濱田龍臣、念願のウルトラマン出演で高校生活が超多忙に。イベント、ドラマに映画…大学進学は「無理だ!」
2010年、大河ドラマ『龍馬伝』(NHK)で注目を集め、一躍売れっ子子役となった濱田龍臣さん。
実写版『怪物くん』(日本テレビ系)、主演ドラマ『モブサイコ100』(テレビ東京系)、映画『ガッチャマン』(佐藤東弥監督)、映画『ハイヒール革命!』(古波津陽監督)など多くのテレビ、映画に出演。
2017年には、『ウルトラマンジード』(テレビ東京系)の主人公に抜てきされ、史上最年少のウルトラマンとなった。
◆幼少期の夢は「ウルトラマンになること」
小さい頃から『ウルトラマン』シリーズの大ファンで、ウルトラマンになるのが夢だったという濱田さん。
2010年、映画『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』(アベユーイチ監督)にウルトラマンゼロに変身するランの弟・ナオ役で出演。そして16歳のときに念願叶って『ウルトラマンジード』の主人公に。
「撮影していたときは16歳だったので最年少で、放送が始まってからは最年少タイになるんですけど、やらせていただけてすごくうれしかったです。小さい頃からの夢でしたし、このままずっと役者をやっていこうと強く思いました」
-『ウルトラマン』シリーズは、ドラマの撮影以外にイベントも多かったと思いますが-
「はい。イベントは本当に『そんなに行くの?』っていうくらい行きました。毎週日曜日に30分くらいのトークショーを2回するんですけど、それにヒーローも怪獣も出てきて…みたいなショーで、全国いろんなところを回りました。
とくに多かったのが、名古屋、大阪。住宅展示場とか、イオンモールなどは結構行きましたし、福岡、広島、島根、石川…本当にいろんなところに行きました」
-他にも、ドラマや映画の撮影も入っていたのでは?-
「入っていました。結構大変なスケジュールでしたね。高校2年生だったので、月曜から土曜までは撮影所と学校を行ったり来たりしていました。
ちょうど『ウルトラマン』の撮影が終わって、9月からイベントに行くようになったんですけど、10月から『モブサイコ100』の撮影が始まったので、かなりしんどい時期ではありました。頭がごっちゃになっちゃって(笑)」
-『モブサイコ100』では強大な超能力を持ちながらもさえない主人公の中学生役、おかっぱ頭のユニークなキャラでしたね-
「はい。高2だったので、中学生に見えるかなって思ったんですけど(笑)。『ウルトラマンジード』を手掛けていた坂本浩一監督だったので、特撮やVFXを駆使した超能力バトルでおもしろかったです。
『モブサイコ100』の撮影を平日にやって土曜日の夕方ぐらいに新幹線に乗って地方に前乗りして日曜日にショーを2本やって、終わったら帰ってきて、また月曜日が始まるという感じで。
ロケ地から一度土曜日の夜に大阪とかに入って、大阪でショーをやって、大阪とロケ地の中間地点で一泊して月曜日朝から移動みたいなこともありました。本当にあのときは『何でこんなスケジュールなんだろう?』っていろいろ疑問に思いながら、やっていました(笑)」
-学校との両立も大変だったのでは?-
「そうですね。高2になる前くらいに、大学に行こうと思っていた時期があったんですよ。高2のときに進学を目指すコースに転入したんです。そうすると、土曜日の午前中まで学校があって、『大学に行くんだ。頑張ろう』って思っていたんですけど、いろいろ仕事が重なって、『無理だ!』って(笑)」
-『ハニーレモンソーダ』(神徳幸治監督)とか、わりとインテリの役が多いですね-
「そうですね。頭の回転が速くて知識も豊富みたいな役は多いですね。『花のち晴れ~花男Next Season~』(TBS系)とか、『ブレイブ-群青戦記-』(本広克行監督)も結構インテリっぽい役でした」
-難しい漢字もいろいろ書けるそうですね-
「はい。一応、高校1年のときに漢字検定2級は取っていて。先生が『漢字検定を学校で受けられるよ』って言ったので、『先生、受けまーす』って言って。よくわからないから3級を受けるつもりだったんですけど、先生に『龍臣ならもうちょっと上いけるよ』って言われたので、漢字検定準2級を受けたら、受かりました。なので、結構難しい漢字も書けます(笑)」
◆記憶力抜群の「ノリで覚えられるタイプ」
セリフ覚えに苦労している俳優も多いが、濱田さんは記憶力抜群ですぐに覚えられるという。
「勉強は大嫌いなんですけど、効率が良いタイプ。聞いただけでいろいろ覚えられるタイプというか(笑)。記憶力が結構良いほうで、写真記憶もできるタイプなんです」
-写真記憶?-
「はい。文字とか数字とかもなんとなく見ただけで、記憶できるんですよ。電話番号とかセリフとかもそういう感じで頭に入ってくるので、セリフ覚えも結構早いんです。映像のお芝居だと、台本を仮の段階でもらったものを結構読み込んで、なんとなくこんな感じの流れでこうなっていくんだろうなみたいな感じで。
