W杯最終予選で「強いなでしこ」復活へ。注目の新戦力・長谷川唯が抱く熱い想い
6月に迫るロシアW杯へ向け、メンバー選考など含め“ハリルJAPAN”への注目度が増している日本サッカーですが、一足早く大一番を迎えるのが“なでしこジャパン”です。
4月6日からヨルダンで開催されるFIFA女子ワールドカップ最終予選・サッカーAFC女子アジアカップ2018に臨む彼女たち。4月7日には初戦となるベトナム戦を戦います。
今大会は2019年にフランスで開催される女子W杯のアジア最終予選を兼ねており、8か国中上位5位以内に入れば出場権を獲得することができるという大会。
「アジアの予選なんて楽勝」「今回も出場権は確実に取れる」と考える人も少なくないかもしれませんが、実は楽観視はできない状況なのです。
◆逸材・長谷川唯、「女子サッカーの現状を知ってもらえるよう頑張りたい」
2つに分かれて戦うグループステージ。日本の相手はオーストラリア・韓国・ベトナムと強敵ばかりで、大会に参加する国のうち世界ランキング上位3か国がまさかの同グループという、まさに“死のグループ”に入ってしまいました。
日本(世界ランキング11位)は現在、オーストラリア(同6位)にアジアトップの座を奪われています。7日の初戦でベトナム(同35位)相手に勝ちを逃すことがあれば、続く2戦目の韓国(同16位)戦、3戦目のオーストラリア戦にかかるプレッシャーは非常に大きくなるでしょう。
グループ2位以上になり準決勝に進めばW杯出場が決まりますが、3位になってしまうと、W杯出場をかけた運命の一戦「5位・6位決定戦」に回ることになるのです。
そんな厳しい戦いに挑む“なでしこジャパン”の中で期待を集める若手選手に話を聞きました。ベレーザに所属する21歳、長谷川唯選手です。
各世代の代表で経験を詰み、2017年3月の代表デビュー後から通算17試合で3得点をあげている長谷川選手。身長157cmと小柄ですが、豊富な運動量とテクニックを兼ね備えたMFで、17歳以下のワールドカップでは大会準MVPにも輝いた逸材です。
現在大学4年生の長谷川選手。サッカーと勉強を両立しながら活躍を続けていますが、やはり卒業後のことを考える機会が増えたといいます。
現在の女子サッカーにはプロ契約の選手がまだまだ少ないため、仕事をしながら夜に練習をする選手がほとんど。それは、代表選手が多いベレーザでも同じです。
そんな先輩たちと同じ職場に就くことを希望している長谷川選手は、「女子サッカーの現状を知ってもらえるように頑張りたい。それが女子サッカーのプロ化につながる」と決意を語ります。
◆“盛り上がり”が足りない
また、以前に比べると女子サッカー選手たちを取り巻く環境が徐々に良くなってきていると言われることもありますが、長谷川選手は“盛り上がり”に物足りなさを感じているといいます。
一昨年、女子U‐20W杯に出場したときも、大学の友人の多くは長谷川選手のSNSを見て初めて「大会があったこと」、そして「その大会に長谷川選手が出場していたこと」を知ったそうです。そんな経験が、「W杯のような大きな大会で結果を残さなければいけない」という思いを抱くきっかけになったそうです。
2016年のリオ五輪出場を逃してしまい、「力が落ちた」という声も聞かれるようになった“なでしこジャパン”。今回のW杯最終予選を兼ねたアジアカップは、そうした評価を覆す絶好の機会といえるでしょう。
戦術やチームの特長が日本と近い国が多いアジアの戦いは、欧州や南米、アフリカと戦うW杯とはまた違った難しさがあります。そのことをよく知るベテランの川澄奈穂美選手、岩渕真奈選手ら経験豊かな選手たちの背中を見ながら、長谷川選手ら新たな世代の選手たちがさらに成長することが期待されます。
“なでしこジャパン”のW杯出場権獲得、そしてアジア制覇を信じ、日本中のサポーターの応援が必要な日々が始まります。
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注目の初戦は、4月7日(土)の今夜10時30分から。テレビ朝日系列で地上波独占放送されます。
解説は、松木安太郎さんと大竹七未さん。現地からの情報によれば、松木さんは長旅の疲れも見せず、ヨルダン入り後すぐにホテルのプールを20往復するほど元気満々とのこと。
エネルギーあふれる解説で試合を盛り上げる松木さんと大竹さんにも注目です。
※放送情報:「FIFA女子ワールドカップ最終予選・サッカーAFC女子アジアカップ2018」
テレビ朝日系列にて放送(放送開始時間は地域により異なります)
4月7日(土)よる10時30分~「日本vsベトナム」
4月10日(火)よる10時40分~「日本vs韓国」
4月13日(金)よる10時40分~「日本vsオーストラリア」
4月17日(火)準決勝
4月20日(金)決勝