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宮崎美子、“奇跡の60代”と絶賛されたビキニ姿。「とても嬉しかった」撮影中の篠山紀信氏の言葉

1980年に芸能界デビューして以降、ドラマ、映画、クイズ番組、舞台など幅広い分野で活躍を続けている宮崎美子さん。

2020年、コロナ禍で芸能生活40周年を迎えることになったが、チャレンジ精神は旺盛。デビューのきっかけとなった篠山紀信さんの撮りおろしで自身初となるカレンダーを発売し、美しいビキニショットが話題を集め、驚異的な売り上げを記録。

さらにYouTubeちゃんねる『よしよし。』も開設。2021年9月には歌手デビュー40周年記念アルバム『スティル・メロウ~40thアニバーサリー・アーカイブス』をリリースするなど、新たな挑戦を続けている。

◆デビュー20年目、ようやく“女優”の入り口に…

デビューするやいなや、ドラマ、映画に引っ張りだこになった宮崎さんだが、20代の頃は社会人の友人を見て不安や焦りを募らせたり、自己嫌悪に陥ったこともあったという。

そんな宮崎さんの転機となったのが、27歳のときに出演した黒澤明監督の映画『乱』。失敗するのが怖くて萎縮していたが、体当たりして恥をかいても、そこから学ぶことで楽になるという術を覚えたという。2000年、“黒澤イズム“を継承する小泉堯史監督の映画『雨あがる』に出演し、日本アカデミー賞優秀主演女優賞をはじめ多くの賞を受賞することに。

映画『雨あがる』は、武芸の達人でありながら、人を押しのけてまで出世することが出来ない心優しい武士・三沢伊兵衛(寺尾聰)と、そんな夫を誰よりも理解し支える妻・たよ(宮崎美子)の心暖まる絆を描いた作品。宮崎さんの凛とした美しい佇まい、不器用な夫を包み込む優しい表情が印象的だった。

「私にとって良いポジションは、2番手3番手くらいの誰かを助ける感じ。だから『雨あがる』は、主人公の夫を助け、支えていることで自分が輝くというポジションがすごく良かったんですよね」

-宮崎さんが演じた、たよさんは本当にすてきな女性でしたね-

「本当にすてきな役で、やっていて幸せでした」

-最後の方で殿様の家臣に『あなたたちのようなでくのぼうには主人の良さはわからない』と啖呵(たんか)をきるじゃないですか。痺(しび)れました-

「そうそう。よく言うなあって(笑)。怖いですよね。あれは台本をいただいたときに痺れちゃったので、あまり覚えないようにしようと思ったんですよ。覚えてセリフとして言うんじゃなくて、大事にしようと思って、あまり台本を見ないようにしていました。それぐらいすてきなシーンでした」

-宮崎さんは日本アカデミー賞をはじめ多くの賞を受賞されて、作品自体もヴェネツィア国際映画祭で緑の獅子賞を受賞し海外でも高く評価されました-

「そうですね。黒澤組のみなさんが集結して、黒澤監督と同じやり方で、ちゃんと扮装してのリハーサルを積み重ねて撮影しました。その期間は事務所もほかの仕事を入れないで3か月くらい空けてくれたので、ずっと集中してやることができました」

-“黒澤イズム”が感じられる作品でしたね-

「現場でもそんな感じでした。どこかで監督が見てらっしゃるんじゃないかという感じがして、みんながそう思っていました」

-終わり方もすてきな終わり方でした-

「そうですね。お殿様たちはやっぱり採用しようということで、一生懸命追っかけて来ているんだけど、どうなるんだろうなという感じで」

-最小限の荷物で旅をしている、たよさんを演じるにあたって、宮崎さんご自身も自宅の家財を処分して最小限のもので生活をしてみたとか-

「そうそう、やってみた(笑)。極端だなぁと思うけど、着物の座り立ちみたいなのもちょっとやっておかないと、なかなか身に付かないというかバレてしまうので、家でもちゃぶ台にして生活していましたね」

-たよさんは、宮崎さん以外は考えられないくらい本当にすてきでした-

「ありがとうございます。とてもうれしい。すてきな作品に巡り会えたなあと思います。我々は、自分で書いたり演出する人は別かもしれないけど、結局何か作品の中で自分に合うもので声をかけていただくのを待つわけなので、そういう作品に巡り会えたというのは本当に恵まれていた。ありがたいことだと思っています。なかなかそういうことってないですから」

-出来上がった作品をご覧になったときはいかがでした?-

「小泉さんの美意識が表われているし、『ああ、黒澤さんだなあ』とも思うし…何かしみじみしました。私は自分のところはドキドキだったんですけど、とてもきちんとしていて、黒澤さんにも見ていただける作品ができあがったんだなあってホッとした感じでした」

