ドラマ『unknown』第5話、ラストにあまりに悲しい展開…。トラウマレベルの“死亡フラグ”
<ドラマ『unknown』第5話レビュー 文:横川良明>
この展開は辛すぎる…。
新たな犠牲者が出ることが予告されていた『unknown』第5話。その展開は、登場人物たちにとっても、視聴者にとっても、あまりに悲しみが重いものでした。(※以下、第5話のネタバレを含みます)
◆この死亡フラグはトラウマレベルです
いや、もうね、さすがにこれはヘビーすぎる。途中まで相変わらず楽しくコメディをやっていたのに、最後の最後でこのハードモード。
『となりのトトロ』を観に行ったら同時上演で『火垂るの墓』が始まったときと同じくらいの高低差がある。今までの吉田鋼太郎とか小手伸也はなんだったのよ。
殺されたのは、五十嵐まつり(ファーストサマーウイカ)。完全にコメディ班だと思っていたから、余計にショックでした。
いやね、ぶっちゃけ途中からイヤ〜〜〜な予感はしていたんです。
息子の大五郎(曽田陵介)が事件の重要参考人として事情聴取を受けた。しかし、事件当日の4月13日の行動を大五郎は明かそうとしない。
黙秘を続ける理由は、その夜、大五郎は母の日のプレゼントとしてまつりの絵を描いていたからだった。
何それ普通にいい話。血の気は多いけど息子想いの母と、素直になれないけど母親愛が深い息子の気持ちが画面から伝わってきてね。
泣いてるまつりと、花屋にプレゼントを買いに行ってる大五郎がカットバックで映し出されてね。そこにRADWIMPS の『KANASHIBARI feat.ao』まで流れてきてね。
もう泣いてくださいと言わんばかり。こっちも、オッケーオッケー、ここでは思う存分泣かせていただきますともよという気持ちでいるんだけどさ。そうやって鼻をじゅくじゅくさせながら、こうも思うわけです。
これは死ぬわ、と。
死亡フラグがスカイツリーくらいビンビンに立ってる。宇都宮あたりからでもうっすら見えるわ〜というくらい立派にそびえ立っております。
もう「志村後ろー」くらいの勢いでまつりに声かけてる。来るから、絶対そこに犯人がくるから早く逃げて!
山奥のペンションで殺人事件が発生したときに「殺人鬼がいるかもしれないのに一緒にいられるか!」っつって自室に閉じこもる人くらい殺されるのが確定してた。
で、案の定殺されてた。
あ〜もう〜なんでなのよ〜! まつり、普通にいいやつだったじゃーん! や、いいやつから殺されていくのもセオリーっちゃセオリーなんだけどさ〜。
しかもこれを母の日から2日後の火曜日に放送する制作サイドの鬼畜っぷり。陽気なコメディだと思いながら観ていたので余計にやられました。どうもありがとうございます。
◆今夜のこころと虎松は途中から狼でした
しかもこのドラマの恐ろしいところは、こんな鬱展開を最後に隠しつつ、途中まではそんな素振りをつゆほども見せないところよ。
だって中盤の闇原こころ(高畑充希)と朝田虎松(田中圭)のラブシーンとか見ました? なんだあのエロさ。一瞬、深夜ドラマかと勘違いしたわ。
加賀美圭介(町田啓太)が突然こころにキスしたことを根に持つ虎松。加賀美の前で「上書き」とこころにキスをする“少女漫画あるある”をバッチリ押さえながらの、あの部屋でのラブラブっぷり。
いや、これまでもキスシーンとかはありましたけど、もうちょっとイチャイチャキャッキャみたいな、子犬のじゃれ合いみたいな感じだったじゃないですか。
今回もね、虎松の頬をこころがぶちゅっとするあたりまでは、子犬だった。小悪魔マルチーズと元気な秋田犬のわんわん行進曲だった。
でも、途中から完全に狼になってた。
高畑充希の肩出しニットとか反則。布を貼れ。
田中圭のE ラインは18禁だってあんだけ言ってたでしょ、もう! ドキドキするじゃん!!
しかも、スローモーション大好きな瑠東東一郎監督らしいゴリゴリのスローモーション。しかと目に焼き付けよと言わんばかり。
ありがたく網膜に焼印させていただきました。あざーっす!!
◆ついに推しキャラができました
そして、闇原漣(井上祐貴)くんがどんどん可愛くなっている気がするのですが、みなさまのご感想はいかがでしょうか。
今回も虎松とのやりとりがキュート。「バディ! バディ!」の連呼にやや引いてるところが低温男子な漣くんっぽくて可愛いし、でもまつりの前ではキャラ変するレベルで張り切っちゃうところが、世の需要をわかってる。できるなら、漣くんのネクタイを毎朝結ぶお仕事とかしたいです。
「恋の始まりは点じゃないですから」と言いつつ、めちゃくちゃただの一目惚れで「超点じゃねえか!」とツッコまれてるの最高に好き。花屋でどデカいバラの花束買ってるのとか笑いが止まらなかった。
制作陣には、どうか漣くんでスピンオフをつくってほしいです。
でもさ、お母さんを殺されてしまった大五郎は本当に可哀想で言葉もかけられないくらいなんだけど、漣くんも最愛の人を殺されてしまったということですよね…。
これはもう『吸血刑事・闇原漣の復讐事件ファイル』が始まる予感しかしない。もちろん主人公はこころと虎松だとわかった上で、どうかまつりを殺した犯人だけは漣くんにお縄をかけてほしい。
ここに来て、まさかの推しキャラができてしまいました。漣くん、むっちゃ顔も整っとるし。夜な夜な「井上祐貴」で検索する日々がしばらくは続きそうです。
◆まったく読めなくなってきた“犯人”
そして気になる犯人はと言うと、もうまったく読めません(サジ投げ)。まさかの一条彪牙(井浦新)生存説まで登場し、真相は闇の中。
最有力なのは加賀美なんだろうけど、犯行の動機がまったくわからない。というか、何を考えているのかわからなさすぎてサイコパスに見えてきた。結局、なんでこころにキスしたの…?
もともと手の内が読めない人間を演じると異常にハマる町田啓太ですが、ここまで来ると恐怖すら感じる。
虎松が本気で怒ってるのに、小突き合いながら爽やかに笑ってるところとかホラーなんじゃないかと思った。今はジェイソンよりキョンシーより町田啓太の笑顔が怖い。
たぶん加賀美なら笑って人を殺せそう。そういう町田啓太を見てみたい気持ちもあるのですが、はたしてどうでしょうか。
そもそも被害者に何の共通点も見られないところが気になるんですよね。そこにまだ僕たちの知らぬ関係があるのか。本当にただの猟奇殺人事件なのか。
気になると言えば、あの雨の教会のシーンではついに世々塚幸雄(小手伸也)が登場。しかもいつもの世々塚とは違う意味深な顔つきで…。世々塚に視線を送ったのは、加賀美。ほぼ接点がないはずの2人の関係とは果たして? あと、MEGUMIの正体は?
もはや考察する術もないので、ここは大人しく次回を待ちたいと思います!(文:横川良明)
※番組情報:『unknown』
【毎週火曜】よる9:00~9:54、テレビ朝日系24局
※『unknown』最新回は、TVerにて無料配信中!(期間限定)
※動画配信プラットフォーム「TELASA(テラサ)」では過去回も含めて配信中!