そないに寄席や芸事が好きやったら、いっそのこと寄席でも商売にしはったらどうだす」と吉三郎を一喝。その後、夫婦は寄席小屋を開いた。
商売は徐々に軌道に乗っていくが、ある日吉三郎が愛人・おしの(渋谷凪咲)との同衾中に心臓麻痺で亡くなってしまう…。
それでも多加はたくましく、商いに一生を賭ける覚悟を決めて一流の寄席小屋を入手し“花菱亭”を開いた。
商いがうまくいく一方、多加の息子・久男は母への反発心から東京の大学に行きたいと言い出す。多加は久男を跡取りにするため東京の大学へ通わせたが、「跡を継ぐと決めたわけではありまへん」と冷たく告げられた。
大学を卒業した久男は京都の寄席を手伝い始めたものの、落語にこだわる多加を「これからは漫才の時代です」と否定。親子関係は依然ぎくしゃくしたままだった。
そんなとき、日本は戦争に突入。久男も海軍へと召集された。
しばらく経ち、多加に久男から「突然会えることになりました」と手紙が届く。
これまでずっと母に反発していた久男だが、神戸で多加と再会すると「お母はんに会っておきたかったんです」と素直に伝えた。
「あんたにお母ちゃんらしいことを何にもしてやれへんで、すまんかったな」と謝る多加に、久男は優しく「お母はん、またいつか一緒に寄席をやりましょう」「今度は僕がお母はんを助けます!きっとそうします」と微笑む。これを受け、多加は「お父はんにも聞かせたかったわ」と嬉し涙を見せるのだった。
そんな久男の変化は、多加でなくても涙腺にきてしまうワンシーンだ。
しかし親子水入らずの時間を過ごすなか、無情にも空襲警報が鳴り響く。久男は「空襲警報が出たら、すぐに帰船することになってるんだ」といい、急いで去っていった。
その後、空襲で今まで築き上げてきたものを失った多加だったが…。
激動の時代を描いた本作だが、ラストまで人の絆の温かさを感じられる展開となっている。
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※番組情報:『花のれん』