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古村比呂、海外ロケ前日に発覚した“がんの疑い”。お風呂で涙…シングルマザーとして「どうなっちゃうんだろう」

連続テレビ小説『チョッちゃん』(NHK)でヒロインをつとめ、一躍人気者となり、数多くのテレビ、映画、舞台、CMに出演してきた古村比呂さん。

1992年、26歳のときにテレビドラマで共演した俳優・布施博さんと結婚。3人の男児が誕生し、一時は女優業を休業して子育てに専念していたが、2009年に離婚。シングルマザーとして息子3人を育てながら女優業に復帰することに。

 

◆女優業一時休業。子育て中心の生活から別居、離婚へ

古村さんは、1992年に長男、1993年に次男、1997年に三男を出産。息子3人の子育ては楽しくも超多忙な日々だったという。

「長男を産んだときは、出産2カ月後に芝居を再開して、ドラマの仕事と並行して舞台の仕事も入れていたのですが、喉に痛みと違和感があって救急病院で診てもらったら化膿性急性扁桃腺と診断されて10日間入院することになってしまいました。

結局舞台はキャンセルになってしまったので、本当に申し訳ないことをしてしまいました。そのときにお芝居と子育てとの両立は難しいと痛感して、将来また女優をやれるように、子どもが小さいうちは女優業を休んで子育てに専念することにしたんです」

-男の子が3人だと大変だったでしょうね-

「どんな子育てをしたのかって、よく聞かれるんですけど、あまり覚えていないんです。とにかく必死でした」

1995年、古村さんに『母と子のテレビタイム』(NHK教育テレビ)の進行役のオファーが。この番組は、ネコのキャラクター「ニャンちゅう」と古村さん演じる「ひろおねえさん」がコミカルなやりとりをしながら進行するというもの。

「子育て一色になりかけていたので、とてもうれしかったです。うちの子たちも大好きな番組だったし、近所の子どもたちにも『ニャンちゅうは、今どうしているの?』なんて声をかけられることもよくありました」

結婚15年目となる2006年、古村さんは3人の息子さんとともに家を出て別居生活を送ることに。

「家を出ることになるまでには、世間を騒がせたトラブル、すれ違い…本当にさまざまな要因がありました。別居をしたあとの1年あまりは記憶があまりないんです。3人の子どもを抱えてどうやって生きていけばいいのか、不安でいっぱいでした。死んじゃおうかと思ったこともありました」

別居から3年、息子さんたちの了解を得て古村さんは、家庭裁判所に離婚調停を申し立て、2009年4月に離婚が成立する。

 

◆14年ぶりの検診でがんの疑い

3人の息子さんを抱えるシングルマザーとなった古村さんは、一家の大黒柱として忙しい毎日を送ることに。

-お子さんたちは離婚という状況を理解していたのですか-

「理解していました。それで3人は私と暮らすことになったんです。別居してから離婚しようというまで3年ぐらいありましたけど、子どもたちのことで揉めたりすることはなかったです」

-3人のお子さんを育てながらお仕事もというのは大変だったのでは?-

「そうですね。ブランクもあったので大変でしたけど、結構子どもたちも協力してくれて、家事などもできることはしてくれました。

息子たちからは、『うちはお父さんがいないんだから、ママがお父さんの分までやらないといけないんだよ。そんな叱り方じゃ甘い!もっと厳しく叱らないと』とか、すごい言われました(笑)。

息子たちには私が女優だと言ってなかったので、ニャンちゅうとテレビに出ていることは知っていましたけど、お芝居をやっているということは本当に知らなかったんですよね。

『チョッちゃん』の再放送が流れたときに友だちから言われて『お母さんに似ている人が出ている』って言うから『ママだよ』って(笑)。そんな感じだったので、私がまたお芝居をやるということに息子たちもどう対応していいのか戸惑っていて、『おーっ、やるんだ』って言っていました(笑)」

-家事もいろいろされて本当に良い息子さんたちですね-

「そうですね。うちはあまり親とか子とか、そういう立ち位置はないんです。私は兄弟だからとかお兄ちゃんだからというようなことに抵抗がある人だったので、シェアハウスじゃないけれど、そういう感覚でみんなフラットな関係かもしれないですね」

2011年12月、古村さんはテレビ番組のロケでアフリカ南西部のナミビア共和国を訪れることに。海外に仕事で行くとホルモンバランスを崩してお腹(なか)が痛くなることがあるため、薬を処方してもらうために近所の産婦人科クリニックに行ったという。

「3番目の子どもを産んでから14年経っていて、その間検査をしていなかったので、子宮頸がんの検査を受けてみたらどうかと看護師さんに言われて、ついでだからと軽い気持ちで受けたんです。

