テレ朝POST

次のエンタメを先回りするメディア
未来をここからプロジェクト
menu

平山浩行、初主演映画が“ニース国際映画祭”最優秀作品賞に。劇中シーンと重なった受賞は「最高にうれしい」

25歳のときに『高原へいらっしゃい』(TBS系)で俳優デビューして以降、『臨場(続章)』(テレビ朝日系)、『仮面ライダーセイバー』(テレビ朝日系)、『オトナ女子』(フジテレビ系)、『おじさまと猫』(テレビ東京系)、映画『本能寺ホテル』(鈴木雅之監督)、映画『昼顔』(西谷弘監督)など幅広いジャンルのドラマ、映画で活躍してきた平山浩行さん。

2022年11月4日(金)に公開される初主演映画『シグナチャー~日本を世界の銘醸地に~』(柿崎ゆうじ監督)は、「ニース国際映画祭」で最優秀作品賞を受賞したのをはじめ、パリ国際映画祭、マドリード国際映画祭など海外の映画祭でも注目を集めている。

 

◆誠実な夫のはずが三股かける男?

2019年は、趣味の陶芸の腕を発揮した映画『ハルカの陶』(末次成人監督)、『やすらぎの刻~道』(テレビ朝日系)、『わたし旦那をシェアしてた』(日本テレビ系)、『これは経費で落ちません!』(NHK)など、それぞれまったく違うユニークなキャラに挑戦した。

『わたし旦那をシェアしてた』で平山さんは、3人の妻(小池栄子・りょう・岡本玲)との間で“三重生活”を続けていたが、何者かに殴る蹴るの暴行を受けたあげく、殺されてしまう謎に満ちた男・天谷恭平役を演じる。

恭平の死によって自分以外にも彼の妻が存在し、自分を含め、3人のシングルマザーと事実婚を結んでいたことを知った妻たちはショックを受ける。多くの謎と秘密を抱えたまま死んでしまった夫の真意は何なのか。

「愛する“たった一人の妻”に3億円を渡します」という遺言によって“シングルマザー専用シェアハウス”に導かれた3人の妻たちは、相続をめぐって激しい女のバトルを繰り広げながらそれぞれの子どもたちとともにシェアハウスで暮らすことに。そして驚きの真実が明らかになっていく…という展開。

「すごい展開でした。最初に殺されて、そこから始まるわけですからね(笑)」

-ステキな旦那さんだと思っていたら、三つの家庭を行き来していて、3人の妻たちが毎日家に帰ってきたと言う。不思議な展開でした。回想シーンが毎回多くて大変だったのでは?-

「そう。回想シーンが多かったですからね。三つの家があってそこでそれぞれの生活があるわけなので大変でした。だから、死ぬシーンを撮ったときには、『やっと終われるんだ』って思いました(笑)。

だけど、あれは本当に難しい役でしたね。『何がしたいのか、何が目的なんだろう?』ってずっと考えていました。何でこんなことをしているのかわからない。最初はすごく疑問だらけの作品でした」

-ましてや肉体的な問題を抱えていて、何年も事実婚を続けているのに3人の誰とも肉体関係がないというのですから驚きでした-

「だから本当にある種のクズみたいな男にも思えるし、それをそう思わせないようなお芝居をしていかなきゃいけないと思ったんですけど難しかったです」

-でも、結果的にはいろいろ問題を抱えていた3人が救われたというか、ちゃんと生きていくことになるわけですからね-

「結果的にはそうですけど、あれは今考えても本当に難しい役でした。毎回いろいろ考えて悩みながらやっていましたね」

 

◆ドラマ『おじさまと猫』ではぬいぐるみと共演

2021年、平山さんは、猫の“ふくまる”(声:神木隆之介)と天才ピアニストの“おじさま”(草刈正雄)の日々を描いたドラマ『おじさまと猫』に出演。

おじさまこと神田冬樹は世界的に著名なピアニストだが、妻の死がきっかけでコンサート会場にいると発作を起こすようになり、活動を休止。音楽教室でピアノの先生として働くことに。

ある日、ペットショップで売れ残り心を閉ざしていた猫・ふくまると出会ったことで変化が。お互いになくてはならない大切な存在になっていく。

平山さんは、神田に一方的にライバル心を燃やすピアニスト・日比野奏を演じた。日比野は偶然にもふくまるの姉・マリンちゃんを飼うことになり、神田と猫仲間に。このドラマはふくまるをぬいぐるみにしたことも話題に。

「あれは原作があるので、原作も読ませていただいたんですけど、猫がぬいぐるみですからね(笑)。あのぬいぐるみはすごかったですよ。人間が手で動かしているわけですからね。全部CGで消していましたけど」

-私は毎回楽しく拝見させていただいていました。神木隆之介さんの声もふくまるに合っていましたね-

「そうですよね(笑)。こういうふうになるんだって毎回感心していました。放送が始まる前は、『ぬいぐるみかよ』という声もありましたけど、始まったら意外と合っているなあって」

-平山さん演じる日比野は、ふくまるのお姉ちゃん猫・マリンちゃんを飼うことになるのですが、ぬいぐるみを相手に演じるのは大変だったのでは?-

「そうですね。ぬいぐるみを動かしている方の手を握るわけですからね(笑)」

-2匹に頬ずりしてモフモフしている草刈(正雄)さんと平山さん、ほのぼのして最高でした-

「ありがとうございます。草刈さんがものすごくステキで、いい味を出されていましたよね。現場ではもうみんな笑いながらやっていましたよ。モフモフするときとかね、『モフモフ』って言いながら(笑)」

