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コース攻略の“隠れ参謀”は藍!宮里優作、マスターズ出場

マスターズ・ウイークが始まった。海外メジャー初戦のマスターズが5日、米ジョージア州のオーガスタ・ナショナルGCで開幕する。復活気配のタイガー・ウッズ(42)が、3年ぶりに出場。5年連続出場の松山英樹(26)の優勝争いも注目されるなか、初出場の宮里優作(37)は幼少期からあこがれた夢舞台に挑む

現役引退した妹の藍さん(32)、兄の聖志(41)も駆けつけて「宮里ファミリー」が集結。大会前日の名物イベント・パー3コンテスト(4日)では、藍さんにキャディーを頼むつもりだ。

プロコーチの父・優(まさる)さん(71)が3人を幼い頃から指導。母・豊子さんも藍さんの試合に同行して、海外メジャーでは沖縄の揚げ菓子サーターアンダギーを周囲にふるまうなど、ゴルフ一家の絆は有名だ。3歳から父に鍛えられた宮里は、「マスターズに連れて行く」と約束した夢を、やっとかなえた。アマ55冠の実績を引っ提げて、2002年に鳴り物入りでプロ転向。しかし、その後はいばらの道が続いた。優勝争いに絡んでも、不思議と勝てない。その間に藍さんが世界に羽ばたき、米女子ツアーで活躍。きまじめな性格の宮里は、報道陣の妹に関する質問に丁寧に応じていたが、それもプレッシャーとなっていただろう。2013年の日本シリーズでツアー初優勝するまで、11年を要した。その苦しい日々を陰で支えていたのが、両親、兄、妹だ。

昨年限りで藍さんが引退、そして8月の全英女子オープンに同行していた優さんが、練習ラウンドで倒れた。「親父がどうなるのかと。特効薬は、僕らが頑張るしかないと思った」。最終戦の日本シリーズで、執念の逆転賞金王を決め、病院を抜け出して応援に駆けつけた父と、涙を流して抱き合った。藍さんのラストイヤーは特に意識しなかったそうだが、宮里家の主役のバトンを受け取り、その奮起がマスターズ出場につながった。

優さんは、これまでオーガスタを訪れる仕事のオファーがあっても「優作に試合で連れていってもらうから」と断っていた。「何とか生きているうちに、マスターズへ連れていってくれ」と笑っていた。宮里は「1月4日に沖縄の実家に招待状が届いて。両親が泣いて喜んでくれたのが、一番うれしかった」

先月末にオーガスタ入りして、V候補の松山とともに練習ラウンドを消化している。初挑戦とあって、東北福祉大の後輩のサポートは心強い。さらにコース攻略の“隠れ参謀”は、藍さんだ。米国の芝を知り尽くし、2008年大会を訪れて、ウッズの組についてコースを歩いた経験もある。「選手もパトロン(ギャラリー)もすごい雰囲気。男子だったら出てみたい試合」と熱く語った妹の思いも背負って、オーガスタの1番ティーに立つ。

ちなみにパー3コンテストで、米国でも知られる元世界女子ランク1位の藍さんをキャディーに起用できれば、パトロンの認知度もぐっと上がるだろうが、男子の大会で控えめな妹が辞退した場合は「聖志に頼みましょうか」と笑わせた。宮里ファミリーの癒し系で、2002年の全英オープンではトム・ワトソンと同じ組で回った経験もある兄貴も、きっと頼りになるはずだ。

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