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古村比呂、「本当に信じられなかった」朝ドラヒロイン決定。直前にはショックな出来事「東京は恐ろしいところだ」

1987年、黒柳徹子さんの母・朝さんの半生を描いた連続テレビ小説『チョッちゃん』(NHK)でヒロインをつとめ、一躍人気者となった古村比呂さん。

映画『・ふ・た・り・ぼ・っ・ち・』(榎戸耕史監督)、『ご存知!旗本退屈男』(テレビ朝日系)、『世界ふしぎ発見!』(TBS系)、舞台『フィガロの離婚』など多くの映画、テレビ、舞台に出演。1992年に結婚し、3人の男児の母になるも2009年に離婚。シングルマザーとして子育てと仕事で多忙な日々を送っていた2012年、子宮頸がんが発覚。手術後、リンパ浮腫、がんの再発、再々発を経験。

2022年3月30日に著書『手放す瞬間(とき) 子宮頸がん、リンパ浮腫と共に歩んだ私の10年』(KADOKAWA)を出版。5月6日(金)にはヒロインの母親役を演じた映画『パティシエさんとお嬢さん』(古厩智之監督)の公開が控えている古村比呂さんにインタビュー。

 

◆大好きだったバレエ。「ひとりでは踊れない…」と断念

北海道江別市で生まれ育った古村さんは、小さい頃は人見知りが激しくて内気な女の子だったという。

「『みんな私を見ないで』という感じで、人前に出て何かをするのは大嫌いでした。小学生の頃から通知表に『内気でおとなしい』とか『もっと意見を述べましょう』と書かれていたので、『これはよくない、マイナスの性格なんだなあ』ってコンプレックスになったんですよね。

姉がクラシックバレエを習っていたので、私も5歳から習いはじめて、練習は一度も休んだことがないほど踊るのは大好きだったんですけど、発表会になるとダメで…。

小学校1年生のときに発表会でソロパートを任されることになって、決まったときはとてもうれしかったんですけど結局できなかったんです。みんなが周りにいて真ん中で踊ろうとすると、からだが動かない。みんなと一緒だと踊れるのにソロだとどうしてもダメで、結局私のソロパートはなくなりました」

-残念でしたね-

「でも、ホッとしました。注目されるのがイヤで、空気に馴染んでいるだけでいいという感じの人だったんですよ(笑)。ずっとそういう感じでした。姉は私と反対で見られることがとても好きで、伸び伸びとやっていて、私の中では『姉の年齢になったら私も変われる』と、ずっと思っていたんです。

食事のときも母と姉がいっぱいしゃべって私は聞き役。でも、姉の年齢になったら、私はしゃべれるって思っていたんですけど、ずっとずっと聞き役のままという関係性でした」

-子ども心に苦しいというのはありました?-

「子どものときには全然。リカちゃん人形とかで遊んで満足していたので、しゃべれないことは別に苦じゃなかったです。

ただ、感じなくてもいいことまで感じちゃうようなところはあって、どう見られているのかわかっちゃうといったら変ですけど、『良い子でいたほうがみんな喜ぶんだろうな』とか、そういうことに疲れちゃうというのはありました」

※古村比呂プロフィル
1965年11月24日生まれ。北海道出身。1985年、『派手~ずナイト』(HTB)に出演。1987年、連続テレビ小説『チョッちゃん』(NHK)でヒロインに抜てきされ、大河ドラマ『武田信玄』(NHK)、『サチのお寺ごはん』(メ~テレ)、『トットちゃん!』(テレビ朝日系)、映画『カノン』(雑賀俊朗監督)、朗読劇「『この子たちの夏』1945・ヒロシマ ナガサキ」など多くの映画、テレビ、舞台に出演。自身の経験を綴った著書『手放す瞬間(とき) 子宮頸がん、リンパ浮腫と共に歩んだ私の10年』(KADOKAWA)を2022年3月に出版。一般社団法人「HIRAKU 人にやさしいプロジェクト」代表理事として、がん・リンパ浮腫とともに歩む女性の応援活動も行っている。

 

◆短大に進学直後に休学。地下鉄のポスターに

高校卒業後、古村さんは養護教諭の資格が取れる地元の短期大学に進学する。しかし、最初の授業が行われた日に、そのまま養護教諭になるのが怖くなってしまったという。

「大勢の女子学生がいたのですが、みんなすごくうれしそうで、自分が何をやりたいのかまだわからないまま入学した私とは明らかに違っていました。

『このまま何も社会経験もない私が先生になってもいいのだろうか?』って思ったら、もう学校には行けなくなってしまいました。両親には留年が決まったときに話して、1年間休学していろいろなことを経験して自分を試してみることを許してもらいました。自分が変わるとしたら、このときしかないと思ったんです」

