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遠山景織子、26歳でシングルマザーに。現在22歳の息子とは今も2人でカラオケ、ラーメン、韓国旅行…「年下の彼氏と思われることも(笑)」

「南アルプスの天然水」の初代CMガール、映画『高校教師』(吉田健監督)のヒロイン・繭役で注目を集めた遠山景織子さん。

透明感溢れる美少女として人気を博し、多くの映画、ドラマ、CMなどに出演。料理上手としても知られ、ナチュラルフード・コーディネーターの資格を取得し、著書『遠山さんちの明日のお弁当』(竹書房)も出版。

女優デビュー30周年を迎えた2023年は、精力的に舞台に出演。9月27日(水)に舞台『陽だまりの中で』の初日が控えている。

 

◆26歳でシングルマザーに

2001年、遠山さんは結婚する予定と妊娠を発表するが、出産前に破局しシングルマザーとして子育てをすることに。

「迷いとか計算とかは全然なくて、現状を受け止めるということですよね。不安がなかったと言ったら嘘になりますけど、自分が決めた道なので、そこに関しては『マイナスから頑張る』ということしかなかったです」

――ご長男が誕生したときの思いは?

「父以外は全員女だったので、『男の子が欲しかった、欲しかった』って言われて育ってきたんですよね。息子が唯一の男の子だったので、父に息子の顔を見せてあげたかったなあって思いました。息子が生まれる1年ちょっと前に亡くなったので」

――シングルマザーとしてお子さんを育てながら仕事を続けるのは大変だったと思いますが。

「大変ではありましたけど、保育園に預けたり、家族や友だちなど助けてくれる人がいたからやってこられましたし、何より息子がいたから、お仕事も頑張ることができたんだと思います」

――中学1年生になったときにはお弁当作りも始まって。

「仕事でいつも予定通りにというわけにはいかないですけど、料理は好きなので離乳食のときから全部手作りしていましたが、やっぱり毎日となると大変でしたね。

市販の便利なものとかもあるんですけれども、自分が作るものはせめてなるべく、そういうのに頼らずに旬の食材を使って作りたいじゃないですか」

――ナチュラルフード・コーディネーターの資格を取られたのはいつ頃ですか?

「息子が小学校3年生ぐらいのときです。きっかけがあって、息子の友だち兄妹を私がお母さんから預かって、一緒に遊園地に連れて行ってあげたことがあったんです。

そのときにお腹(なか)が空いたらあげようと思ってパウンドケーキを持って行っていたんですね。それで、『お腹がすいた』と言ったので『はい』って渡したら、『小麦アレルギーなんです』って言われたんです。

そのとき、自分に何の知識もないせいで、もしかしたら息子の同級生の子がアナフィラキシーショックになっていたかもしれないと思って愕然として。

息子はみんなと楽しく遊ぶのが好きで、家にはいつも子どもたちがいっぱい集まっていたんですけど、そのときにおやつを作ってお皿に置いたら、やっぱりその中にも食べられない子がいて。そのときにいろいろ調べていたらナチュラルフード・コーディネーターにたどり着きました」

――資格を取るお勉強は結構大変でした?

「仕事の合間を縫って勉強したので、まあまあ大変でした。でも、テキストの勉強は自宅でできましたし、実地の部分もありましたけど、私は結構勉強が好きかもしれないって思いました(笑)。

しかも自分の好きな『食』のことだったし、知らないことだらけだったので、新しいことを知っていくのはすごく楽しかったです。結構時間はかかりましたけど」

――アレルギーにもいろいろありますしね。

「そうですね。卵アレルギー、小麦粉アレルギー、蕎麦アレルギーも多いですね。そのときにちょうどNHKでアナフィラキシーショックの特集番組をやっていて、アレルギーを持っている子はどんなに外食が大変かというのをやっていたんです。

ファミレスとかに行って、その食材を頼んでいなくても、同じ包丁で切ったものを食べただけでアレルギー症状が出るということも結構衝撃で。家に誰かが来たときに、飲み物や食べ物にアレルギーがないか聞かないで出すことはしなくなりました」

 