-劇中、ギターとピアノの演奏シーンがありましたが、それまでやったことは?-

「ギターはちょっとコードだけ練習したことがあったんですけど、エレキギターは弾いたことがなかったので、本当にもう手マネですよね。ピアノもそうでした。動きを見てマネをするという感じで。

できないものをあたかもできるように見せるというのも、役者の仕事なので、視聴者に少しでも『本当に弾いているのかな』って思わせたら勝ちじゃないですか。ですからみんな練習するんでしょうけど、日々そういうのをやっていると引用できるので、役者は何でもやらないといけないんだなあって(笑)」

※映画『シグナチャー~日本を世界の銘醸地に~』
2022年11月4日(金)より新宿武蔵野館ほか全国公開
配給:カートエンターテイメント
監督:柿崎ゆうじ
出演:平山浩行 竹島由夏 徳重聡 山崎裕太 渡辺大 伊藤つかさ 長谷川初範 宮崎美子 榎木孝明

◆初主演映画で日本のワインにハマって…

2022年11月4日(金)、平山さんの初主演映画『シグナチャー~日本を世界の銘醸地に~』が公開される。

この映画は、日本のワイン業界を牽引(けんいん)した麻井宇介(浅井昭吾)さんの想いを受け継ぎ、「日本を世界の銘醸地」にするために奮闘する醸造家・安蔵光弘さんの半生を描いたもの。

「安蔵さんという実在されていらっしゃる方の半生を描くというお話をいただいて、『ぜひ!』という感じでした。

お酒は結構好きで飲むんですけど、ワインに関してはそこまで知らなかったんですよ。それまではウイスキーとかスピリッツとか、他のお酒は結構飲んでいたのですが、ワインは何か難しいイメージがあったんですよね。

ウンチクを述べながら飲むのもイヤだし…というのがあったんですけど、この作品を通じていろんな種類のワインを飲まさせていただいて、いろいろ勉強させていただいたらおもしろいなあって思いました。

実際にお酒、本物のワインを飲みながらの芝居だったので、それは今までにないお芝居でしたね。なかなかお酒を飲みながらお芝居をすることってないじゃないですか。それで、僕は飲んでもあまり顔に出ないので良かったです。顔に出る人は真っ赤になっちゃうので、飲めない人もいるんでしょうけど」

-柿崎監督の前作で麻井宇介さんの思想を受け継いだ若者たちの姿を描いた『ウスケボーイズ』よりも専門的な説明シーンは少なかったですね-

「そうですね。安蔵さんご夫婦の馴れ初めや麻井さんとのつながりとか、わりと人間的なドラマ要素が多かったので」

-撮影はどんな感じでした?-

「撮影は去年(2021年)の夏でしたけど、連日39度越えでしたから、とにかく暑かったんですよ。朝から晩まで気を抜く暇もなくやっていたので、まともに食事もできませんでしたけど、とにかくやりがいのある作品でした」

©2021 Kart Entertainment Co., Ltd

-20代前半から50代まで演じていらっしゃいましたが、20代の初々しい感じもよく出ていましたね-

「ありがとうございます。良かったです(笑)。本当に暑い時期だったのに加え、コロナ禍ですごく感染者が増えている時期だったので心配でしたけど、オール山梨ロケだったので、都内に比べると感染者が少なかったんですよね。だから撮影ができたんでしょうけど、あの時期の撮影はスタッフが本当に大変でした」

-撮影で印象に残っていることは?-

「醸造家の仕事も経験させていただいたので、ワインがどのようにしてできるのかわかりましたし、醸造家としての経験ができたことはすごく楽しかったですね。おもしろかったです」

-初主演ということでプレッシャーはありましたか?-

「あったんですけど、本当にどんどんどんどん撮っていたので、そういうプレッシャーを感じる暇がなかったという感じでした。それも順撮りで撮っていただいたのもあって、気持ちの入れ方もすごくスムーズに段階を踏んでできました。

監督やスタッフ、出演者もみんなすごくいい感じで、天候にも恵まれていましたね。雨が降っていいときは降るし、晴れなきゃいけないときは晴れるという感じで、映画の神さまが味方してくれていると思いました」

-「ニース国際映画祭」で最優秀作品賞受賞、おめでとうございます-

「ありがとうございます。うれしかったです。ニースに行って初めてそういう映画祭に触れて、作品賞というのは、本当にみんながいただいた賞なので良かったです。

呼ばれた瞬間、『うわーっ』て興奮しました。でも、あっという間だったんですよね。どんどん続けて賞が紹介されて次々に入れ代わり立ち代わりステージに上がっていったので」

©2021 Kart Entertainment Co., Ltd

-賞の受賞は劇中のシーンと重なりますね-

「そうなんですよ。映画の中でも賞が獲れて、作品も獲れたという最高にうれしいことでした。多くの方に観ていただけたらいいなあと思っています」

-この作品に出演したことで、食事のときにワインを飲んだりすることは?-

「日本のワインをよく飲むようになりましたね。家でも最近はほとんどワインだけです。ほかのお酒はたまに日本酒くらいです」

ちょっと照れながら話す笑顔もステキ。“イケオジ”と人気なのも納得。2022年10月28日(金)には映画『天間荘の三姉妹』(北村龍平監督)の公開も控え、多忙な日々が続く。(津島令子)

ヘアメイク:鎌田順子(JUNO)
スタイリスト:久保コウヘイ

はてブ
LINE
おすすめ記事RECOMMEND