それで2週間後に検査結果を聞きに行ったら上皮内がんの疑いがあるから精密検査をする必要があると言われて。それがナミビアロケに出発する前日でした。

最初は検査が間違っていると思ったくらいです。痛みも何もないし、元気でしたからね。そんな結果が出るとは思っていないから、ロケに出発する前日に検査結果を聞いて、気持ちよくナミビアに行こうと思っていたんですよね」

-お子さんたちには話したのですか?-

「いいえ。その日は話しませんでした。いつもと変わらず普通にみんなでご飯を食べて過ごしました。でも、夜お風呂に入ったとき、涙が出て止まらなくて…泣きました。シングルマザーとしてどうなっちゃうんだろうって不安でたまりませんでした。

それで次の日、一晩経って少し落ち着いたので精密検査を受ける病院を決めて、年明けの1月5日に精密検査を受ける予約をして、予約が取れたことを産婦人科クリニックに報告してからナミビアに出発したんです」

 

◆ナミビアでの出会い。そして精密検査で子宮頸がんが発覚

古村さんは真冬の日本から20時間以上かけてナミビア共和国へ。日本から遠く離れた場所に住む日本人を探して会いに行くという番組のロケだった。

「たまたまロケのコーディネーターの方が偶然にも私と同じ子宮頸がんで、彼女の存在が大きかったです。『年に1度は日本に検診に行っているけど、怖がってばかりいるよりも、今を楽しく悔いなく生きたい』って。私はがんになったらおしまいだと思っていたんですけど、彼女と出会ったことで、そうではないということに気がつきました」

-すごいタイミングでの出会いでしたね-

「本当にそうでした。向こうでは情報も何も入ってこない。空を見ているだけ。10日間だったんですけど、あれこれいろいろな情報が入ってきて惑わされるよりは良かったのかなって思います。

それと、ナミビアの圧倒的な自然の中でいろんな経験ができて、大地の中で叫ぶことができたんですよね。もちろんそのときの状況をスタッフには言わなかったですけど、何か暇さえあれば叫んでいました(笑)。大声で叫ぶなんて普段はあまりできないですからね」

-帰国されてからは?-

「やっぱり不安はありました。帰ってきたときがちょうどクリスマスくらいで、それから年末の大掃除とか年明けの行事が毎年あるじゃないですか。そういうのをすると、何かいろんな意味で整理整頓をしている気がしちゃうので、そのときは本当に何もしませんでした」

古村さんは、1月5日に受けた精密検査で子宮頸がんがわかり、2月2日に「子宮頸部レーザー円錐切除術」を受けることに。

「膣のほうから入れてレーザーで取るという簡単な手術だったんですけど、その組織検査の結果、がんの一部が縦に浸潤していることがわかって、子宮全摘出術が必要だと言われました」

-お子さんたちにはどのように?-

「病院から帰った日の夜に話しました。子宮を全摘すると話したら息子たちも『えっ?何で?元気にしているじゃん』って戸惑っていましたけど、3番目の息子が『早くわかったなら、早く取っちゃって元気になったほうがいいよ』って言ったので、そうだなあって」

3月13日、古村さんは「広汎子宮全摘術」を受けることになり、そのことをブログで公表する。手術は6時間に及んだという。

-どのぐらい入院されていたのですか-

「予定では2週間と言われていたのですが、私は10日くらいで退院できました。検査の結果、転移は見つからなかったし、抗がん剤治療も放射線治療も必要ないと言われてホッとしました。

早く仕事をしたかったので、6月くらいから少しずつ仕事をはじめて、手術から約5カ月後には朗読劇『この子たちの夏 1945・ヒロシマ ナガサキ』でお芝居の仕事も再開しました」

順調に回復して仕事も再開した古村さんだったが、2013年、手術の後遺症のリンパ浮腫を発症。そして術後5年目となる2017年、がんの再発が明らかに…。

次回後編ではリンパ浮腫の手術、抗がん剤と放射線治療、2022年5月6日(金)に公開される映画『パティシエさんとお嬢さん』、3月に発売された著書『手放す瞬間(とき) 子宮頸がん、リンパ浮腫と共に歩んだ私の10年』も紹介。(津島令子)

※『手放す瞬間(とき) 子宮頸がん、リンパ浮腫と共に歩んだ私の10年』
著者:古村比呂
発行:KADOKAWA
2012年に子宮頸がんが発覚、5年目に再発、そして再々発。その間リンパ腫にも悩まされた。がんとともに生きてきた10年の日々を綴る。

銀泥/一迅社©2022「パティシエさんとお嬢さん」製作委員会

※映画『パティシエさんとお嬢さん』
2022年5月6日(金)公開
配給:トリプルアップ
監督:古厩智之
出演:崎山つばさ 岡本夏美 増田俊樹 横田龍儀 越智ゆらの 古村比呂 村井良大
パティシエの丈士(崎山つばさ)が働く店に毎週金曜日にスイーツを買いに来る名前も知らない女性客(岡本夏美)。お互いに惹かれ合いながらも恋愛に奥手な丈士は、彼女に名前を聞くこともできず…。

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