◆6年間作り続けたお弁当はメッセージ

長男が中学1年生のときから毎日お弁当を作ることになった遠山さん。2014年にはお弁当レシピが記載された著書『遠山さんちの明日のお弁当』も出版。

――色彩感覚も栄養のバランスも良くて、すばらしいお弁当でしたね。

「ありがとうございます。すごく手間かかっているように見られるんですけど、ブログとかでも、時短で作ることができたり、常備菜からこの料理になったとか、そういうのが多分皆さんに響いたところなのかなと思います。

息子が中学校に入ったときは、『毎日お弁当を作るなんて絶対無理』って思っていたんですけど、作っていくようになったら、うまく手を抜けるようになっていったというか」

日々主菜があって、副菜があって、海藻類があって…とか、自分もそういう風に食べたいので、栄養のバランスが偏らないようにしていました」

――中学1年生から高校3年生まで6年間お弁当作りをされて、高校を卒業してお弁当作りが終わったとき、燃え尽き症候群みたいになりませんでした?

「それはありましたね。やっぱり高校を卒業するまでは、毎朝6時くらいに起きていたし。何かそれがなくなって、どこまでも寝ていていいんだって。日々向き合ってきていたので。でも、“やったぞ感”のほうが強いかもしれない(笑)」

――毎日作り続けるというのは大変ですよね。

「そうですね。でも、やっぱり私が作ったものを食べて大きく育ってくれるというところもあったし、私の中でお弁当はメッセージというか、毎日の手紙みたいな感じでしたね。

それで、葉っぱの1枚も食べ残してきたことがないんです。息子のからだの調子もわかるし、本当になくてはならないものだなあって思いました」

――ブログを拝見したら、今年の母の日に「いつもたくさんのこと。日常をありがとう。感謝しています」と言っていたそうですね。素直ないい子だなあって思いました。

「ありがとうございます。息子は22歳になりましたけど、どこでも一緒に行くし、買い物ついでにちょっと古着屋さん見て帰ろうかとか、一緒に行くことが当たり前すぎて(笑)」

――母子に見られないのでは?

「そうなんです。年下の彼氏を連れていると思われることもあって(笑)。カラオケとかご飯にもよく一緒に行くんですけど、この間もラーメン屋さんで席が空くのを待っていたときに視線を感じて見たら、何か変な感じだったんです。

私も別にサングラスとかマスクもせずに普通に行っていたのですが、あとで息子に『もしかしてカップルに思われたかもね。遠山景織子が若い男を連れていたって』って言っていました(笑)。二人で居酒屋に行っても『お連れ様は』とか言われるので(笑)」

――ボーイフレンドのような息子さんっていいですね。

「『どう考えても、絶対母子って感じじゃないよね』って、よく二人で言っています。荷物をよく持ってくれるんですけど、それも当たり前のようにするから、『ほら、そういうところが恋人に見られるんだよ』って(笑)。『女性には優しくしてあげてね。彼女ができたときは守るものだよ』という話はしていましたけど」

――お勉強するのが結構好きだとおっしゃっていましたが、ナチュラルフード・コーディネーター以外に何かされたことは?

「韓国語もちょっとやっています。『ごめん、愛してる』という韓国ドラマにハマって(笑)。主演のソ・ジソブさんが大好きで、いつか会えたらしゃべれるようにと思って(笑)。

聞き流して勉強するという教材を買って勉強して、何とかちょっとだったらしゃべれるようになったので、息子を連れて韓国に二人で行ってきました」

――韓国語は通じました?

「それが、私はしゃべりたかったんですけど、逆に韓国の方が日本語をしゃべれるので、意外と使わなかったというか(笑)。生ビールを頼んだりするときにちょっと使ってみたりしましたけど」

――韓国語の勉強は、今も続けているのですか?

「はい。息子も今やっていて。私の頃は資料というと教材を買ってという感じだったんですけど、今はスマホで何でもできちゃうじゃないですか。

私みたいに何万円も出して教材なんていらない時代なんだなあって。何か今という時代を教えてもらっている感じです(笑)。息子に助けられることも多くて。私は子どもを育てたかもしれないけど、私が育てられたと思っているので。それも息子に言っています」

 

◆中学生の制服姿にも挑戦

2023年、女優デビュー30周年となった遠山さん。映画、舞台の仕事を精力的にこなし、2019年には、あるBarを訪れた個性的な面々がさまざまなことを繰り広げるコメディーオムニバス映画『お口の濃い人』(沖正人・海老澤憲一監督)に主演。遠山さんは、会社の後輩女性と2人でBarにやって来たアラフォー女性を演じた。

