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田中美奈子、話題になった“W不倫ドラマ”で感じたプレッシャー。夫のリップサービスから週刊誌に「離婚の危機」

『君の瞳に恋してる!』(フジテレビ系)、『ゴリラ・警視庁捜査第8班』(テレビ朝日系)、『もう誰も愛さない』(フジテレビ系)、映画『眠らない街 新宿鮫』(滝田洋二郎監督)など多くのドラマ、映画、CMに出演してきた田中美奈子さん。

『涙の太陽』で歌手デビューも果たし、超多忙な日々の中、1999年には動物愛護団体elf(現・NPO法人Ever Lasting Friends)を立ち上げる。さらに人間だけでなく、犬や猫にとって居心地のいい居住空間を目指して動物共生型マンションもプロデュース。パラオ共和国観光親善大使、夫で俳優の岡田太郎さんとともにご夫婦で日本RV協会公式「キャンピングカーアンバサダー」に就任。

キャンピングカーライフに特化したオリジナルブランド「MOIMOI」も始動するなど幅広い分野で活躍を続けている。

 

◆15年来家族ぐるみの付き合いを経て結婚

2007年、田中さんは15年来家族ぐるみの付き合いをしていた7歳年下の俳優・岡田太郎さんと結婚。2008年に長女、2009年には長男が誕生する。

-ご結婚されて15年目になるのですね。もともとはご近所さんだったとか-

「はい。私が25歳のときに主人の実家のすぐ近くに引っ越して、最初は彼のお姉さんと仲良くなったんです。私が引っ越したときは、主人はアメリカに留学中で、帰国前からすでに家族ぐるみのお付き合いが始まっていました。

彼は7歳年下だし、アメリカに留学していたから、私のことをあまり知らなかったんですよね。それから8年後の2007年に彼から『今、彼氏はいるんですか』というメールが来て、2人でご飯に行くようになったんです。

それで『付き合って欲しい』と言われたんですけど、最初は『冗談でしょ!?』って。それから3カ月後には結婚していました(笑)」

186cmの長身の岡田さんと田中さんはとても絵になるカップル。東京ビッグサイトで行われたイベント「東京キャンピングカーショー2022」でもステージ上の田中さんと岡田さんの掛け合いが自然でとても微笑ましかった。

「イベントには娘と息子も来て、同級生のママ友もみんな来てくれました。家族ぐるみでいろんな家族と仲良くできるのがうちの家族の特徴です。今は令和なんですけど、うちは3世代で住んでいるので、サザエさん状態。近所では、私は『サザエさん』って呼ばれているんですよ(笑)。おせっかいなんです。

一人暮らしをしているおうちにご飯を持っていってあげたりとか、『じいじが釣りをしてきておいしいお寿司を作ったから食べて』って持っていったりとか(笑)」

 

◆結婚5年目にドロドロのW不倫ドラマに主演

田中さんは、2012年に昼ドラ『幸せの時間』(フジテレビ系)に主演。男と女の愛欲を題材にしたドロドロの不倫ドラマとして話題に。

「私が主演のプレッシャーを感じたのは、『幸せの時間』です。ドロドロのW不倫だし、主人公がちょっと私の中にはないキャラクターだったので、そこに寄せられなくてすごく苦しみました」

-まったく共感できないキャラだったわけですね-

「はい。原作者に怒られちゃうんですけど、共感するのがなかなか難しくて苦しかったです」

-そういうときはどうやって自分の気持ちと折り合いをつけるのですか-

「救われたのは周りのキャストがよく知っている人たちばかりだったんですね。まず旦那役が西村和彦くんだったのが一番ホッとしたところで、あと柳沢慎吾ちゃんもいたので、そこは大きかったです。

二人とも私のキャラを知っているので、全然違う話を本番前までしているんですよ。『15秒前』って言われてもまだしゃべっていて『5秒前』って言われてからみんな『シーン』ってなるという感じで(笑)。

そういう意味では気兼ねなくできたのでよかったです。ただ、ニッシー(西村和彦)とのラブシーンは照れました。プライベートなことも含めていろんなことを知っているし、あらためてそういうシーンをやったことがないので、『どうするかね?』って(笑)」