休学することになった古村さんは、洋服店や宝石店などでアルバイトをしながら自分が何をやりたいのか模索していたという。そんなとき、地下鉄のポスターのモデルの話が。

-スカウトされたときは?-

「短大を休学していて何かやろうと思っていたときだったので、やってみようという思いしかなかったです」

-初めての撮影はいかがでした?-

「最初の撮影が家の近所で慣れている場所だったので緊張はしなかったです。外での撮影は楽しかったですけど、宣材(宣伝材料)とかスタジオでの撮影は苦手でした」

-ご自分のポスターが地下鉄に貼り出されたときはいかがでした?-

「不思議でした。自分じゃないような感覚ですよね。しばらくして新たなポスターのお話をいただいて、2回目の撮影をしました」

それから間もなく、ポスターの撮影カメラマンから新しくスタートするテレビ番組のアシスタントのオーディションを受けてみないかと言われたという。

「地元のテレビ局のローカル番組だったので、オーディションを受けてみることにしました。司会は高田純次さんだったんですけど、私は高田さんのことをよく知らなかったんです。

オーディションの後、いつも行く喫茶店に行こうと思って信号待ちをしていたら、向こうから目がギョロっとしたおじさんが来て、『どこかいい喫茶店はありますか?』って聞かれたので、『今から行くので』と言って、そのお店に連れて行ったら高田純次さんだったんです。

それで、『私今オーディションを受けてきたんです』って言ったら、『僕が司会です』って(笑)。びっくりしました。まさか本人に会うとは思わなかったので。高田さんのことを知っていたら、いいリアクションしたんでしょうけど知らなかったので、今思うと失礼ですよね(笑)」

1985年、オーディションに受かった古村さんは、月に1回、土曜日深夜に生放送されるバラエティ番組『派手~ずナイト』(HTB)のアシスタントをつとめることに。

-番組をはじめたときにはどうでした?-

「緊張しました。東京の人は空気がみんな違うので(笑)」

-司会の高田純次さんをはじめ、景山民夫さん、井筒和幸監督、栗田貫一さん、泉谷しげるさん、高田文夫さん…豪華なメンバーでしたね-

「そうなんです。景山さんをはじめ、『北海道では楽しい収録がある』と言っていました。時代だと思います。本当にもう放送できないことをやっていましたからね(笑)」

-番組をやりはじめて芸能界で仕事をしていきたいという思いは?-

「北海道に景山さんが奥さまといらしていて、『おもしろい顔をしているね。芸能界に興味ない?』って言われて、やってみたいというよりはのぞいてみたいと思いました」

-最初は軽い気持ちで?-

「はい。『東京に見学に来ない?』って言われたので、一人で東京に行って景山さんのマネジャーさんのおうちにお世話になって、わけがわからないまま宣材を撮ってCMのオーディションを受けたら受かったんですよ(笑)」

-オーディションを受けると受かっていますね-

「田舎のお姉ちゃんが不思議だったんだと思いますよ(笑)。CMの撮影まで1カ月くらいあったので、一度北海道に帰って、とりあえずオーディションに受かったからまた東京に行くという感じでした。

『派手~ずナイト』が終了となったのを機に、3月にとりあえず1年間やってみてダメだったら戻るという約束で本格的に東京で暮らすことになりました。父は『お前には東京の水は合わん』と言って、ずっと反対していましたけど」

-お仕事はいかがでした?-

「刺激的で楽しかったです。何か自分が認められているという感じがしましたし、表現をすることで自分が変われるなあって思いました」

 

◆連続テレビ小説『チョッちゃん』のヒロインに

東京で暮らしはじめた古村さんは、本名を付けてくれた祖父にお願いして「古村比呂」という芸名を考えてもらったという。原宿の家具店でアルバイトをしながら1年間という期限付きの挑戦を続ける中、古村さんは「クラリオンガール」の準グランプリに選ばれる。

「準グランプリに選ばれたこともですけど、副賞の10万円をその場でもらえたことが本当にうれしかったです。そのとき1000円くらいしか持ってなかったので。

それまでにいくつかCMに出たり、モデルもやっていたのですが、出演料をもらえていなかったんです。どういう風に聞いたらいいのかわからなくて言い出せなくて、いつかもらえるだろうと思っていたんですけど、『童貞物語』(小平裕監督)という映画の撮影中に社長が逮捕されて事務所も解散になってしまいました」

古村さんは会ったことがない社長の逮捕だったが、「東京は恐ろしいところだ」とショックを受けたという。古村さんはマネジャーと所属事務所を移り、挑戦の日々を送ることに。しかし、意に反するアイドル活動に加え、オーディションの不合格が続き、「これがダメだったら北海道に帰ろう」と思って受けたのが『チョッちゃん』のオーディションだったという。

