主演・松平健、17年ぶり復活『暴れん坊将軍』への思いを語る。「ずっと復活を熱望してきた」
いよいよ明日1月4日(土)、17年ぶりに復活を遂げる『新・暴れん坊将軍』が放送される。
主演・松平健が囲み取材に応じ、作品への特別な思いを明かした。
1978年から2003年にかけて放送され、日本のテレビドラマ史に名を刻む大ヒットシリーズとなった『暴れん坊将軍』。
八代将軍・徳川吉宗(松平健)が貧乏旗本の三男坊・徳田新之助、通称“新さん”として庶民の暮らしにまぎれながら、江戸にはびこる悪を討つ痛快時代劇だ。
あれから時が経ち、『新・暴れん坊将軍』で吉宗が直面するのは、世継ぎ問題。実は、嫡男の家重(西畑大吾)は病のため右腕と顔に麻痺があり、城内には廃嫡を望む声も少なくなかった。
そんなある日、新之助として町に出た吉宗は、洋剣“レイピア”を華麗に操る商家の三男坊“徳長福太郎(とくなが・とみたろう)”と出会う。その福太郎こそ、ほかならぬ息子・家重だとわかり、吉宗は驚がく。やがて、吉宗と家重の間に横たわる深く切ない確執が思いもよらぬ波乱を生み、巨大な陰謀が将軍家に襲いかかることに。
本作を手がけるのは、監督・三池崇史×脚本・大森美香という最強のクリエイター陣。キャストには、松平を筆頭に西畑大吾、小澤征悦、藤間爽子、勝村政信、小野武彦、高島礼子、生瀬勝久、そして尾張藩主・徳川宗春を演じるGACKTら豪華実力派俳優たちがズラリと名を連ねている。
◆松平健、『暴れん坊将軍』の「復活を熱望していた」
松平は今回のオファーに、「前々から『暴れん坊将軍』の復活を熱望していたので、“ぜひやりたいです”と即、お返事しました」と二つ返事で快諾したと告白。
「時代劇が減って、いわゆる“ラスたち(ラストの立ち回り)”がある時代劇はほとんど見なくなりましたが、『暴れん坊将軍』は今でも再放送を見ると面白い! ずっと復活できたらいいなと思っていたんです」と待ち望んでいた心境も明かした。
シリーズが終了してからは時代劇、現代劇を含めさまざまなフィールドで存分に腕を振るってきたが、「“青年将軍”である吉宗のさわやかなイメージをどこかでずっと大事にしてきました」と、吉宗の存在を胸に刻み続けてきたことも打ち明ける。
だからこそ「撮影がはじまって将軍の扮装をするとまったくブランクを感じず、すんなりと入ることができましたね」と、役への誇りと愛情をにじませた。
また、現在71歳の松平が吉宗役に抜擢されたのは、20代前半のころ。
「最初は悪役を含めてまわりがすべて先輩方なので、気を遣いっぱなしでしたね。新人なのに先輩を成敗したり、“頭が高い”なんて一喝しなくてはならなかったりで、恐縮しながら演じていました」と当時を振り返る。
「私も初めて時代劇の主演を務めるため戸惑うことだらけでしたが、吉宗もまた、将軍職に就任したばかりでわからないしきたりも多かった…。『暴れん坊将軍』はまさに、ともに歩み、ともに成長する形でできあがった作品。その後もさまざまな時代劇に出演させていただきましたが、間違いなく私の代表作ですね」と思い入れたっぷりに断言した。
◆若い世代に時代劇の面白さを感じてほしい
囲み取材では、近年減少しつつある時代劇を取り巻く状況についての質問も飛んだが、「映画では時代劇が多く制作されているようですが、昔ながらの完全懲悪な作品はあまりないですよね。私はこの『暴れん坊将軍』は、子どもの教育にもいいのではと昔から思っていたんです。悪いことをすると成敗されるので…(笑)。史実に沿った物語も描かれるので勉強にもなるし、今回の復活で若い方々が時代劇を面白いと思ってくれたら、こんなにうれしいことはないですね」と力を込めて語る。
さらに、2024年、真田広之がプロデュース・主演を務めたドラマ『SHOGUN 将軍』がアメリカ・エミー賞で18冠を獲得したことにも触れ、「世界が日本の時代劇に興味を持ってくれるのは大変喜ばしいこと。もっともっと時代劇が復活したらいいなと思っています」と時代劇の未来に期待を寄せていた。
そして――ついに明日よみがえる『新・暴れん坊将軍』についても、
「今回は初めて物語に吉宗の息子たちが登場し、今までにない“父親としての顔”も見せています。親子の確執や復讐劇が描かれ、将軍を狙う者も現れるなどさまざまな要素が盛り込まれ、とても見ごたえがあります。オープニングから立ち回りがあり、最後にまた大立ち回りがあるのもみどころです」
と自信っぷりに魅力をアピール。
「最後はスッキリしていただけると思うので、若い世代のみなさんにも大いに共感してもらいたい」と呼びかけた。
◆松平健・コメント
《『暴れん坊将軍』の復活について》
――オファーを受けたときのお気持ちを教えてください
前々から『暴れん坊将軍』の復活を熱望していたので、「ぜひやりたいです」と即、お返事しました。
奇しくも今年は芸能生活50周年という節目だったので、みなさんが私をお祝いしてくださっているような気持ちになりましたね。
撮影がはじまって将軍の扮装をするとまったくブランクを感じず、すんなりと入ることができました。撮影所のスタッフはかなり若返っていて、女性の数も増えていましたが、昔からのなじみのスタッフもいたので大変やりやすかったですね。
――「熱望していた」とのことですが、17年間、どんな思いでいらっしゃいましたか?
