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王者オジェが1位、トヨタは3台とも表彰台狙える位置に【WRC:ラリー・モンテカルロDAY1結果】

現地時間の1月25日、FIA世界ラリー選手権(WRC)第1戦「ラリー・モンテカルロ」のデイ1(SS1~SS2)が行われた。

©WRC

2018年シーズンの開幕戦となるラリー・モンテカルロ。伝統のラリーはモナコ公国内のカジノ前にてセレモニアルスタートを飾り、各車はSS1のスタート地点へと移動した。

SS1は36.69kmのコース。SS2は25.49km。スタート時間が午後9時43分以降、しかもアルプスの山沿いとあってコースは暗闇状態なうえ、路面は雪や氷で一部が凍結しているなど、WRCドライバーであっても走行が非常に難しいコンディションのなか行われた。

このコンディションのなか初日トップに立ったのは、5年連続王者のセバスチャン・オジェ(フォード)。フランス人のオジェは、このモナコに近い地域で生まれ育っただけあり、こうした路面状況にもっとも慣れ親しんだドライバーのひとり。その王者でさえ、SS1では180度スピンしたほどの路面状態だった。

オジェは、「SS1は一部区間が氷で凍結していて、とても難しいセクションになることはわかっていた。スピンしたとき、僕は道路の真ん中を時速10キロ程度で走行していて、それでもスピンした。ラッキーだったのは、マシンが道路上に残っていたこと。あの状態では簡単にコースアウトしてしまう」とコメント。

オジェの言うとおり、SS1は一部区間が完全凍結しており、これに他のドライバーたちは苦しんだ

©WRC

トヨタのエース、ヤリ‐マティ・ラトバラは、SS1で2度ほどスピンしてしまい、トップのオジェから48秒9遅れの7番手タイム。チームメートのオット・タナックもコースアウトがあり37秒9遅れの6位。トヨタでSS1を普通に通過できたのはエサペッカ・ラッピで、19秒4遅れだった。

「非常に難しい路面コンディションだった。多くの部分で凍結していたからね。だから、あえて雪が残った部分で走行してグリップを得ようとしたのだけど、それが裏目に出て2度スピンしてしまいタイムロスした。先にスタートしていたはずのヌービルもスピンしていて、彼をSS1上で抜いたほどだ。これがラリー・モンテカルロだよ」とラトバラ。

ラッピは、「僕たちの今夜のミッションはミスを出さないことだった。ベストな走りをしてタイムを目指すのではなく、とにかくノーミス。ペースを抑えて走っても凄く難しい路面コンディションだった。僕には少しずつ自信をつけていくやり方が必要だからね」と、謙虚な走りが好結果を呼び込んだとコメントした。

トヨタ以上にSS1で苦しんだのは、シトロエンのクリス・ミーク、フォードのエルフィン・エバンス、そして今年はチャンピオンに挑戦すると宣言していたヒュンダイのティエリー・ヌービルだった

この3台は他のドライバーたちと同じようにコースアウトするのだが、コース復帰に時間がかかる不運な状態で、ミークは1分44秒7遅れで10位、エバンスは3分48秒0遅れで19位、ヌービルは4分16秒8遅れで21位と、下のクラスのマシンたちにも遅れを取るSS1の結果となった。

ヌービルは、「雪の溝にはまるのを避けるべくサイドブレーキを引いたんだ。そうしたらタイヤが4輪ともロックしてしまい、マシンが大きくコースオフしてしまった。その周辺は観客もほとんどいなくて、手助けが頼めない状態だった。マシンを戻すのに時間がかかり、こんな結果になった。これもゲームのうちなんだろうね」と残念さを口にしている。

そしてSS2では、トップのオジェ(フォード)以下、ヌービル(ヒュンダイ)、タナック(トヨタ)、ダニ・ソルド(ヒュンダイ)、ラトバラ(トヨタ)、アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイ)、ラッピ(トヨタ)、エバンス(フォード)、クレイグ・ブリーン(シトロエン)、ミーク(シトロエン)と、10台のマシンは6番手までが10秒以内、10番手までも30秒以内。

本来の接戦状態に戻ったが、SS1でのタイム差はいかんともしがたく、ラリー・モンテカルロのデイ1上位陣は、1位がオジェ(フォード)、2位ミケルセン(ヒュンダイ)、3位ソルド(ヒュンダイ)、4位ラッピ(トヨタ)、5位タナック(トヨタ)、6位ラトバラ(トヨタ)となった

©WRC

トヨタは、ラトバラがスタート前にラリー・モンテカルロの目標としていた5位以内、そして3台とも表彰台を充分狙える状態でデイ1を終えた。金曜日の走行も期待できる。

ラリー・モンテカルロのデイ2は、SS3からSS8が行われる。SS8のスタート時間は、26日午前8時51分(日本時間は午後4時51分)を予定している。<文/モータージャーナリスト・田口浩次>

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