「最初書類選考で、半分くらいになるのかな? それで面接があって、もう一回呼ばれて次に10数人になってカメラテストでした。全部で4回くらいだったと思います」

-自信はありました?-

「全然なかったです。その前に『都の風』(1986年10月から半年間放送した連続テレビ小説)のオーディションを受けていたんですけど、面接で落ちていたので、まさか受かることはないだろうなと思っていました。

これで落ちたら北海道に帰ろうと思っていたので、好きなようにやろうと思って、自作の歌を歌いました。オリジナルの曲だと上手いか下手かわからないじゃないですか(笑)」

-ヒロインに決まったと聞いた瞬間はどうでした-

「本当に信じられなかったです。でも、翌日には記者発表があったので、あまりにも急な展開で熱を出しました(笑)。私はすぐに扁桃腺が腫れるんですよ」

-ご両親にはすぐに報告されたのですか-

「そのときにはまだ言わないでと言われていたので、記者発表のあとで連絡しました。NHKから先に両親には連絡が行っていたみたいですけど、びっくりしていました。反対していた父も『頑張りなさい』ってやっと電話で言ってくれました」

-長丁場でしたけど撮影はいかがでした?-

「最初は本当に緊張しました。記者会見とか取材もあったし、撮影開始までの2カ月間はレッスン漬けの毎日でした。両親が佐藤慶さんと由紀さおりさんで、叔父さん役が川谷拓三さん。

そのときに川谷拓三さんが、『あなたはヒロインですから直球でやるのが1番。うまくやろうとかじゃなく、好きなようにやってください。変化球は僕たちがやるから』って言ってくださったので、すごく安心して撮影に入ることができました」

-元気いっぱいでかわいい女の子というイメージでした-

「北海道ということもあったんだと思います。最初のロケスタートが出身校のすぐそばだったので、子どもの頃に戻れてすごくうれしかったです。高校の担任の先生と生徒が撮影見学に来てくれました」

-母校には垂れ幕があったとか-

「はい、『がんばれ!チョッちゃん』って書いてあってびっくりしました。まさか古村がやるとは思わなかったって(笑)。みんな信じられないって言っていました」

-チョッちゃんを演じられていかがでした?-

「楽しかったです。チョッちゃんという役柄も大きかったと思うんですけど、思うがままに言葉を発するし、すごく喜怒哀楽がはっきりしているというのが、私にはないところだったのですごく楽しかったです」

-撮影はかなりハードだったのでは?-

「そうですね。収録が夜になると電池が切れるときがあるんです。そういうときは変なゾーンに入っちゃって、何度やってもうまくいかなくなってしまうときがありました。

佐藤慶さんと由紀さおりさんが『ゆっくりでいいから』ってすごいフォローしてくださいました。当時は収録も結構遅くまでやっていて、午前2時くらいに終わるのは普通だったと思います。もう疲れすぎてスリッパのまま帰ったりしていたこともありました(笑)」

-『チョッちゃん』に出演されたことで生活に変化は?-

「ありました。田舎に帰っても人が集まってきたりして、それはちょっと戸惑いました。知らない人に声をかけられたり、実家に帰ってひどい格好でボサボサ頭で分厚いレンズのメガネをかけているときに人が訪ねてきて『サインちょうだい』って言われて、親もどう対処していいかわからないということはよくありました。

『こんなひどい格好でボーボーの頭で?』って思って、サインをしながら涙を流しちゃったりしていたこともありました。うれしいことなんですけどどう対処していいかわからなくて。とくに実家に帰ったときなどは、自分はオフモードなので、どう対応していいのか、家族みんなで右往左往していた記憶があります」

『チョッちゃん』で広く知られることになった古村さんは、多くのドラマ、映画、CMなどに出演することに。次回は結婚、出産、離婚、子宮頸がんの発覚、手術も紹介。(津島令子)

※『手放す瞬間(とき) 子宮頸がん、リンパ浮腫と共に歩んだ私の10年』
著者:古村比呂
発行:KADOKAWA
2012年に子宮頸がんが発覚、5年目に再発、そして再々発。その間リンパ腫にも悩まされた。がんとともに生きてきた10年の日々を綴る。

©銀泥/一迅社©2022「パティシエさんとお嬢さん」製作委員会

※映画『パティシエさんとお嬢さん』
2022年5月6日(金)公開
配給:トリプルアップ
監督:古厩智之
出演:崎山つばさ 岡本夏美 増田俊樹 横田龍儀 越智ゆらの 古村比呂 村井良大
パティシエの丈士(崎山つばさ)が働く店に毎週金曜日にスイーツを買いに来る名前も知らない女性客(岡本夏美)。お互いに惹かれ合いながらも恋愛に奥手な丈士は、彼女に名前を聞くこともできず…。

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