――かなりお酒は強いとおっしゃっていましたが、ビール、ワインなどの飲みっぷりがリアルでした。

「お酒は好きで、ワインならボトル1本は飲んでも大丈夫なので、強いほうだと思います(笑)。芝居中はもちろんノンアルコールでしたが、酔っ払っていくお芝居の過程も楽しんでやっていました」

2019年は、短編映画『15歳の総理大臣』(胡麻尻亜紀監督)にも主演。遠山さんが演じた主人公は、幼い頃から綿密な計画を立て、着実に遂行して日本初の女性総理大臣となった印南一子。多忙を極め、思春期の15歳の娘・晴との溝は深まるばかりで、ラップでしか会話をしてくれない。そんなとき、一子が突然15歳の姿になってしまう…という展開。

「40代になっていたので、中学生の制服を着るのは年齢的に心配だったんですけど、チャレンジさせてもらいました(笑)。大丈夫かなって不安もありましたけど、久しぶりにワクワクしました」

――まったく違和感なかったです。プロポーションもスレンダーで。

「ありがとうございます。総理大臣のときのお母さんは、ものすごくきっちりした人じゃないですか。全部きちんと計画を立てて、これをやるためにはどうするとか。私自身は感覚型なので、まったく違いますけど(笑)」

――ラップはやってみていかがでした?

「ラップも初挑戦だったんです。データというか、資料はあったんですけど、頭をちょっと聞いてみただけで、それはナシでやらせてもらったんですよね。セリフに乗せて自由に。『私が言いたいのはこれだよ』っていうところをやってOKをもらいました」

――最初にこのお話を聞いたときは?

「発想がすごくおもしろいなと思いました。伝えたいことも明確だし、タイムスリップするという冒険心もあったりとかして、やっていてとても楽しかったです。

最初は厳しすぎてちょっと息が詰まるぐらいきっちりしたお母さんでしたけど、やっぱりああやって子どもに気づかされることは実際にあるし、気づいたから良かったというハッピー感もあるじゃないですか。私自身も息子に気づかせられることがいっぱいあるので」

 

※舞台『陽だまりの中で』
2023年9月27日(水)~10月1日(日)
中野ザ・ポット
企画:林家畳
作・演出:林明寛
出演:河合健太郎 秋澤美月(A) 小谷皐月(B) 赤江耕之助(A) 佐藤嘉寿人(B) 寺山武志 シライケイタ 遠山景織子 ほか

――9月27日(水)から10月1日(日)まで舞台『陽だまりの中で』に出演されますが、どんな感じになりそうですか?

「ちょっと方言があったりするんですけど、そこに気持ちが乗っかれれば、ちょっと楽しいかなと思っています」

――これまで方言のセリフというのは?

「結構あります。大阪、京都をはじめ、いろいろやらせていただきました。方言指導、音源をもらうんですけど、今回気づいたのは、その音源の素材で言ってくださる人の感情が乗っかっていると、言葉が入ってこないんです。違う気持ちで言っているなとか、そういうことばかり気になっちゃって。

なので、『無感情で入れているテープをください』って今回お願いしたんです。方言はイントネーションが壁なんですけど、聞いていておかしくなかったらいいし、気持ち優先でいたいというか。でも、あまりしゃべったことがない言葉なので楽しいなという感じもあります。

今回の舞台は、息子との話なんですけど、私はスナックを経営しているんですね。そこで息子が感じていること、環境に反抗していたりとか。親子の話なんですけど、そこに集うお客さんがいて…という感じでおもしろいです」

――今年は舞台が5本、もともとは映像でしたが、舞台はどうですか?

「最近、舞台に立たせてもらうことが本当に好きになって。毎回違うんですよね。自分も違うし、ずっと公演を重ねていく体力もメンタルもですけど、いろんな力が必要で。やっぱり観に来てくださるお客さまに届けられるその時間というのはすごい貴重だなって思っています」

――公演が続くなかで、ご自身のテンションとか気持ちをご自身でコントロールする方法はどのように?

「私は変わらないでいることですかね。上げるでも下げるでもなく、普通にというのは意識しています」

透明感溢れる雰囲気と笑顔は、昔と変わらない。猛暑のなか、舞台の稽古で多忙な毎日を送る遠山さん。充実の日々が続いている。(津島令子)

ヘアメイク:糟谷美紀

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