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映画監督、俳優としても活躍する品川祐「もっともっとひどい役がやりたい!」

品川ヒロシの名前で4本の映画『ドロップ』、『漫才ギャング』『サンブンノイチ』『Zアイランド』を撮った「品川庄司」の品川祐さん。今年は俳優としても存在感を発揮。お笑い芸人、映画監督、俳優…多方面で手腕を発揮する魅力に迫る。

◆「品川庄司」結成22年、相方との仲は…

-コンビを結成して22年、このところ、相方の庄司智春さんと良い関係だと言われてますね-
「会わないですからね。そんなに腹立ちようがないというか…」

-11月には番組の企画の罰ゲームで、お2人そろっておへそにピアスを付けたりしてましたが-
「まあ、あれも番組でやられたんですけど。でも、仲良いと言っても全然、しゃべらないですからね。あいさつもしないですし、『お疲れさまでした』とかもないですし、無言です、無言」

-それは最初からですか-
「2人でネタ合わせをしているときとかは、ちょっと雑談もしましたけど、本当に最初の1、2年ぐらいですね、喋っていたのは。もうずっと会話なんかないです」

-そうなんですか。お互いにお子さんが生まれても?-
「まあ、ミキティがいたり、うちのヨメがいたり、子どもがいたらね。だから庄司が子どもを連れてきたら、庄司の子どもには話しかけるけど、別に庄司とはしゃべらない。ミキティには話しかけるけど、庄司にという感じじゃないです。何か一言二言は言いますけど」

-それが居心地悪いわけでもなくて普通なんですか-
「そうですね。話すことがないというか…(笑)」

-それで仕事のときにはまた普通にコンビを組んで?-
「まあ仕事なんで(笑)」

◆品川祐、でかい鍋を抱えて迷子に…

-映画監督として4作品撮られていますが、メイキング映像などを見ていると、ものすごく楽しそうでしたね-
「映画は特にそうかもしれないですね。色々と大変なこともいっぱいありますけど楽しいです」

-「全員が主役」と言うように、皆さんそれぞれに見せ場を作ってあげていて-
「作ってあげていると言ったらあれですけど…。脚本を書いているときも、割とほんの少ししか出てこない脇役とかでも、何か自分のなかで愛着ができたりするので」

-若手の皆さんも出たがるでしょうね-
「まあ、芸人が最初に映画に出るなら出やすいと思いますけど(笑)」

-結構、常連組の方もいらっしゃいますね-
「そうですね。好きな人には何度も出てもらっていますね。窪塚(洋介)さんとか(宮川)大輔さんにしても、魅力があるのでお願いしてるんですけど。あて書きしてますし」

-窪塚さんとは今年、映画『アリーキャット』で俳優としても共演されましたね-
「あれは結構プレッシャーでしたね。監督としては、会ってましたけど、フッと我に返れば、天才ですから窪塚洋介は。その天才にいつも偉そうに演出つけて言ってるわけじゃないですか。だから、自分が今度は演者に回ったときに、『何だ、全然できないじゃん』とか、『人にあんなに言ってたのに、セリフ覚えてないじゃん』とか『カミカミじゃん』なんて言われるのだけは避けたかったんで、結構プレッシャーではありました」

-窪塚さんからは何かいわれました?-
「いや、特にはありませんでした。僕も気構えて行ったけど、行ったら別に普通に入って行った感じですね」

-役どころが、かなり陰湿なストーカーでした-
「あれ結構疲れるんですよね。明るい役だと和気あいあいとやるんですけど、ああいう役だったので。結構自分のシーンが終わるまではグーっと怒りや色んな感情をため込んでいたんで、疲れました」

-演じていてどうでした?-
「悪役って楽しいですよ。善人の役よりは全然、やっぱり悪役のほうが楽しい。自分で書いていても思うんですけど、絶対正義の味方より悪役のほうが、役者さんは多分やりがいがあると思う。『ブラック・レイン』の松田優作さんとか、それこそヒース・レジャーとか、ゲイリー・オールドマンとか、絶対そっちのほうが面白いと思うんですよ」

-好感度が低いと言われているときに嫌われ役をやることに抵抗は?-
「いやあ、まったくないですね。もっとやりたいですね。もっとひどい役がやりたい」

-撮影現場に手作りの料理も差し入れされたそうですね-
「あれは僕の家の近所でロケをやっていたので。

寒い時期で、お弁当が冷たかったりして、大変だったんですよ。みんな寝ずにやってるんで、何かあったかいものでもあったら、元気が出るかなと思って持って行ったんです。だけど僕は方向音痴で、結局タクシーで持って行ったんですけど、間違えて降りちゃって、すごい歩いたんですよ。マスクと帽子をかぶって、すげえでかい鍋とガスコンロを抱えて歩いているから、変な奴みたいな目で見られながら迷子になって、大変でしたね。鍋がでかいから、グーグルとかも見づらいし…」

-大変でしたね。でも皆さん喜んだでしょうね-
「そうですね。単純にあったかいものはうれしいですからね。映画は撮影が長いのでメシが楽しみなんですよ。だからメシが冷たいって結構寂しいというか…」

-それで、ご自分が監督をするときには食事には重きを?-
「そこは結構こだわってケータリングとかにしてるんですけど」

-海外ではよくありますが、日本ではまだ少ないですね-
「そうですね。でも、ケータリングって意外と安いんですよ、弁当より。ただ、スケジューリングが大変なんですよ。要は火をつけて作ってというのが、撮影の押し巻きとかがわかってないとできないので、助監督の人が大変なんです。そこを無理してもらって。