-ドロドロのW不倫の話で話題になりましたね-

「そうですよね。子どもを幼稚園に行かせるためにタクシーに乗っていたときにラジオで『今、昼ドラの「幸せの時間」が話題ですね。あのドラマが始まるとスーパーから主婦がいなくなるって言われているんですよ。主役の女優さんは、あまりにもドロドロで夫婦関係にヒビが入るんじゃないかということで大変みたいですよ』みたいなことをお話されていて、『そうなの?』なんて思いながら聞いていました(笑)」

-実際に取材されたりしたのですか?-

「取材されました。家まで記者の方が来られて、うちの主人が『奥さんがあんなドラマをやっていていいんですか?夫婦仲は大丈夫なんでしょうか?』って聞かれて、『あまりよくないです。気持ち的にイヤですね』みたいなことをリップサービスで言ったら、『離婚の危機』って、結構いろいろ書かれていたみたいです(笑)。

私はそれよりもセリフを覚えるのが大変だったので、全然知らなかったです。『そうなの?』という感じで(笑)。セリフの量でいうと、あれが一番大変でした。『私はこんなに出なくていいんですけど』って。

一番最悪だったのが、お稽古までにセリフを覚えるじゃないですか。それがお稽古に行くと台本が全部変わっているんですよ。監督の直しで全部変更になっているんです。

そうすると1回セリフが全部入っちゃっているから、それが出てきちゃうんですよ。上書きするのが大変なんですけど、毎回それでした。頼むから製本する前に監督と打ち合わせをしてよって。本当にあれはキツかったです。昼ドラはもうカンベンしてと思いましたからね(笑)」

-2015年に『新・牡丹と薔薇』(フジテレビ系)にも出演されましたね-

「そうなんですよ。もう卒業って言ったのに、『ちょっと付き合いでやってくれ』って言われて。それもすごいセリフが長いのがあって、『来た、来た、来た!』って思いました。本当に昼ドラは大変でした。

緑山に泊まり込んでやっていましたけど、午前3時くらいまで撮影して、終わって着替えてシャワーを浴びて4時くらいに次の日に撮影する台本をチェックして寝ると、5時に掃除が始まるんですよ。それで起きちゃう。だから1時間くらいしか寝ないで、また次の日の収録みたいな感じでした」

-よく倒れませんでしたね-

「気合いです!(笑)。西村くんと私に監督が、『降りようと思いませんでしたか?』って言われました(笑)。仕事を降りるなんて私たちはまったく考えてなかったのでキョトンとしていたら、『信じられない』って驚かれていました(笑)」

 

◆動物愛護活動、動物共生型マンションのプロデュースも

子どもの頃からケガをした犬や猫を保護して一緒に暮らしていた田中さんは、1999年に動物愛護団体elf(現・NPO法人Ever Lasting Friends)を立ち上げた。さらに人目線ではなく動物目線で、犬や猫にとって本当に居心地のいい居住空間をプロデュース。保護活動や譲渡会も行っている。

「マンションの共有部分にはワンちゃんの足洗い場やトリミングルーム、ペットホテルも設けて。日本初の動物共生型のマンションということで海外メディアの取材をいくつも受けました。

動物愛護団体elfは、今はNPO法人ですけど、この間も福島と秋田に視察に行ってきました。これからそれこそ地方創生とか雇用問題等絡めた大プロジェクトを展開しようと思っています」

-現在はワンちゃんと一緒に暮らしているのですか-

「犬と猫と、うちの母のほうには17、8歳の保護猫が2匹います。主人も息子も猫アレルギーなんですけど、長毛だと大丈夫だということがわかったので。もともと長毛も飼っていたんです。キャンピング旅行の帰りに浜松で出会った子(猫)がいて、その子はちょっと心臓肥大で病気を持っている子なんですけど、今は我が家の子になっています。

家にいるポメラニアンとチワワのミックスの子もペットショップで売れ残っていたので、その子を連れて帰ってきて家にいます。主人と息子はときどきアレルギーが出て『痒い』って言いながら可愛がっています。みんな動物が大好きなので。同じ生き物、命ですからね、動物を守る活動も続けていこうと思っています」

