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芸歴1年目で『THE W』決勝!大注目コンビ・はるかぜに告ぐ、決勝後の反響に驚き「元カレから連絡が…」

昨年10月に開催された『女芸人No.1決定戦 THE W 2023』ファイナル。史上最高レベルだった決勝の舞台に、芸歴1年目で立ったのが「はるかぜに告ぐ」だ。

堂々たるしゃべくり漫才を披露した「とんず」と「一色といろ」のふたりがNSCに入ったのは、2022年だというから驚くばかりだ。

次世代のニュースターに、初めての賞レース決勝の舞台や、芸人としての初舞台について聞いた。

 

◆THE Wは「目ギンギンでデュエル漫才」

とんず

――初舞台について聞く連載ですが、まずは昨年の『THE W』決勝という賞レース初舞台について聞かせてください。芸歴1年目とは思えない堂々とした漫才で、大会を盛り上げました。

とんず 緊張しすぎてマジで覚えてないです。必死すぎた。

といろ わかる。けど、前室が和やかだったおかげで、少しほぐれました。

――そもそもゴールデン番組で漫才をするのも初めてだったそうですね。

といろ そうですね、大阪の深夜番組でちょっとやることはあったんですけど、がっつりちゃんとやるのは初めて。東京のテレビ局は広かったですね。明るいし。THE Wはスタジオの画面に自分たちも映るんで、なんか変な感じでした。どこ向けばいいんやろって。審査員の方々も目に入るし。

とんず 私はまわりを見る余裕もなかったわ。普段は緊張してても、ツカミでウケたらそっから余裕になるけど、今回はウケたのにそのまま緊張してて焦った。ヤッべ……って思ってる間に終わったもんな。私、緊張してるのわかった?

といろ 出番前から緊張してるのはわかってたから、舞台では気にならなかったよ。

とんず ホンマに? 私、といろさんと目合って「もう、お互い助けません」って目で合図したのは覚えてる。

といろ それはそう。自分の言葉を言うだけで必死。

とんず デュエルしてる感じよな。自分のセリフを出して、といろさんのターンが終わったら、今度は私が出す。その繰り返し。

といろ 万が一ネタが飛んでても、ふたりとも気づかなかったやろな(笑)。

とんず ホントそう。お互い目ギンギンでな。私も普段は間が怖くてアドリブけっこう入れてしまうんですけど、今回はそんな余裕もなかった。

一色といろ

――放送は観返しましたか?

といろ 私は観てないですね。そもそも恥ずかしくて自分の映ってる番組が観られないので。気にはなるんですけどね。

とんず 私は一生観てますね。普通に自分のネタ観て、笑うもん。特に「傘、どこでなくしたん?」「岸和田の……」「終わりやんけ!」のテンポ感がめっちゃ好きで。あそこ、審査員もめっちゃ笑ってたやん? テレビで観ると男性の野太い笑い声がハッキリ残ってて、めっちゃ気持ちいい。

といろ じゃあ、その声目覚ましにしたら?

とんず なんで野太い笑い声で起きなあかんねん!

――緊張しつつも、スタジオの雰囲気はつかめてたんですね。

とんず そこはなんとか。ネタ作ってる側として、ここ絶対ウケたいっていうところが「岸和田」のくだりだったんで、そこがハマったのは気持ちよかったですね。岸和田っていう地名が、東京だとピンとこない可能性もあったんで。入りの「警察行かなあかんねん」「よしもと芸人すぎるやろ」っていうのも劇場ではウケないんですけど、THE Wはなんかハマりました。

――そこのボケツッコミは、劇場のほうがウケそうな印象がありますが。

とんず 私らを知らん人からしたら「急にトゲあること言うやん」って引くんちゃうかな。でも、あそこはウケを捨ててでも言いたいセリフなので削ることもできなくて。

――序盤でこういうキツめのことを言うコンビなんだなと印象づけられますもんね。

とんず そうなんです。THE Wはそこでちゃんと笑いがあったんで「そうやんな? おもろいやんな」とは思いました。緊張は取れんかったけど。

◆コント漫才はトラウマ?

――しゃべくり漫才のテンポ感も気持ちよかったので、芸歴1年目とは驚きでした。

といろ むしろ、コント漫才は難しそうで、できる気がしないです。

とんず 演技ができないというか、テンポが難しいというか。といろさんと組む前はコント漫才しか書いてなかったんですけど、いろいろあってイップスみたいになって書けなくなったんですよ。あれがちょっとトラウマっぽくなってて。

といろ でも、THE Wの2本目でやる予定だったネタは、しゃべくりとコントの間じゃないけど、けっこう動きもあるネタやって。

とんず ちょっとずつ動きのあるネタもやるようにはなってきてるな。THE Wの準決勝に向けて作家さんにネタ見せしてアドバイスをいただく機会があって。その作家さんが元芸人さんなんですよ。

といろ もともとコントをされていた方なので、動きの面でもアドバイスをくださって。

とんず あれでだいぶよくなったよな。その人の動き、ホンマおもろくて。ケータイで撮った動画を見ながら練習しましたね。

といろ ユニークな動きって難しいよな。

とんず めっちゃ勉強したけど、全然あれやったな。何が違うのかわからん。THE Wが終わったら、そのネタ見せもなくなったので寂しいですね。

◆顔ファンはアリだけど

――THE W決勝後の反響はどうですか?

