DJ松永が語る、エンターテインメントの大切さ。『相棒』は「大事な“逃避先”のひとつ」
2000年にスペシャルドラマとして誕生して以来、国民的ドラマとして定着した『相棒』。11月2日(水)には、最新作『相棒season21』の第4話が放送される。
テレビ朝日では新シーズンのスタートを記念し、「相棒インタビュー企画」を実施。各界の“相棒ファン”の著名人に、同作への思いを語ってもらった。
今回は、アーティストのDJ松永へインタビュー。
「『相棒』は自分にとって数少ない大切な娯楽」と語る松永に、同作との出会いやシリーズを通じた魅力、娯楽の大切さなどについて聞いている。
◆杉下右京と亀山薫の衝突にドキドキ・ハラハラ
テレビドラマをあまり見ずに育ったという松永。『相棒』との出会いについてはこのように話す。
松永:「幼少期の頃は、まったくテレビを見せてもらえない家庭だったんです。大人になって一人暮らしをはじめるときに、何の気なしにテレビをつけたら『相棒』がやっていて、おもしろかったのが好きになるきっかけでした。そこから過去の放送回を掘り下げて見ましたね。『相棒』は偏差値高そうでクールな印象を受けますけど、めっちゃ入りやすいなと思いました」
主人公の杉下右京(水谷豊)や“5代目相棒”として帰還した亀山薫(寺脇康文)をはじめ、『相棒』には個性豊かな登場人物たちが多い。シリーズを通じた魅力について、松永はこのように語る。
松永:「(警視庁の)建物内の全般がすごく好きです。角田課長の『ヒマかっ!』というセリフとか、右京さんがポットを高く持ち上げて紅茶を注ぐシーンとか、特命係をいつも覗いてくる2人組とか。俺、最初に見たときはあの2人組が犯人じゃないかと思ったんですよ(笑)」
久しぶりに復活した杉下と亀山のコンビにも、やはり注目しているようだ。
松永:「歴代の相棒の中で対比が一番わかりやすかったのが、やっぱり右京さんと亀山さんのコンビだった。それが好きでみんな見てたわけじゃないですか。
亀山さんは警察をやめてサルウィンに行っていたので、絶対に変化はある。だから右京さんとの対比をどう保ちつつ、どう変化してくのかなみたいなところが、すごく気になりますね。
亀山さんは人間の気持ちに寄り添ってぶつかっていく瞬間があるけど、法の下にまったくブレない右京さんと衝突するシーンは、こっちがドキドキしますよね。あの2人がぶつかるとき、エネルギーが強いもの同士がバチッとなる瞬間は、大丈夫かみたいなハラハラ感があります」
◆「『相棒』は自分にとって数少ない大切な娯楽」
現在、HIPHOPユニット・Creepy Nutsとして活躍し、過去には世界的なDJ大会で優勝を果たしたこともある松永。HIPHOPが趣味から仕事になった彼にとって、『相棒』はかけがえのない“娯楽”だという。
松永:「俺はもともとHIPHOPが趣味で、好きでやっていて、それがありがたいことにお仕事になって。趣味って現実逃避先だったりするじゃないですか。だからHIPHOPが仕事になったら、その現実逃避先が24時間になってしまうから、癒されない。むしろHIPHOPで傷ついたり、挫折したり悩んだりする24時間になっていました。
そんなときに『相棒』のような、純粋に自分の実生活とかけ離れていて、かつ、ノれてドキドキ・ワクワク・ハラハラさせられるエンターテインメントに出会えたというのが、俺の中ではすごく大きかったかもしれないですね。
『相棒』に自分を重ねるというよりは、見てるときは没入して、その世界で楽しませてくれるからこそ、癒されるし、パッと切り替えて『さあ、別の仕事頑張ろう!』ってなる。そういう作品があるから、いろんな人が頑張れる。だから、いろんな娯楽があるんだろうなと思います。俺にとっては『相棒』がそういう作品でした」
松永は続ける。
松永:「本当に好きなものって理屈抜きで出会ったりするものですよね。俺は趣味が仕事になってしまったから、逃避先がなくなって、その趣味を見つけようと頑張った時期がありましたけど、まったく見つからなかった。見つけようと思ってすぐ見つかるものじゃないんだなと思いましたね。だから『相棒』とは偶然出会ったのかなと思います。
『相棒』は自分にとって数少ない大切な娯楽のうちのひとつです。さっき言ったように、もともとHIPHOPが自分の娯楽だったけど、仕事になって現実世界になってしまった。逃避先がなかなかないなかで、『相棒』は大事な逃避先のひとつなんです。人間が生きていくうえで娯楽って本当に大事ですから、とても大切な存在ですね」
※番組情報:『相棒season21』第4話
2022年11月2日(水)午後9:00~午後9:54、テレビ朝日系24局
※動画配信プラットフォーム「TELASA(テラサ)」では、『相棒』過去全シーズン&スペシャルドラマに加え、劇場版、配信オリジナルも配信中。