自分で勝手にカット割りをしたり、どういう部屋かも知らないけど、こんな感じなんだろうなあって頭の中で位置関係を作って、勝手に想像したなかでキャラクターのそれぞれの感情を読み解いておいて…ということを最初にしてから現場に入るんです。
そうすると、だいたい感情みたいなものが自分のなかでメドがついているので、あとはもう現場に行って『今日はどこやるんだっけ?』って台本を開いて、『ヨシ!』って。段取りとテストをやると、他の人のセリフまで全部覚えているときもありますね」
-すごいですね。セリフをなかなか覚えられない方も結構多いですが-
「いらっしゃいますね。聞いて覚える方とか書いて覚える方とか、いろいろいらっしゃいますけど、僕はノリで覚えられるタイプです。1シーン10分くらいで覚えられるんじゃないかな」
-子役時代からずっとコンスタントにお仕事をされていて、かなり忙しいスケジュールだったと思いますが楽しみは?-
「ゲームが趣味で、あとは漫画を読むのが好きだしアニメを観たりとか。一時期は、ゲームをしながら、目の前にiPadを置いてNetflixでアニメを流して観ていました。右耳のイヤホンでゲームの音を聞いて、左耳にワイヤレスイヤホンをつけてNetflixの音を聞いて、それでスマホをいじっていました。やりたいことが多すぎて(笑)」
-それぞれちゃんとできるのですか?-
「はい。それぞれ何とかできていました(笑)。最近はしなくなりましたけど、ちょっと前に、ゲーム、ゲーム、ゲームと、パソコンやスマホで三つ同時にしていたことがあって、『何でこんなことをやっているんだろう?』って、自分で疑問に思いました(笑)」
-現在はご実家で暮らしているのですか-
「はい、実家暮らしです。たまに夜、(ゲーム中の声が)うるさいって言われますね。『声がでかい』とか。『昼間だからいいと思うな』とか言われます。
昼間だとテンションがバーッと上がっちゃってすごく大きい声でしゃべっちゃったりするんですよね。舞台もやっているので、発声が良くなってきているみたいで、『本当に声が通るからやめてくれ』って言われたりします」
-仕事上では良いことですけどね-
「はい。仕事上ではいいことなんですけど、趣味の時間だから、もうちょっとそこは抑えろって」
-22歳というと、ひとり暮らしされている方も多いですが-
「そうですね。ひとり暮らしをしてみたいとも思うんですけど、はたしてひとりで本当に暮らせるんだろうかという不安もあって。『衣』と『住』は大丈夫にしても、『食』が本当に大丈夫かすごい不安で(笑)。料理は、ほぼしないので。
一度仕事の都合で、2カ月間くらいだけマンスリーマンションで暮らしたことがあって、そのときはなんとなくですけど自炊できてはいたんです。でも、本当にレパートリーが少なくて。
それこそクックドゥとかの青椒肉絲とか麻婆豆腐、あとそのときは1キロのキムチを買っていて、お肉を買って豚キムチとか、レトルトのカレーとか、比較的楽なものしかできず(笑)。これで5年は暮らせないなあって思いました。
千葉なので、大体電車で渋谷、新宿、池袋まで1時間かかっちゃうんですよ。交通の便から行くと、もう少し近いといいなあっていう気持ちはありますけど、実家が居心地良くて(笑)」
子役時代からコンスタントに多くの作品に出演している濱田さん。仕事に関しては、基本的にスケジュールさえ合えばという方針だそう。
映画『ハイヒール革命!』では、男として生まれ、性転換手術を経て女性に生まれ変わった実在の人物を演じ、『武士が、マックで店員になった件。』(関西テレビ)ではマクドナルドで研修も経験。
2023年3月24日(金)に公開される映画『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』(阪元裕吾監督)では人生初の殺し屋役に挑戦。次回後編では撮影エピソードなども紹介。(津島令子)
ヘアメイク:高野雄一
※映画『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』
2023年3月24日(金)より新宿ピカデリーほかにて公開
配給・宣伝:渋谷プロダクション
監督・脚本:阪元裕吾
アクション監督:園村健介
出演:髙石あかり 伊澤彩織 水石亜飛夢 中井友望 飛永翼(ラバーガール) 橋野純平 安倍乙/新しい学校のリーダーズ/渡辺哲 丞威 濱田龍臣
殺しの腕はピカイチ、でも社会にはなかなか馴染めない殺し屋コンビ、ちさと(髙石あかり)とまひろ(伊澤彩織)は、さまざまな支払いに追われ、途方に暮れていた。時を同じくして殺し屋協会アルバイトのゆうり(丞威)とまこと(濱田龍臣)兄弟も途方に暮れていた。ふたりは「ちさととまひろのポストを奪えば、正規のクルーに昇格できる」という噂を聞きつけ、実行を決意することに…。