あと、火を使えないところは無理なので、場所を確保しなくちゃいけないんですけど、意外と経済的にはお弁当より良いので、なるべくできるんだったら、ケータリングにしようって。1本目の『ドロップ』からやっています」

-スタッフ、キャストも喜びますね-
「そうですね。『品川組はメシがいい』というのは、みんな言ってくれると思います。

『ドロップ』のときに作ってくれたケータリングチームが、結構仲良くなって『次も呼んで下さいね』みたいな感じなんで、毎回お願いしています。『Zアイランド』だけは新潟だったんでさすがに無理でしたけど」

◆犯罪者役を演じたたけしさんは衝撃的だった…

-影響を受けた人は?-
「たけしさんが、大久保清をやったり、千石イエスをやったり、金嬉老をやったり…というのは本当に衝撃的でした。それはもう、考えられない。今はもう映画でも難しいですからね。僕は人の名前とか、タイトルとかは全然覚えないんですけど、今、大久保清、金嬉老、千石イエスってスラスラスラって出てきたじゃないですか。よっぽど作品が好きなんですよね。鮮明に覚えていますから」

-普段はあまり覚えないんですか-
「僕ね、役者の名前も覚えないし、スタッフの名前も全く覚えない。名前や顔が覚えられないんですよ(笑)。あと方向音痴で人の話が聞けない。面白かったことは話そうと思うから覚えるんですけど、それ以外のことは脳みそが遮断してるんですよ。興味のあることはメチャメチャ聞きますけど、興味がないことは入ってこない」

-瞬間的に振り分けているのでしょうね-

◆きっかけは女の子にモテたくて…

お笑い芸人になっていなければスキューバダイビングのインストラクターになっていたという品川さん。2012年にはPADIインストラクター資格を取得。今年はテレビ番組で静岡・伊豆半島沖の神子元島でスキューバダイビングにも挑戦した。

-スキューバダイビングを始めたきっかけは?-
「それは『彼女が水着にきがえたら』という映画を見て。その当時、一番ベタなパターン。これをやったらモテるんだみたいな(笑)。でも、当時はもうすべてがそうでしたよ。服を選ぶにしても何にしても、女の子にモテたいというのがあったと思うんですけどね」

-実際にモテました?-
「いやいや、サーフィンとかだとカッコいいですけど、潜っちゃいますからね。それに、スキューバダイビングに来る女性の方って、結構落ち着いてるんですよね。お金がないとできないので」

-キャピキャピしてないんですね-
「キャピキャピしてない。どっちかというと体育会系なんです」

-こんなはずじゃなかったという感じでした?-
「最初はね。でも、そんなことを言っているうちにダイビングのほうが面白くなってくるというのが、普通なんじゃないですかね」

-窪塚(洋介)さんとも一緒にされたみたいですね-
「僕がインストラクターなんで、『体験ダイビングがあるからオープン・ウォーター取ると良いよ。“月刊ダイバー”でたまにやってるんで、一緒に行く?』みたいな感じで」

-講習は品川さんが?-
「はい。プロでやってる方も一緒にいましたけど、僕の認定で窪塚さんはPADIオープン・ウォーター・ダイバーになりました」

※「PADIオープン・ウォーター・ダイバー」→潜水計画、トラブルの回避など、ダイビングに必要な知識とスキルを本格的に身につけるコースを修了すると、証明としてのCカードを受領。受けたトレーニングと経験の範囲内で、監督者なしのダイビングができるようになる。

◆品川祐、芸能界からいなくなってもいい?

-今後はどのように?-
「映画とか色々やりたいことはありますけど、僕はもしこの世界からいなくなっちゃってもいいんですよ。穴を深く掘るとか、そういうので満足できるんですよ。穴を深く掘るとメッチャ楽しくないですか」

-穴を深く掘るのがですか?-
「もし芸人としてダメだってなったら、穴を深く掘って、究極ですけど、糖度の高い野菜を作るとか、そういうことに結構シフトチェンジができると思うんですよ。大工さんになりたいと思ったら大工さん、漁師になろうと思ったら漁師、嫁と子どもの2人くらい何とか食わせていけるんじゃないかって」

-そんなに簡単にはいかないのでは?-
「いけますよ。結構テレビに出させてもらったんで、今、僕に仕事がなくなっても、どこかの漁村に行って、『すみません。俺は今から漁師やりたいんですけど』って言ったら、『品川だよね?』『そうです。ちょっと仕事がなくなっちゃって漁師になりたいんですけど』って言ったら、一からやらせてくれるかな…みたいな(笑)。そしたら結構、頑張ると思うんですよね」

-そういう話は奥様に言ったことはあるんですか-
「昔からそういう人だと思ってると思いますよ。人の気持ちはわからないけれど、路頭に迷わせることはしないだろうなって(笑)」

©『平穏~ピースフルライフ~』

2017年の締めくくりは、27日(水)と28日(木)に博品館劇場で上演される板尾創路さんと木村祐一さんの二人芝居『平穏~ピースフルライフ~』の演出。新年は家族そろって奥様の実家で迎える予定だという。2018年も「好感度低いタレント」、「嫌われ芸人」と称されるのか注目!(津島令子)