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初優勝したトヨタのエサペッカ・ラッピ。年齢でみるその可能性【世界ラリー(WRC)】

7月27日~30日に開催された、FIA世界ラリー選手権(WRC)2017年シーズン第9戦の「ラリー・フィンランド」。

平均時速がシーズン最速となるこの超高速ラリーを制したのは、トヨタから3台目として出場したエサペッカ・ラッピだった。

©WRC/無断転載禁止

WRC初出場からわずか4戦目、26歳の若者ラッピが今回記録した勝利は、どのような意味をもつものなのか?

WRCの記録を紐解くと、もっとも若いドライバーの優勝記録は、2008年のラリー・スウェーデンでヤリ‐マティ・ラトバラが記録した22歳と333日。今回のラッピの記録は26歳と194日で歴代14位となっている。

このラッピより約1カ月早い記録を持つのが、歴代13位の王者セバスチャン・オジェ(26歳164日)だ。

他に歴代の王者を見ると、カルロス・サインツは28歳と55日(1990年ラリー・ギリシャ)、ペター・ソルベルグは27歳364日(2002年ラリー・グレートブリテン)、セバスチャン・ローブは28歳180日(2002年ラリー・ドイチェランド)と、歴代の名ドライバーたちと比較してもラッピの記録は輝かしいことがわかる。

©WRC/無断転載禁止

そして、“フライング・フィン”としては15人目の勝利経験者として、フィンランドのヒーローとなった。マーカス・グロンホルム(30勝)、トミ・マキネン(24勝)、ユハ・カンクネン(22勝)と、そうそうたる名前が並ぶなかに、フライング・フィン178勝目の勝利を挙げたドライバーとしてラッピの名前が刻まれたわけだ。

しかもフライング・フィンは、この15名のうち実に6名が王者経験者。つまり、次のフライング・フィン王者候補であるトヨタのラトバラとともに、次世代王者としての可能性を感じさせる

F1は最年少優勝記録(マックス・フェルスタッペンで18歳228日)や最年少王者記録(セバスチャン・ベッテルで23歳134日)が非常に若いが、WRCの最年少王者記録を見ると、1995年シーズン王者のコリン・マクレーが27歳109日とあり、やはりWRCの方がより経験値を必要とするモータースポーツなのだと感じられる。

となれば、現在26歳で、18年振りの参戦でいきなりトップチームの一角を占めるまでの力を発揮しているトヨタでならば、ラッピは本当に近い将来に王者になるかもしれない。

次戦の舞台は、ドイツ。ラッピに引き続き注目したい。<文/田口浩次(モータージャーナリスト)>

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