彫刻、書、チョークアート!日本を牽引するアーティストが「ドラえもん」を制作
2017年11月1日(水)から2018年1月8日(月・祝)まで、六本木ヒルズ・森アーツセンターギャラリーにて開催される「THE ドラえもん展 TOKYO 2017」。
本展には日本の現代美術を牽引するアーティスト28 組が参加し、“ドラえもんと現代アートの競演”が実現する。
当時を代表するアーティストが一堂に集い鮮烈なインパクトを与えた2002年開催の「THEドラえもん展」から15 年、社会環境・風景・生活など身近にあるモノは大きく様変わりし、現代アートの“いま”も進化している。
本展は、ドラえもんを通じて現代アートの“いま”を切り取る展覧会だ。
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そんな「THE ドラえもん展 TOKYO 2017」開催に先だち、現在「あなたのドラえもんをつくってください」をテーマに鋭意作品を制作中の参加アーティストから、制作現場のリポートが届いた。
本記事では、彫刻家・中里勇太、書家・中塚翠涛、画家・れなれなという3名の作品の制作現場を紹介しよう。
◆中里勇太(彫刻家)
中里は、『映画ドラえもん のび太の日本誕生』(1989年公開)でのび太が作りだした3匹の架空動物のひとつである「ペガ」(ペガサス)を選び、彫刻作品として制作している。
作中で、のび太がペット大臣となり架空動物を生み出す姿に“クリエイティビティ”を感じたといい、3匹の架空動物の誕生に喜ぶのび太に、「のび太の喜びがキラキラしていて、『ああ、ドラえもんってこんな世界だよね』という雰囲気がよく現れていた」と感じ、今回のモチーフを選んだそうだ。
動物を主題として、今にも動き出しそうなほど毛並みまで丁寧に彫り込んだ木彫作品で知られる中里にとって、架空の動物を主題にする試みは初めてとのこと。「身体と羽のバランスを、想像と現実のギリギリのところを攻めながら制作した」という作品は、まるで映画の中から飛び出したような不思議な感覚を楽しむことができるだろう。
◆中塚翠涛(書家)
書家の中塚は、『映画ドラえもん のび太の日本誕生』(1989年公開)の世界を屏風に描こうと考えている。
屏風の「右から左に時間が流れていく」という特性を使い、作品の中でキャラクターが現代の日本と旧石器時代を行き来する映画のストーリーを表現する。なかでもテーマを象徴するものとして、ペガ・グリ・ドラコを取り上げ、過去から見たり、未来から見たり、全体を見たり、いろいろな見方ができる作品となりそうだ。
また、今回あわせて制作しているという「楽えもん」は、ドラえもんと「楽」の字が合わさったオリジナルのドラえもん。屏風の中にも描かれるという「楽えもん」にも注目だ。
◆れなれな(画家)
今回の参加アーティスト最年少で、黒板とチョークを使って作品を制作するれなれなは、『映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険』(2007年公開)の世界を描く。幅2.7mの巨大黒板に、丸4日作業部屋にこもって作品を制作した。
『のび太の新魔界大冒険』の作品で特徴的な背景の美しさを描きたかったといい、「“背景”が映画として美しい要素になっている、ということを私の作品を通して伝えたい」とコメント。奥行きを感じさせる繊細な描画は必見だ。
■「THE ドラえもん展 TOKYO 2017」(公式サイト)
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※開催期間:2017 年11月1日(水)~2018年1月8日(月・祝)会期中無休
※開催場所:森アーツセンターギャラリー (東京都港区六本木6‐10‐1 六本木ヒルズ森タワー52階)
※お問い合わせ:ハローダイヤル 03-5777-8600 (8:00~22:00)
※主催:テレビ朝日、朝日新聞社、ADK、小学館、シンエイ動画、小学館集英社プロダクション、乃村工藝社、森アーツセンター
※特別協力:藤子プロ・創立30周年記念事業