-夫役の寺尾聰さんとは、『男はつらいよ 寅次郎の休日』(山田洋次監督)でも共演されていましたね-

「はい。あのときは不倫カップルでしたけどね(笑)。後藤久美子ちゃん演じる泉ちゃんのお父さん役でしたからね」

-それで、寅さんの甥・満男役の吉岡秀隆さんも、『雨あがる』では、たよさんにでくのぼうと言われる一人ですね-

「そう。だから役者っておもしろいですよね」

-『雨あがる』で賞もいろいろ受賞されましたが変化はありました?-

「何かようやく『私は役者、女優って言ってもいいですか?』って、そのときに思いました。デビューして20年目にして、ようやく入り口にたどり着いたかなって」

◆40年ぶりに篠山紀信さんが撮りおろしたビキニ姿が話題に

若くしてデビューした場合、大人の役への転換期に苦労する人も多いが、宮崎さんは自然に大人の役に。お母さん役でも定評がある。

「私は早かったですね。恋愛ものの時期がなくて、デビューして良い娘役から良いお嫁さん役に。もう結婚しちゃってるの(笑)。そのままずっとお母さん。最初は子どもが赤ちゃんでしたけど、だんだん大きくなっていって。今は杏さんのお母さん役ですからね。あんなに大きな子がいるのよ(笑)。

それに今はもうおばあちゃんの役ですよ。でも、おもしろい。夢は『縁側でひなたぼっこをしているおばあちゃんと言ったら宮崎美子』と言われることです」

-まだまだ先だと思いますけど-

「いえいえ、もうすぐです(笑)。おばあちゃんにもいろいろあるので、いろんなタイプのおばあちゃんになれたらいいなと思います。戦うおばあちゃんというか、活発なおばあちゃんだったり、人の良い本当に優しいおばあちゃんだったり。

実写版の『ちびまる子ちゃん』でおばあちゃん役をやったことがあるんですけど、子どもっておばあちゃんのことが好きだなあと思ったら、幸せだなあと思って(笑)。子どもって何だろうね? 何か親とは違う気やすさというか、安心感というか…、親ほどいろいろうるさく言わないからかな」

-おばあちゃん役も良いですが、去年は篠山紀信さんが撮影されたカレンダーのビキニ姿が話題になりましたね-

「あんなに話題になるとは思っていなかったです。ただ、デビューして40年目だし、自分にとっては大事な節目の年に何か残したいと思っていたのに、何もできないもどかしさもあり。カレンダーは一度も出したことがなかったから、ちょっとやってみたことがないことをやってみようかと。ちょっとでも同年代の方に勇気を与え、和んでもらえればそれで良かったんです」

-カレンダーをつくることになってすぐに篠山さんにご連絡されたのですか-

「いろいろ悩みました。最初はあんなに大規模にやるつもりではなかったので、カレンダーだけだったら篠山さんにお願いできなかったと思うんですけど、『週刊現代』のお話があって、それだったらということで。

当初の予定では、どこか公園で、スナップで、卓上カレンダーくらいで良いかなという感じだったので、だいぶ状況が変わりましたけど、最後は1番良いかたちに収まったという感じかな。それも運が良かったと思います。やっぱりデビューのきっかけが篠山さんだから、本当に良いかたちでおさまったと思います」

-それにしてもプロポーションが良いですね。圧巻でした-

「いえいえ、篠山さんの魔法のレンズと絶妙なポージングのおかげです(笑)。本当にそう。もう大変ですよ(笑)。でも、篠山さんが撮影中に『君は40年前と変わらないね』と言って下さって。『素朴なままだと褒めて下さったのかな』って、とてもうれしかったです」

-去年はコロナの話題ばかりで全体的に暗い感じになっていたところに明るい話題で-

「能天気にね(笑)。『おばちゃん頑張ってる!』って。同年代の方に見てもらえたのが、やっぱりうれしいですね」

-マクドナルドのコマーシャルも印象的でした-

「本当に楽しかった。彼の前では大口を開けて食べられなかったけど、おじいちゃんの前では平気ってね(笑)。それでおじいちゃんが村上ショージさん。納得のキャスティングで」

- 50年前に戻るわけですが、何の違和感もなく-

「映像の世界もいろいろあるんだなあと(笑)。技術もすごいなと思いました」

◆34年ぶりのレコーディング、YouTubeチャンネルも

2021年9月には、34年ぶりにレコーディングした歌手デビュー40周年記念アルバム『スティル・メロウ~40thアニバーサリー・アーカイブス』を発売。宮崎さんが作詞した『ビオラ』という曲も収録されている。

-レコーディングはいかがでした?-

「全然歌ってなかったので、何回かボイストレーナーの方に教えていただいたんですけど、苦労しました。YouTubeで童謡を歌ったので、そのへんからちょっとずつ歌う機会を増やして慣らしていったんですけど」

-透明感があってきれいな声ですね-

「ありがとうございます。すごくうれしい」

-宮崎さんが作詞された『ビオラ』という曲も収録されていますね-

「あれは宿題を出されたからしょうがなくて書いたんです。プロデューサーが高校の先輩なんです。40年前にレコードを出したときのディレクターで、引退されているけど今回プロデューサーで。40年越しに宿題を出されて、先輩には逆らえない(笑)。いくつになってもね」

-とても優しい感じの曲ですね-

「地味で目立たないけど、コロナ禍もあって何かそばで話を聞いてくれる存在。そこでちょっと一休みしていって、また元気に歩き出してというくらいの本当にささやかな歌で、童謡の延長みたいですけどね、良かったと思います。この時代にこの年齢で」

