【世界ラリー(WRC)】オジェ、5年連続王者をほぼ手中に 第12戦ラリー・GB デイ3結果
現地時間の10月28日、FIA世界ラリー選手権(WRC)第12戦「ラリー・GB」のデイ3(SS8~SS16)が行われた。
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この日も総合トップに立ったのは、フォードのエルフィン・エバンス。2位には53秒1の差をつけており、最終日もこのまま行けば母国でのWRC初優勝となる。
2位には王者セバスチャン・オジェ(フォード)が浮上、3位にはオジェの5年連続王者阻止を狙うティエリー・ヌービル(ヒュンダイ)が続いた。また、2日目は総合2位だったオット・タナック(フォード)は、6位まで順位を下げた。
エバンスは、「今日も良い日だった。僕自身、状況をうまくコントロールできていると感じている。今回、何よりも凄いのは観客の声援だ。ファンの力が僕たちにエクストラの勢いを与えてくれた。明日の最終日は、ここまでの3日間と同じ作戦で行くよ。いまさら最終日だけ作戦を変えるのは馬鹿げているからね」と、ファンの声援を背に初優勝を目指す。
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ところでチャンピオンシップ争いに目を向けると、第11戦を終えた時点でランキングトップのオジェ(198ポイント)と2位のタナック(161ポイント)は37ポイント差、3位のヌービル(160ポイント)は38ポイント差だった。
ランキング2位のタナックと3位のヌービルが最終戦のラリー・オーストラリアまでチャンピオン争いの可能性を残すには、このラリー・GBを終えた時点でポイント差を30以内にする必要がある。
現在のWRCは、1位が25ポイント、2位が18ポイント、3位が15ポイント、4位12ポイント、5位10ポイント、6位8ポイント、7位6ポイント、8位4ポイント、9位2ポイント、10位1ポイントが獲得できる。この通常ポイントに加えて、最終日の最終ステージはパワーステージと呼ばれ、1位5ポイントから5位の1ポイントまでが別途加算される。
つまり、総合優勝してパワーステージも1位となれば、最大30ポイントを獲得できる。そして獲得ポイントが同じな場合は、優勝回数や2位の回数など、より上位結果を残したほうが勝ちとなる。
すでに3勝しているヌービル、2勝でオジェと並ぶタナックともに、最終戦のラリー・オーストラリアの時点で30ポイント差以内ならば計算上は逆転の可能性は残るが、31ポイント以上ならば王者オジェの5年連続王者が決まるということだ。
となると、ランキング2位のタナックは7ポイント以上、3位のヌービルは8ポイント以上オジェを上回ってラリー・GBを終えなければならない。ただし、これはタナックやヌービルに都合の良い計算であり、オジェは5年連続王者をほぼ手中に収めた状態にある。最終日はリタイアでもしない限り、ラリー・GBでのチャンピオン獲得は揺るがないだろう。
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オジェのチャンピオン獲得と、エバンスの母国での初WRC優勝がかかったラリー・GBの最終日は、SS17からSS21を争う。なお、RC1の1~10位までの結果は以下の通り。