といろ YouTubeは登録者数4000人から一気に2万人に増えました(2024年2月現在、3万人超)。メディアに出させていただく機会も急に増えました。

とんず 劇場の先輩たちも「よかったよ!」って言ってくれてうれしいです。というか、そもそもTHE Wに出てるよしもとの先輩たちも、ゆりやん(レトリィバァ)さんとか、紅しょうがさんとか、スパイクさんとか、すごい人たちやないですか。

といろ もう会えるだけですごいというか。

とんず そうそう。会えるだけでうれしいのに、「よかったで」とまで言ってもらえるのが不思議な感覚で。でも、芸人として認められた感じはめっちゃうれしいです。この前、ハイヒールさんとも仕事させてもらったんですけど。

といろ モモコさんは初めましてでした。リンゴさんは、定期的に女芸人ライブを企画してくださるので、お会いしてたけど。

とんず あいさつさせてもらったら、おふたりとも「よかったね」って言ってくださった。

といろ なんのことかわからなくて、最初「何がですか?」って聞いちゃいました。

とんず 「THE Wやろ、そら観るよ」ってな。あと、元カレから連絡が来たときは「これは売れるな……」って思いましたね。

といろ 気が早いな(笑)。私は同級生からメッセージが来ましたね、8人くらい。芸人になったことは親にしか言ってなかったんで、気づかれてびっくりしました。でも、誰もTHE Wの放送は観てないんですよ。「LINEニュースで見たよ」って(苦笑)。

とんず ネットニュース困るよな! 私らも知らないニュースを親が読んでたりするから。YouTubeの企画ですっぴんからメイクした動画があるんですけど「『小峠』『ピクミン』が変化『男子には絶望を』」って見出しでネットニュースにされてな。

といろ その動画がこないだテレビでもさらされてて……ここまで広がると思ってなかったから、さすがにびっくり(苦笑)。

――とはいえ、「めちゃめちゃかわいい」「肌きれい」という反響も多かったですよね。

とんず それは芸人やから下駄履かせてもらってるだけです。そもそも「すっぴんが小峠(英二)さんに似てる」っていうの自己評価なんで。かわいいって言われても「ウソつけ!」と思うだけ。日本が心配になります。

――とんずさんはライセンスの藤原一裕さんの“顔ファン”になったところから、お笑い好きになったそうですが、ご自身に顔ファンがつくことはどう思いますか?

とんず アリですね。私も人を好きになるときは顔も重要なんで。

◆初舞台はNSC入学前の賞レース

――おふたりの芸人としての初舞台はいつになるんですか?

といろ 2022年4月にNSCに入ったんですけど、初舞台は2021年なんです。THE Wの予選にひとりで出たんですよ。NSCの願書は出してたんで、お笑いの世界を少しでも知っておこうとエントリーしました。手に被せたリスと羊のぬいぐるみをしゃべらせて、私は黒子になって……。

とんず やってること完全にパペットマペットやん(笑)。

といろ 内容は全然違いますよ! でも、たまたま私の前の出番が松浦景子さんで……。

――バレリーナ芸人で、『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』(フジテレビ)でブレイクした方ですね。

といろ で、私のあとが変ホ長調さんやって。間に挟まれたんですけど、おそらく私の声、小さすぎて何も聞こえなかったやろうなって。恥ずかしくて、ちょっと笑いながらやっちゃったし。

とんず そこから考えたら、声でかなってんやろうなぁ。NSCの最初のライブでも、といろさんのネタのときは笑ったら聞こえなくなるから、みんなこうやって聞いてました。

――半身で耳をすまして(笑)。とんずさんの初舞台は?

とんず 私もNSC入る前で、2021年の『キングオブコント』予選が最初ですね。中学からの仲よしの男とちょっと出てみようやって。1カ所だけ爆ウケして「あ、そこなんや」って思ったのだけ覚えてますね

――初舞台でウケたのはすごいですね。

とんず でも、自分の想定してたのとは違ったとこだったんで、うれしかったというよりは「こういうのがウケるんや」って。『M-1』も出たんですけど、そのときは2分間沈黙で、それが悔しくて、どうやったらウケるんやろうと思ったのが、芸人になるきっかけでした。

それでNSCに入るんですけど、組んでたヤツは「長男やから」っていう理由で断られました。でもソイツが今、天狗です。「俺がアイツの最初の相方やねん」って言いまくってる(笑)。

――ただの同級生じゃなくて、つい数年前に相方として組んでたわけですもんね。

とんず でも、アイツと組んでたせいで、そのとき付き合ってた彼氏とも別れたんですよ。

といろ 嫉妬されたん?

とんず うん。私もアイツも夜型やから、ネタ合わせも夜やってたんやけど、彼氏が「そんな時間に男とふたりで何してんねん」って。「別にお前の前でやってもいいねんけど」って言い返したんですけど、「それは気悪いからやめて」って言われて、そのまま結局浮気までされて意味わからんかったな。でも男とも別れたことやし、もう失うものもないわって感じで、NSCレッツゴーだった。

文=安里和哲 撮影=青山裕企 編集=後藤亮平、田島太陽

※はるかぜに告ぐ
とんず(1998年11月27日、兵庫県出身)と、一色といろ(1997年1月13日、大阪府出身)のコンビ。ともに大阪NSC45期(2021年4月入学)で、2022年にコンビ結成。芸歴1年目にして『女芸人No.1決定戦 THE W 2023』ファイナリストとなり、話題に。YouTubeチャンネル『はる告ぐちゅーぶ byはるかぜに告ぐ』は「とりま週1更新頑張れ」の精神で更新中。

※インタビュー後編はこちら

※番組情報:『ももクロちゃんと!
3月23日(土)・30日(土)深夜3:20~ はるかぜに告ぐが2週連続で出演!テレビ朝日