山本未來、ジャッキー・チェンとの共演でムキムキになった撮影裏話を披露
1974年11月4日生まれ。東京都出身。映画、ドラマ、CMで活躍中だが、ジャッキー・チェン監督映画『WHO AM I?』、映画『不夜城』、映画『花影』など国際色豊かな作品にも出演。2017年10月の「第30回東京国際映画祭」には車椅子で登場し、周囲を驚かせた山本さんに都内でインタビュー。
◆山本未來、不意のケガも、役の上での息子に助けられ…
-東京国際映画祭では車椅子で驚きました-
「皆さんを驚かせてしまい大変ご心配いただきましたが、もう治りました(笑)」
-怪我をされたときの状況は?-
「自宅で階段を踏み外してしまって。自分では捻挫だと思っていたんですね。でも痛みが引かないので、おかしいなと思っていたら骨折だったんです」
-東京国際映画祭までには完治が間に合わなかったのですね-
「そうですね。急遽(きゅうきょ)、車椅子で出席させていただくことになってしまいました」
-周囲の皆さんにはどのように?-
「映画祭の日は『息子役の七瀬公君が車椅子を押して下さることになりました!』という連絡をスタッフの方からいただいたので、七瀬君へ『せっかくの晴れ舞台なのに、車椅子で下半身が隠れちゃうし、ごめんね』って謝ったら、『大丈夫です』って励まされました。
劇中で私の父親役の長塚京三さんが車椅子のシーンがあって、彼がずっと押していたんです。『だから僕は車椅子のプロなので、まかせておいてください』って」
-車椅子は初めてですか?-
「初めてです。でも松葉杖のエキスパートにはなりました。ギブスをしてからだったんですけど、安全を期して2ヵ月間はずっと使っていたので」
山本未來プロフィール
1992年、16歳のときに応募したオーディションで36000人のなかから選ばれ、映画「喜多郎の十五少女漂流記」で女優デビュー。母親業の傍ら、映画、ドラマ、CMで活躍中。
◆ジャッキー・チェンとの共演でムキムキに?
-お子さんもいらっしゃいますが、全然プロポーションも変わらないですね-
「そんなことはないですけど、一応、できるだけの努力はしています」
-一度も太ったことはないんですか?-
「いえ、ありますよ。役で太ったことがあります。
ジャッキー・チェンが監督・主演の『WHO AM I?』という映画だったんですけど、日本人のF1ラリーレーサー役だったんですね。それで、もう少し太って欲しいと言われて4キロぐらい太りました。『もう少し、未來、体重つけて』って言われて。
ジャッキーは毎日トレーニングされていましたし、スタントの方も一緒にジムでやられていたんです。それで、私も見よう見まねでやり始めたら、男性の筋肉を付けるエクササイズなので、どんどんムキムキ化しちゃって…。途中でジャッキーに『未來、もうやめて。それ以上太らなくて良いから』って言われちゃって(笑)」
-スクリーンで見ていると、そんな風には見えなかったですけど-
「衣装がつなぎのウェアだったので、そのときにはあまりわからなかったかもしれないですけど、タンクトップのシーンでは、かなりムキムキしていました。(笑)
自分ではそんなに思ってなかったんですけど、筋肉の付け方が、もしかすると男性向きにやっちゃったから、間違えたんだなって」
-痩せている人は筋肉が付きやすいということでしょうか-
「要するにジャッキーが付けようと思っているような筋肉なので、体つきが良くなる付け方なんです。それと同じように、自分のなかでも最大限の重りを使ってやってしまったりしていて。女性はしなやかになりながらも筋肉を付けるのであれば、今は多分、そういうアプローチではないと思うんですけど、まだ経験がなかったので」
-でも楽しそうでしたね-
「そうですね。海外での長期ロケが色々と面白かったです。ジャッキーは優しくもあり、ときには厳しさもあり、本当のプロですね」
◆山本未來、愛する息子との時間は…
-ご結婚されてお子さんもいらっしゃると、自分のこと以外で時間が取られることも多くなると思いますが?-
「できるときはできる、できないときはできないというのが、正直あると思うんですね。でも、母親であることに変わりはないので、基本はできるようにバランスを取るというのはありますけど、でもやはり周りの手を借りなきゃいけないときもありますね。
たとえば、あまり子どもと過ごす時間がなかったときには、時間があるときにすごく補ったり、起きているときには会えなかったけど、寝るのは一緒にねとか、そういうのはありますね。
『完璧を目指しているお母さんはすごいなあ』って思いますけど、『なかなかそこまで完璧にできないのも人間だなあ』なんて思いながら、自分では弱音をはきながらも完璧を目指しつつ、『やっぱりできないところはできないな、申し訳ないなあ』と思うこともあります」
-お子さんは山本さんが出演されているテレビなどは見られますか?-
「はい。たまに見ているようです」
-羨ましがられるでしょうね。パパもママもきれいでカッコ良くて。きれいなお母さんというのは、子どもの自慢ですから-
「そう思ってもらっていればうれしいですね(笑)」
◆山本未來、父・寛斎さん譲りの才能に目覚めた?
-息子さんのお洋服なども作られているんですね-
「作っていました。どうしても子育てに重心が大きかったときに、自分の時間が持てないので、家にいながらにして、できる趣味というので考えついたのがミシン。子どもの友人のお母さんが、いつも手作りのすごい可愛い服を着せていたので、色々教えてもらって。型紙や生地も自分で選んで、ミシンも買って、ちょっと自分で夜なべできる趣味として始めたら、意外とできたんです」
-お父様は山本寛斎さん!やはりそういう才能があるんですね-
「初めて気づきました。ちょっとだけ父(山本寛斎)の血が少しあったんだって。『今頃開花か?』という感じでしたけど。(笑)
それまでお裁縫とかはやりましたけど、ミシンには触ったことがなかったんですね。もっと早く知っておけば良かったと思いましたけど、新しいものが趣味になったのは良かったなあと思いました」
-お父様は作られたものを見て、何か言ってました?-
「友人に初めて教えてもらったのがズボン、パンツで、次にシャツにいったんですね。色合わせも自分で決めた麻の生地でシャツとサルエルパンツみたいなネジネジのパンツ。うちの父はミシンがあまり得意じゃなかったみたいですけど、どういう風にするのか、その製法は知っているわけですよね。
襟芯も私は初めて今回入れましたし、タックも思った以上に難しくて、説明書を見ながら、見よう見まねでやって何とか仕上がったんですよ。
父にそれを見せたら驚いていました。『よく何も習ってないのに、ここまでできたね。これはすごい』って褒めてくれました(笑)」
-さすが僕の娘だっておっしゃってませんでした?-
「『ここで初めて意識したね』っていうのをお互いに言ってました(笑)」
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次回後編では1月27日(土)に全国公開される映画『ミッドナイト・バス』の撮影秘話、パピーウォーカー(盲導犬候補の子犬を約1年間、家族の一員として迎えるボランティア)としての活動も紹介。(津島令子)
ヘアメイク:石田絵里子(Air Notes)
スタイリスト:金 順華(Sable et plage)