シリーズが終了してからは、さまざまな役柄に挑戦させていただきましたが、一方で青年将軍のさわやかなイメージもどこかでずっと大事にしてきました。
あれから17年経ち、時代劇がどんどん減って、いわゆる“ラスたち(=ラストの立ち回り)”がある時代劇はほとんど見なくなりましたが、『暴れん坊将軍』は今でも再放送を見るととても面白いので復活できたらいいなと思っていたんです。
実は先日、『暴れん坊将軍』のシリーズ初回を改めて見てみたのですが、やっぱり面白かったです。私の芝居は少々クサかったかもしれませんが…(笑)。
――最近、ポップアップストアができるなど若い世代に『暴れん坊将軍』が受け入れられていますが、どのように受け止められていますか?
『マツケンサンバⅡ』の影響でしょうか…。ビックリはしましたが、若い方が興味を持ってくださって、『暴れん坊将軍』という作品を知ってくださったのでしょう。おそらくその盛り上がりもあって復活が実現したと思うので、とてもありがたいなという思いです。
――時代劇が減少の一途をたどる中、時代劇の存続についてはどのようなお気持ちですか?
近年、映画では時代劇が多く公開されているようですが、別の角度からの時代劇が多く、昔ながらの完全懲悪な時代劇はあまりないですよね。
私はこの『暴れん坊将軍』は、子どもの教育にもいいのではと昔から思っていたんです。悪いことをすると成敗されるので…(笑)。史実に沿った物語も描かれるので勉強にもなるし、今回の復活で若い方々が時代劇を面白いと思ってくれたら、こんなにうれしいことはないですね。
最近、真田広之さんが手がけた『SHOGUN 将軍』が海外で高い評価を受けましたが、世界が日本の時代劇に興味を持ってくれるのは大変喜ばしいこと。もっともっと時代劇が復活したらいいなと思っています。
《『暴れん坊将軍』シリーズについて》
――『暴れん坊将軍』は四半世紀続いたシリーズですが、苦労したこと、うれしかったことを教えてください。
最初は悪役を含めてまわりがすべて先輩方なので、気を遣いっぱなしでしたね。新人なのに先輩を成敗したり、「頭が高い」なんて一喝しなくてはならなかったりで、恐縮しながら演じていました。
カットがかかると、急いで先輩方にイスを差し出したものです。反対に、いちばんうれしかったのは初回が完成して試写室で見せていただいたとき。あの感動は今でも忘れられません。
――シリーズを通して松平さんが得たものとは…?
スタート時は、私も初めて時代劇の主演を務めるため戸惑うことだらけでしたが、吉宗もまた、将軍職に就任したばかりでわからないしきたりも多かった…。『暴れん坊将軍』はまさに、ともに歩み、ともに成長する形でできあがった作品。その後もさまざまな時代劇に出演させていただきましたが、間違いなく私の代表作ですね。
――多くの時代劇に出演されてきた松平さんから見て、『暴れん坊将軍』の魅力とは?
まず、将軍と貧乏旗本の三男坊というひとり2役のような設定は、ほかの時代劇にはない大きな魅力ですよね。将軍には品格が必要ですし、所作も気をつけなければいけないことが多く、演じるにあたっては歌舞伎や昔の映画で必死に勉強しました。
反対に、新之助として町に出ていくときは現代っぽい感じを出すよう演じ分けてきました。あとは、ラストの立ち回りは痛快wそのものだと思います。
《『新・暴れん坊将軍』について》
――『新・暴れん坊将軍』のみどころを教えてください
今回の新作は、“その後の吉宗”というイメージです。初めて物語に吉宗の息子たちが登場し、今までにない“父親としての顔”も見せています。親子の確執や復讐劇が描かれ、将軍を狙う者も現れるなどさまざまな要素が盛り込まれ、とても見応えがあります。オープニングから立ち回りがあり、最後にまた大立ち回りがあるのもみどころです。
――これまで『暴れん坊将軍』を見たことのない若い世代に楽しんでもらいたいところは?
将軍・吉宗と、新之助として町に出たときの違いの面白さを楽しんでほしいですね。また、思いやりや人情など、日本人のよさもふんだんに描かれています。あとは、やっぱり立ち回りですね。最後はスッキリしていただけると思うので、若い世代のみなさんにも大いに共感してもらいたいです。
――昔からの『暴れん坊将軍』ファンのみなさんに感じてもらいたいことは?
それはもう、「帰って来た!」という懐かしさを感じていただきたいですね。白馬で海岸を駆けるオープニングは『暴れん坊将軍』の象徴ですが、今回新たに撮影しました。馬に乗って海岸を走るのは20年ぶりだったのでちょっと緊張しましたが、走りだしたらとても爽快でした。
そんな懐かしさの中に、西畑大吾さんをはじめとする若いキャストのみなさんが新風を吹き込んでくれているので必ずや楽しめると思います。
――2025年の目標を教えてください。
シンプルに“健康”ですね。また1年、健康で過ごせるように。どんな仕事もこなせるような身体でいたいので殺陣も乗馬もこなせるように体幹を鍛え続けていきます。
※番組情報:テレビ朝日ドラマプレミアム『新・暴れん坊将軍』
2025年1月4日(土)よる9:00~、テレビ朝日系24局