宇多田ヒカルが“名曲を生み続ける”ワケ。音楽のプロも唸る楽曲制作の秘密「制約があればあるほど…」
今さら人に聞けないような“音楽の基本”から、制作の裏側や専門テクニックなど“マニアックな知識”までを掘り下げていく『EIGHT-JAM』。
4月21日(日)の同番組では、「宇多田ヒカル特集」が放送された。
【映像】宇多田ヒカルが“名曲を生み続ける”ワケ。音楽のプロも唸る楽曲制作の秘密「制約があればあるほど…」
デビュー25周年、数々の名曲を世に送り出してきた宇多田ヒカル。
今回は宇多田本人にインタビューを敢行! 楽曲制作についての貴重な証言が飛び出した。
さらに、スタジオには☆Taku Takahashi(m-flo)、いしわたり淳治、吉澤嘉代子、tofubeatsが集結。プロ目線でそのスゴさを徹底解説した。
☆Taku Takahashiとtofubeatsが宇多田の100曲以上の楽曲の中で「とくに聴いてほしい!」というのが、2002年リリースの『光』。1カットでのMVも話題になった一曲だ。
☆Taku Takahashiは「この曲のメロディーは本当に美しい」と絶賛。「その美しさはサビのメロディーの“ド”(曲のキーの基準となるルート音)の使い方。各フレーズの終わりが安心感を与える“ド”(キーの基準となる音)の音で綺麗に解決されている素晴らしいメロディーライン」と解説する。
また、tofubeatsはその歌詞に注目し、このように語っている。
「“光”や“愛”など、いわゆる平易な言葉やモチーフを大胆に、しかもいやらしくなく新鮮に聴かせるのはめちゃくちゃ難しいのですが、『光を撃て』『運命の仮面をとれ』みたいな劇場的な言葉の使い方など、歌詞のデリバリーによってめちゃくちゃドラマチックに聴かせる本当にスゴい曲」(tofubeats)
そして、☆Taku Takahashiから宇多田に「『光』はメロディーと歌詞が非常に密接に結びついており、聴く人の心を強く捉えます。制作過程で、メロディーと歌詞は同時に生まれるのでしょうか?」との質問を寄せられた。
これに宇多田は「ほぼ100%メロディーが先。メロディーがないと言いたいことがわからないんです」と答える。
「コードからが一番無意識な感じで、自分との対話の始まり。自分が考えても何を考えて感じてるかわからない。モヤーンとしたスープみたいな…。潜在意識のスープからコードやメロディーが出てくる」(宇多田)
さらに「メロディーは母音や子音と結びついて出てくる」と話し、その母音子音に導かれて「どんな気持ちを表現したいのか」が見えてくるそう。
そして、子音、母音、文字数などの制約がないと「(歌詞が)出てこない」と宇多田。「制約があればあるほど、自分でも予想してなかった歌詞がぱんっと出てきて。『あ、それだ』ってハマる」と明かす。
☆Taku Takahashiは「やっぱり素晴らしい歌詞はメロディーが大事で、素晴らしいメロディーには歌詞が大事でっていう中で、メロディーから向き合っていくっていうのがすごくいい」と感心していた。
このほか、いしわたりと吉澤が“究極の愛の歌”と紹介したのが『あなた』(2017年)。いしわたりいわく、この曲は母音「ai」の言葉が多用されているのが印象的だというが、その制作秘話とは?
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※番組情報:『EIGHT-JAM』
毎週日曜 午後11:00~、テレビ朝日系24局(※一部地域を除く)