ダルビッシュ有、メジャーで感じる日本人選手の強み「日本人のそういう姿勢はすごくリスペクトされている」
テレビ朝日のスポーツ番組『GET SPORTS』では、2023年のWBCで世界一に導いたチームの大黒柱・ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)と指揮官・栗山英樹氏(現日本ハム チーフ・ベースボール・オフィサー)が対談。
日本球界の現状と未来について、日本人メジャーリーガー、野球と科学、指導者の役割など、多岐に渡るテーマで語り尽くした。
シーズン開幕前に行われたこの対談の模様を、テレ朝POSTでは2回に分けて紹介する(前後編の前編)。
◆「日本球界がアメリカに評価されている」
2012年、世界最高峰の舞台・メジャーリーグへ移籍し、今年で12年目を迎えたダルビッシュ有。
今年5月には、史上3人目となる日米通算200勝を達成。すべて先発での記録達成は、日本人投手として史上初の快挙だった。
そんな偉大な投手は、この10数年で日本人選手を取り巻くメジャーの環境に変化を感じているという。
栗山:「こうやってメジャーで大きな存在になっていくなかで、日本からどんどんピッチャーが(メジャーに)来られるようになりました。こういうのってダルさん、ちょっと嬉しかったりしますか?」
ダルビッシュ:「嬉しいですね。何が一番嬉しいって、日本から来る選手たちの顔が明るくて、この国で野球ができる、新しい文化に触れられることにすごく喜んでるところ。自分や松坂大輔さん(MLB時代 2007~2014年)、黒田博樹さん(MLB時代 2008~2014年)などはとにかく悲壮感が漂っていた。
やっぱりチーム内でも日本人をサポートしたり、理解しようとする雰囲気はあまりなかったです。でも、今はそうじゃないから、そういう(明るい)顔ができることに喜びを感じますね。みんなで作り上げてきている日本球界がこうやってアメリカに評価されていることがすごく嬉しいです」
栗山:「嬉しいですよね。苦しみながら(道を)作ってきたんですもんね。今回(アメリカを)周っていて、アメリカの野球人、フロントも含めてですが、日本選手を認めてくれる雰囲気が前に比べれば少し出てきているなと感じました。ダルさんはどう思われますか?」
ダルビッシュ:「それは本当にそうですね。特に今これだけ年俸が高くなって、長期契約となった時に、何が起こるかというと、勤勉さがなくなるというか、ハングリー精神がなくなって、プレーも適当になったり、準備とかも抜いたりする人が結構多いと思うんです。日本人ってそれはしないじゃないですか。良くも悪くも監督・コーチが怖いというところがあって、やらなきゃいけないので。
やっぱりそれをこっち(メジャー)の人たちは選手たちにやってほしいんですよ。だから日本人のそういう姿勢はすごくリスペクトされているんだろうなって今思います。松井裕樹君(サンディエゴ・パドレス)にしても、他の選手たちと比べてどんな時も準備や自分の練習をちゃんとしています。やっぱりそういうところを球団の方々がすごく喜んでいるので、姿勢がすごいなと思いますね」
※番組情報:『GET SPORTS』
毎週日曜 深夜1:40より放送中、テレビ朝日系(※一部地域を除く)