2020年からご夫婦で日本RV協会公式「キャンピングカーアンバサダー」に就任。エアコンや電子レンジ、冷蔵庫、ベッドが3カ所にあるナッツRVの「クレア」で家族4人、全国各地を駆け回っているという。

「キャンピングカーも趣味が高じてという感じです。パラオ共和国の観光親善大使もやっているんですけど、パラオが大好きで何度も通っていたことが、親善大使になっていろんな活動につながっていっています。

キャンプは、私が小学生のときに叔父が牽引型のトレーラーで河口湖に連れていってくれてすごく楽しかったんです。だから絶対に自分の子どもにも体験させてあげたいと思っていたんですよね。

それで、主に夏休みを利用してキャンピングカーで旅行しています。2020年には九州を3週間かけて回って、2021年は約1カ月かけて北海道を回りました。運転が好きなので、300キロぐらいだったら平気で運転しますよ。

家族4人でホテルに泊まったら1泊4万~5万かかりますけど、キャンピングカーだと2000円~5000円くらいで済むので、浮いたお金で訪れた土地のおいしいものを食べたり、温泉に入ったりして楽しんでいます」

-アウトドア派なのですね-

「そうなんですよ。私のイメージは夜の女性と思われていましたけど、実は自然の中にいるのが大好きなんです。それに今の時代は何があるかわからないので、いざというときにシェルターにもなるキャンピングカーは重要だと思います。ソーシャルディスタンスも保てますし、有事のときも保存食などを準備しておけば、家族4人で1カ月くらいは過ごせるので」

田中さんは、女性目線のキャンプグッズなどを作るために立ち上げた「MOIMOI」というブランドを立ち上げ、環境に優しい食器、アメニティグッズ、ウェア、石鹸、ボディーソープ、エコバックなど幅広く展開。

「キャンプグッズって機能性重視で、色合いも自然に馴染むものとか男性目線で作られているものが多いんですよ。今は結構キャンピングカーもママが主導して行くことも多いので、女性目線のものが欲しいので作ることにしました。

私が持っていた木の器はものすごく重くて、それが家族4人分だと本当に重たくなっちゃうので、軽くて子どもたちもお手伝いが容易にできるようなものを作りました。

温泉とかに立ち寄る方も多いと思うので、そういうときのシャンプーとか洗顔石鹸、ボディーソープなどのアメニティーやウェア、エコバックなどなど、いろいろな分野にそれぞれスペシャリストが集まってきているので、結構すごい展開になっています。

石鹸や洗剤も海綿活性剤をなるべく抑えて作るようにして、赤ちゃんからお使いいただけるし、流しても自然に還っていくような素材のものがラインナップとして出てくる予定です」

-バリバリの実業家という感じですね-

「そうですか(笑)。楽しく生きたいんですよね。いつ何が起きるかわからない世の中だから、なおさらやりたいことを好きな人たちと一緒にやりたいと思っていたら、たまたまいろんな形になったという感じです」

-ご結婚されて変わったことはありますか-

「そうですね。やっぱり子どもというのは、自分の命に代えても守りたい存在で、そんなものってないじゃないですか。家族ができるということは、こんなに幸せなことなんだなって。『この家族が笑顔でずっといられるにはどうしたらいいんだろう?』って、そのためにキャンピングカーの旅を体験させたりしているんです。

本当に皆さんがウィンウィンになることをしなきゃいけないと思って。地方創生もそうだし、動物という弱い立場の命を守ること、また障害者の方たちの雇用とか、地方に人が集まらないこと…そういったことも含め、みんなが笑顔になるプロジェクトを考えていて。

自分だけよければいいんだったら意味がないんです。みんながやってよかった、参加してよかったって思えるプロジェクトにしたいと思っています」

デビュー時に1億円の保険をかけたことが話題を集めた“瞳”がひときわ美しく輝く。将来は家族4人でキャンピングカーのアメリカ横断も考えているという田中さん。忙しい日々がまだまだ続く。(津島令子)

ヘアメイク:佐々木広美

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