テレ朝POST

次のエンタメを先回りするメディア
menu

「絶対にもう一度復活できる」紀平梨花、涙の五輪断念から10カ月。ケガを乗り越え新たな“武器”と復活の道へ

現地時間10月28日(金)より、フィギュアスケート・グランプリシリーズ第2戦カナダ大会が開幕する。

女子シングルの注目は、昨シーズン怪我で休養し、3シーズンぶりのグランプリシリーズ出場となる紀平梨花

10月15日(土)に放送されたCSテレ朝チャンネル2の人気番組『フィギペディア』では、復活へ向け練習に励む紀平に密着取材した。

◆「本当に一番つらい状況でした」

ことし4月、カナダ・トロントで練習を積んでいた紀平。

2021年にこの地に拠点を移し、今年で2シーズン目。練習を積む「クリケットクラブ」は、羽生結弦をはじめ多くのオリンピックメダリストを輩出した名門だ。

しかし、新天地で過ごした昨シーズンは試練の日々だった。

紀平:「自分のやりたいことをやれる日が1日もなかった。何をやっても悪いことをしている気分。達成感のある生活をできなかったのは本当につらいことだと思う」

2018年、16歳でシニアデビューした紀平。得意のトリプルアクセルをショートとフリーで決め、シニア1年目にしていきなりグランプリファイナルで金メダルを獲得。

日本女子のエースとして、北京オリンピックでもメダルを期待されていた。

ところが、大事なオリンピックシーズンの2021年7月、右足に故障が発生。「右足関節の骨軟骨損傷」と診断され、出場するはずだったグランプリシリーズ・カナダ大会を欠場することになる。

紀平:「オリンピックシーズンというのもあって、練習は控えめに続けていたんですけど、そうすると一向に治る方向にはいかなくて。すごくひどくなったときに休むようにして、再開すると少しよくなっているんですけど、ジャンプをはじめたらすぐに前よりも痛くなって…。

最後の最後にはめちゃくちゃ痛い状態になってしまいました。やりたいけどたくさん動くことが痛みに繋がってストレスになったり、逆に動かないこともすごくストレスで、何をやってもずっと嫌な気持ちみたいなのはありました」

その後、右足首の疲労骨折だったことが判明。オリンピック代表選考会の全日本選手権にも間に合わなかった。

紀平:「なんとかして(全日本選手権に)出ることができないかと考えている間や、それでもどうしてもいい選択がないと追い込まれたときは、本当に一番つらい状況でした。もう忘れようとしていたからあまり覚えていないぐらいなんですけど、たぶんすごくつらかったと思います

◆休養中に身に付けた新たな“武器”

失意の中、必死に気持ちを切り替え、北京オリンピックは家族とともに観た。

紀平:「若干見たくない気持ちもあったけど、やっぱりオリンピックなので見たい気持ちもあって、できるだけ家族と楽しく過ごしながら見るようにしました。たぶん無理やりそうしていたと思うんです。『自分がそこに出たかもしれないのになぁ』とか、やっぱり少しは考えちゃうから。

でもかおちゃん(坂本花織)と(樋口)新葉ちゃんと(河辺)愛菜ちゃん、みんながすごい真剣に臨んでいる姿を見て、みんなにとってやっと出られた試合なんだと思ったら、その人1人1人の人生を考えてすごい応援したい気持ちになって、『がんばれ』という思いで見ていました。

やっぱりいろんな選手を見て励まされることもありますし、もう一度がんばってみようとすごく思えました」

日本選手の活躍に勇気をもらい、再起を誓った紀平。その後、右足の状態は一進一退を繰り返したものの、少しずつ氷の上に乗りはじめた。

指導を受けるのは、クラブを率いるブライアン・オーサーコーチとスケーティング担当のトレーシー・ウィルソンコーチ。

ケガの影響でジャンプの練習ができないなか、新たなシーズンに向け力を入れていたのはスケーティング。エッジの細かい使い方まで丁寧な指導を受けていた。

オーサーコーチ:「トレーシーと私が考えるのは本物のテクニックです。いかに上手くブレードを滑らかに動かし、簡単にスピードを得てパワフルに見せるか。女子のトップスケーターは無駄なく遅いスピードから速いスピードを出せます。それがカギです。労力を費やすことなく“フー”という感じです。カロリーナ・コストナーや浅田真央、キム・ヨナのように」

演技中、体力の消耗を避けるため、体重のかけ方や氷の押し方など、効率的な滑りを身につけるのが目的。

紀平:「やったことのない動きもたくさんあるんですけど、繰り返しすることで身についてきてはいると思うので、自然にプログラム中にきれいな足さばきができたらいいなと思います」

ジャンプを跳ばないフリーの曲かけ練習では、紀平のスケーティングにチームメイトたちが見入る場面も。

練習後、トロントでの生活ものぞかせてもらった。

やって来たのはスーパー。食事は自炊が基本だという。

タンパク質やカロリーなど、栄養素を細かくチェックしたうえで食材を選ぶ。肉選びでは、疲労回復にいい豚肉をチョイス。揚げ物はずっと食べていないという。

紀平:「練習量と同じくらいの比率で大事なのが食べ物と睡眠。後はリカバリーもすごく大事。練習が半分くらいで、後の半分はそういうものから作られているような気がします」

◆「私はミラノを目指そうと決めました」

全日本選手権欠場という“苦渋の決断”から10カ月。異国の地でストイックな練習生活を続けていた紀平。

紀平:「すべて受け入れて、トレーナーさんともコーチともみんなで話し合って、やれることをやってきた1年だと思っている。とくに決断を間違ったことはなかったと思うし、その時にやるべきことは尽くせたと思っているので、(オリンピックに出られなかったのは)もうそういう運命だったなと思って、私はミラノ(オリンピック)を目指そうと決めました

そして迎えた今シーズン初戦の中部選手権。実に525日ぶりとなる実戦の場へ戻ってきた。

5月に再び右足首の痛みを感じ、3カ月ほど氷上での練習を控えていたため、この試合のための準備期間は3週間足らず。高難度のジャンプはまだ跳べないため、構成を落としてフリーの演技に臨んだ。

結果は、合計得点154.49で最終順位は6位。今できる精一杯の演技でなんとか全日本選手権の出場資格を手にした。

紀平:「演技が終わった後はずっと『(全日本選手権に)通るかな、通るかな。お願い、通って』という気持ちだったんですけれど、とりあえず通ったので本当にホッとしました。ノーミスという目標は達成できなかったので、スケカナでは『ノーミス』という目標は絶対に達成できたらいいなと思っています」

この1年は我慢のシーズンだったと振り返る紀平。しかし、「そうやって我慢してきたからこそ、ここまで支えてきてくれた人たちに恩返ししたい。その気持ちさえあれば絶対にもう一度復活できる」と強い覚悟を持っている。

次戦のカナダ大会ではどんな演技を見せてくれるのか。“復活”への物語はまだはじまったばかりだ。

番組情報:『フィギュアスケート・グランプリシリーズ2022』カナダ大会

◆地上波
10月29日(土)よる6:56~8:54 男女ショート
10月30日(日)よる7:00~8:56 男女フリー

◆テレ朝動画
10月29日(土)~31日(月)有料LIVE配信!
見逃し視聴、特典映像も!詳しくは、テレ朝動画HP

◆CSテレ朝チャンネル2
全競技・全選手・会場音のみで放送
11月21日(月)~25日(金)あさ7:00~10:55
11月26日(土)午後1:00~5:00
11月27日(日)午後2:30~よる6:00