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「注目を浴びたい」山の神・神野大地の初マラソン。声荒げながら克服したガニ股【福岡国際マラソン】

12月3日(日)に行われる福岡国際マラソン。今大会では、青山学院大学時代に“山の神”として日本中の注目を集め、同校の箱根初優勝の立役者となった神野大地選手(24歳、コニカミノルタ所属)が初マラソンに挑む。

大学時代にマラソン出場への誘いを断り、社会人(実業団)2年目での初マラソン挑戦を心に決めてきたという神野。

初マラソンに向け100%の準備をすべく、陸連マラソン強化戦略プロジェクトリーダーの瀬古利彦氏の助言に従い、自信をつけるための超アナログトレーニング「夏の70km走」などに取り組んできた神野だが、彼はこの準備期間、ハードなトレーニングによって課題であった「接地の改造」も実現させた

神野のクセ。それは、「ガニ股」だ。

ガニ股であることのデメリットについて神野本人は、「ガニ股だと人間の本来の着地ではないところに足がついていることになるので疲労しやすい」と話すが、つまりは力が外に逃げてしまって正しく前には伝わらず、余分なエネルギーを消耗していることになるのだ。

そこで神野はこの春から、かつて伊達公子の37歳での現役復帰を支えるなど、フィジカルトレーナーとして豊富な経験と実績を持つ中野ジェームス修一氏の指導のもと、「内転筋」の強化を目指してきた。内転筋とは、開いた足を付け根から内側に閉じる動作に貢献する股関節の筋肉のこと。

行ったトレーニングは、「タフすぎるスクワット」だ。

 

◆「最後は立てないくらいしんどい」

この「タフすぎるスクワット」で実施する種目は、5種目。それを2セット行うが、多いときには1000回を超え、トレーニング時間は2時間半にも及ぶ。

このトレーニングについて、神野自身はテレビ朝日のインタビューに対して次のように説明している。

「いちばん力を入れてきたのは、フィジカルトレーニング。自分はみんなと一緒ではダメだと思って、マラソンに耐えられるカラダ作りっていうのを4月からかなり力を入れてやってきました。

マラソンでも疲れないカラダを作るフィジカルトレーニングっていうことで、言葉だけ聞くと“かっこいいことやってるね”っていう感じなんですけど、実際はすごくきつくて…。

僕がやってるフィジカルトレーニングはすごく泥臭いことで、スクワットを2時間半延々にやり続けるみたいなことなんです。最後は立てないくらいしんどいトレーニングなんですけど、それやってきたことによって、いま40km走っても、走ってるときに疲れたなっていう感覚もなくなってきました」(神野)

トレーニング中は声を荒げながらも、この「タフすぎるスクワット」を必死にこなしてきた神野。

そうして内転筋の強化に成功し、課題としていた接地も改善。神野自身も、「(足を)中に入れられるようになった」と成果を実感している。

大学時代から神野の走りを見てきた人はとくに、前に力が加わる接地へと進化を遂げた神野の走りに注目だ。

 

◆山の神から“マラソンの神”へ!

神野は、マラソン挑戦を決意した当初、「初マラソンで日本記録を狙うつもりでレースに臨む」という目標を持っていた。

無謀ともいえる挑戦だが、徐々に練習をするなかで定めた「現実的な目標は2時間8分59秒」というタイムを出すためには、やはり日本記録を狙うつもりで挑まなければならないと現在も考えている。

しかし、チャレンジャーとしての気持ちも同時に熱く持っているようだ。

「今の段階ではやっぱり、大迫(傑)さん、川内(優輝)さんのほうがマラソン経験値も高いですし、さすがに『川内さんが勝つだろう』『大迫さんが勝つだろう』というのが世間の見方だと思うので、自分が“初マラソン”でもし対等に戦うことがでれば、自分自身すごくプラスになるというか、もっと自信がつくと思います。

それに、例えば負けてしまったとしても、やっぱり『自分は足りないな』という悔しさが残ってもっともっと頑張ろうという気持ちになれると思うので、今はただ、初めてのマラソンで大迫さんや川内さんという強いランナーと一緒のスタートラインに立てるということが自分にとってすごく大きなことだと感じています」(神野)

そして、神野といえば多くのマラソン・駅伝ファンの頭から離れないのは、箱根5区の“山の神”というイメージ。これについても、神野は自身の思いを話してくれた。

“山の神”って言われることに関しては自分はすごく嬉しいことだと思っていて、大学時代そういう結果を出せたことによって、いま初マラソンに出るというだけで取材に来ていただいたりと注目してもらえる

でも、これからが自分の勝負どころ。試される舞台に入ってきたと思います。ここから結果が出ないのが続けば当然注目されなくなっていくと思いますし、自信もなくなって、自分の陸上人生というのも危うくなる。

ただ、そうマイナスなことばかり考えずに、いま注目されていることをモチベーションに変えて、『また結果が出れば、さらに注目を浴びられる』とそこだけを考えて結果を出したいと思っています」(神野)

こう語るように、注目されるのが好きだという神野。さらに、こう続けてくれた。

「(“山の神”から次は“何の神”と呼ばれたいか、という質問に…)まあひとつしかないですよね山の神からマラソンの神へ!

今でも青山学院の神野大地、箱根駅伝の神野大地っていうのが世間のみなさんからは離れないと思うので、『箱根の神野くん、マラソンでも結果出したね』っていろんな人に言ってもらえるようにマラソンで成功したいです。

というのも、もう箱根駅伝には出られないので。注目を浴びるには、マラソンで結果出してオリンピックに行くしかないので

マラソンの神。――明るい彼ならではのサービストークではあるものの、神野大地は事実、マラソンという次のステージで箱根のときのように日本中の視線を集めることを狙っている。

まずは今回の福岡、目標タイムである2時間8分59秒を達成できるのかというポイントに注目したい。

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※放送情報:「第71回 福岡国際マラソン」
2017年12月3日(日)12:00~14:26、テレビ朝日系列ほか全国29局ネット(一部地域は12:05~放送)