2020年、動画投稿サイト・YouTubeチャンネル『よしよし。』を立ち上げ、さまざまなことに挑戦している宮崎さん。コロナ禍で仕事が中断し、家にいて考える時間がたくさんあったので、“老後”に楽しめる場を作っておきたいとはじめることにしたという。

-YouTubeのタイトルの『よしよし。』というのもいいですね-

「あれはみんなでいろいろ考えたんですよ。わからなかったけど、『よしよし。』と言ってほしいしね、おとなはなかなか言ってもらえないから(笑)」

-いろいろあって疲れたときに、宮崎さんの声で『よしよし』と言われると癒されます-

「うれしい。もっと言おうっと(笑)。興味のあることはいろいろやっています。最近ではバッティングセンターにも行きましたよ。ちゃんとプロに習ったりするのは初めてだったのですごく楽しかった」

-物持ちがいいですよね。YouTubeでのラジオ体操のときには大学時代のジャージを着てらして-

「そうですね。あと初期のお料理のときのエプロンも中学生のときに使っていたものなんですよ。宿題で刺繍させられたエプロンで、実家にあったのを持ってきたんです」

-若いときから行動的で、20代のときには250ccのバイクに乗っていたそうですね-

「はい。撮影に使えるのかなあと思ったけど、ついぞ私にバイクに乗る役は来なかった(笑)。プライベートで乗ったりもしたけど、250ccのバイクを盗まれてすごいショックだったなあ。撮影現場にバイクで行ったこともあるんですけど、『この作品が終わるまではやめて』って言われて、それはそうだなあって。もう乗ってないですけど。

そんなふうにちょこっとずつ何かをやってみて、自分には到底そんなにはできないんだけど、ちょっとだけそのおもしろさとか難しさが実感できたことだけでも良かったと思う、やってみて。スキューバーもそうですね、免許取りました。潜水士の免許も」

-漢字検定も受けたそうですね-

「あれは、『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』(テレビ朝日系)で、みんなで受けましょうということだったので、逃げられなかったよね。だから1級に1回失敗して、『ああ、どうしよう』って。でも、2回目で取れたのはうれしかったなあ」

コロナ禍の自粛生活中は、だらけてしまわないように「時間割」を作って生活していたという宮崎さん。「国語」は漢字の勉強、「英語」は英会話のCDを聞く、「社会」は歴史や世界遺産に関する勉強、「体育」はラジオ体操、「家庭科」はマスクを手縫いしていたという。

映画『宮田バスターズ(株)-大長編-』池袋シネマ・ロサにて公開中
監督:坂田敦哉
出演:渡部直也 大須みづほ 佐田淳 ユミコテラダンス 宮崎美子(特別出演)ほか
カナザワ映画祭2019期待の新人監督部門で上映された短編を基に長編として製作。
宮田バスターズ(株)は長年宇宙生物の駆除を業務にして奮闘してきたが、テクノロジーの進歩により中小企業の均衡が崩れはじめて…。

-映画『宮田バスターズ(株)-大長編-』に出演されることになったのは?-

「主役の渡部(直也)さんと映画を1本撮ったんですよ。その映画はコロナの影響で延期になって、まだ公開日が決まっていないんですけど、渡部さんはスタッフと出演もされていて、声をかけてくださって。『何の話?宇宙生物って何?』って思ったんですけど、学生が中心になって撮るんだと、とても熱心に言ってくださって。

そういうのもご縁じゃないですか。そんなに頑張っている学生さんたちってどんなふうなんだろうというのも興味があったし。

手作り感がすごくてね。私は旅館だけのシーンなので、ほかのシーンはどうなっているんだろうって思って、ワクワクだったり、ちょっと心配だったりしながら見せていただいたんですよね。花火が上がるシーンなんて大変だったろうなぁと思って。でも、楽しかったですよ」

-今の時代はいろいろなことができるのにあえて手作りでなつかしい感じがしました-

「それはすごく大げさに強引につなげると、黒澤さんのやりかたと一緒なんですよね。全部手で、芋判で衣装を作るとか。この映画はお金がないからCGを使わないだけだと思うんですけど、それだけじゃないでしょう。

デジタルももちろん重要だけど、人の手を大切にしている、手作り感が画面から伝わってくるから、応援したくなりますよね。おもしろいです。やっぱり人間関係で進むんですよ。

映画というのは、監督が自分の思いでみんなを引っ張って行くんだという、本当に原点みたいなところをまた味わえたので良かったです」

-これから新たにやってみたいことはありますか-

「34年ぶりに歌をはじめたので、人前でちょっと歌ってみたいかなぁって(笑)。ライブはこれまでもやったことがないし、考えたこともなかったですけど、ちょっと考えてみようかなと」

チャーミングな笑顔は昔と変わらず、澄んだ声が聴き心地いい。興味をもったことをまずはやってみる。チャレンジ精神あふれる行動力に圧倒される。まさに人生を楽しむ達人という感じ。これからのチャレンジも楽しみ。(津島令子)

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