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第10戦、舞台は風光明媚なドイツ。前戦勝利のトヨタはターマックで結果出せるか?【世界ラリー(WRC)】

FIA世界ラリー選手権(WRC)の2017年シーズン第10戦「ラリー・ドイチェランド」が、8月17日~20日にかけてドイツ西部にあるボスタール湖のほとりを中心に開催された。

©WRC/無断転載禁止

ボスタール湖と聞いても場所がピンとこないかもしれないが、ドイツの古城街道のスタート地点として有名なマンハイムからは西にクルマで130km、マンハイム隣国ルクセンブルクからは東に向かってクルマで100キロほど走ったあたりにある湖だ。

そして、前戦の「ラリー・フィンランド」とは打って変わって、今度はターマック(舗装路)が舞台となる

©WRC/無断転載禁止

ラリー・ドイチェランドの初開催は、1982年。WRCには2002年から加わっている比較的新しいラリーだ。

ターマック(舗装路)と聞くと峠道や多少広い道を想像するが、実際のラリー・ドイチェランドは、ワイン畑の農道を走ったり、高低差があるのどかな風景をバックに走ったりと、風光明媚なラリーのひとつとして知られる。そして今年の初日は、フランスとの国境に近いザールブリュッケンでスーパーSSを開催する。

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前戦のラリー・フィンランドは、北欧ドライバー、とくに(地元フィンランド人ドライバーの代名詞である)“フライング・フィン”が圧倒的に強いラリーだったが、ここラリー・ドイチェランドは、王者のセバスチャン・オジェ(フォード)が過去3度勝利を上げ得意としている。他にはティエリー・ヌービル(ヒュンダイ)とダニ・ソルド(ヒュンダイ)も勝利を挙げた

一般的なターマック(舗装路)ラリーでは、タイヤのグリップを最大限に生かした走りが出来るドライバーが強いが、ここラリー・ドイチェランドはサイドターン(サイドブレーキを引いてクルマをその場でスピンさせるようにして小さく回る運転技術)を使用するコースなどもあり、一概にターマック(舗装路)に強いドライバーばかりが勝てるとは限らない。

©WRC/無断転載禁止

今回、このラリー・ドイチェランドに力を入れているのが、シトロエンだ

現在、マニュファクチュアラーランキングで4位と苦しんでいる彼らだが、ここラリー・ドイチェランドに向けて、前人未到のWRC9連覇を達成したセバスチャン・ローブをターマック(舗装路)テストのドライバーとして起用した。果たして、ローブのアドバイスが新たなマシンセッティングの力となるのか、興味は尽きない。

そして、前戦のラリー・フィンランドに勝利し、ここラリー・ドイチェランドにも密かに自信を見せているのがトヨタだ。チーム代表のトミ・マキネンは、ラリー・フィンランド終了後の記者会見で「次もまずまずいけると思う」と語り、ターマック(舗装路)にもヤリスWRC(日本名:ヴィッツ)が対応できていることを明らかにした。

シェイクダウンを行ったトヨタのエース、ヤリ‐マティ・ラトバラはこう語る。

「テスト内容は良かった。あとは僕たちが相対的に速いことを願うよ。チームとして連続表彰台を狙っていきたい。トヨタはまだまだターマック(舗装路)でのデータが必要だ。ライバルたちに比べるとデータ量が少ないんだ。そして、ラリー・ドイチェランドはとても難しいラリーのひとつ。でもマシンはいい感じなので、ここで表彰台が取れたら本当に嬉しいね」

前戦のラリー・フィンランドではトヨタは1位と3位で表彰台を獲得したものの、ラトバラ自身は悔しいマシントラブルに遭っただけに、ここラリー・ドイチェランドでは雪辱を果たしたいところ。

チャンピオンシップ争いにも影響が出てきたシーズン後半戦、果たしてどんなラリーとなるのか楽しみだ。<文/田口浩次(モータージャーナリスト)>

 

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