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トヨタ、2位から4位を占める!最終日は出走順がカギ【WRC:ラリー・モンテカルロDAY3結果】

現地時間の1月27日、FIA世界ラリー選手権(WRC)第1戦「ラリー・モンテカルロ」のデイ3(SS9~SS13)が行われた。

3日目を終え、1位は初日からトップを守り続けるセバスチャン・オジェ(フォード)。

上位陣は、2位オット・タナック(トヨタ)/トップから33秒5差、3位ヤリ‐マティ・ラトバラ(トヨタ)/同1分32秒7差、4位エサペッカ・ラッピ(トヨタ)/同4分38秒5差、5位クリス・ミーク(シトロエン)/同4分40秒1差、6位エルフィン・エバンス(フォード)同5分0秒2差、と続いている。

トヨタが2位から4位を占め、開幕戦から素晴らしい戦いを展開している様相だ

©WRC

ラリー・モンテカルロの3日目の朝のSS9は、山を下っていく形で始まった。

アルプス山脈の山がコースの一部となっていることから標高が高く、コースはほぼ完全に雪道という状態。しかも路面はどこも滑りやすいためスタート順が非常に重要で、最初にスタートするドライバーたちはマシンを走らせること自体が雪かきのようにコース上に走行ラインを作る役目となってしまい、タイムが出ない。必然的に、後からスタートするドライバーが有利となるのがSS9だった。

この酷い状況のなか、出走順に恵まれ速さを見せたのが王者オジェだ。

最初にスタートしたシトロエンのクレイグ・ブリーンが28分37秒2というタイムだったのに対して、10番手スタートだったオジェは25分34秒0と、3分3秒2差。さらに、11番手スタートだったヒュンダイのアンドレアス・ミケルセンはオジェのタイムを22秒2も上回る25分34秒0というタイムを叩き出した。

このSS9でオジェは大きくリードを広げ、2位タナックに1分18秒4ものタイム差を広げた。3日目最後にはタナックは33秒5差まで近づいたが、SS9はオジェの追い風となるSSだった。

しかし、オジェ自身はリードを広げたことを喜ぶどころではなく、「たぶん、僕がドライバー人生のなかで経験した最悪のコンディションで行われたSSのひとつだった。路面コンディションがトリッキー過ぎる状態で、みんな大変だったと思う。誰のマシンかまで分からなかったけど、ヒュンダイ(溝に落ちて止まっているダニ・ソルド)を見たよ」と、WRCドライバーをもってしても最悪に近いSSコンディションだったと語っている。

その後、一時的に雪が強くなったものの気温も多少上昇し、SS9ほど走行条件が酷いものはなかったが、どのドライバーも苦労するSSが続いた。

©WRC

そんな条件のなか好順位を守ることができたのが、トヨタだ。

2位のオット・タナックは、SS10とSS11でトップタイムをマーク3位にはチームメートを抜いてラトバラが浮上そして4位にはエサペッカ・ラッピが続く。ラッピはシトロエンのミークにSS11で19秒7の差をつけられて4位の座を奪われたが、そこからタイムを詰めてSS13で再び4位を奪い返した。

ラッピはSS13後、「良かったよ。というのも、最終日は木曜日に走行したコースを再び走る。(初めてのラリー・モンテカルロの)僕としては、経験したことを生かせるよう挑戦したい」と、慎重さのなかに闘志を見せた。

©WRC

順位こそ上位ではないが、やはり速さを見せているのはヒュンダイだ。SS9でミケルセンが、SS12とSS13はティエリー・ヌービルが最速タイムをマークした。

トップから5分33秒6遅れながらも、ヌービルは「SS12は今日もっとも楽しめた走りのひとつだった。SS13はタイヤ選択が正しいかどうか最後までわからなかったけど、いいステージにしようとだけ考えて走ったよ」と語っている。

ラリー・モンテカルロのデイ4(最終日)は、SS14からSS17が行われる。初日から朝いちばんのSSはコンディションが厳しく、スタートの順番がタイムに大きく影響する

そこで上位陣のSS14出走順を見ると、3番目がヌービル(ヒュンダイ)、4番目がエルフィン・エバンス(フォード)、5番目がトヨタのラッピと順位争いするミーク(シトロエン)、6番目がラッピ(トヨタ)、7番目がラトバラ(トヨタ)、8番目がタナック(トヨタ)、9番目がオジェ(フォード)、10番目がミケルセン(ヒュンダイ)とある。

SS14のスタート時間は午前8時32分(日本時間は午後4時32分)を予定している。果たして、トヨタは3台ともに表彰台と上位をキープしたまま終えることができるか、最終日も注目したい。<文/モータージャーナリスト・田口浩次>