筧美和子、「貝みたい」だった幼少期。芸能界に憧れていたのに「興味ありません」を装った
2013年、19歳のときにリアルバラエティ番組『テラスハウス』(フジテレビ系)に出演し、キュートなルックスとグラマラスなプロポーションでブレークした筧美和子さん。
2014年には篠山紀信さん撮影の写真集『ヴィーナス誕生』(幻冬舎)を発売。同年から5年間、ファッション誌『JJ』(光文社)の専属モデルをつとめ、『めざましテレビ』(フジテレビ系)、ドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)、映画『闇金ウシジマくん Part3』(山口雅俊監督)、映画『孤狼の血 LEVEL2』(白石和彌監督)などテレビ・映画・CMに多数出演。
11月26日(金)には映画『幕が下りたら会いましょう』(前田聖来監督)が公開される筧美和子さんにインタビュー。
◆おとなしい女の子がバレエで変化
姉と弟の3人姉弟の次女として誕生した筧さん。小さい頃はほとんどしゃべらないおとなしい子どもだったという。
「ほとんどしゃべらなくて貝みたいだったと言われます(笑)。親が心配するくらい主張とかがないというか、されるがままみたいな感じでぬいぐるみみたいだったって」
-あまり手がかからない子どもだったということですか?-
「そうみたいです。泣きもしないし、自分のことは自分でやるみたいな子どもだったそうです。洋服に関してはちょっと手がかかったらしいんですけど、親に着せられるのがイヤで着せられたら1回全部脱いで、またイチから自分で着るみたいな感じだったのでその辺は結構大変だったと言っていました」
-小さいときからお洋服が好きだったのでしょうね-
「はい。服への興味はずっとありました」
-活発になったのはバレエをはじめてからですか?-
「そうです。仲のいい友人に誘われてバレエの見学に行って、『絶対やりたい』ってなって。バレエはすごくお金もかかるので親もちょっと戸惑っていましたけど、私が何かをやりたいと言うことが珍しかったみたいでやらせてくれました。
バレエをはじめて、舞台の上で発表会などで踊ったり。先生もそうなんですけど、バレリーナやバレエで出会った方たちはオープンマインドというか陽気な感じの方がすごく多かったので、その影響もあってか徐々におてんば娘みたいに変わっていったというのはありました」
-レッスンはいかがでした?-
「厳しくて体育会系的な感じでした。怒鳴られるし、しきたりみたいなものもすごく多いので厳しかったです。もしかしたら人生のなかではじめて厳しくされた時期かもしれないです」
-それでも続けたいと-
「そうですね。あまり自己表現が得意ではなかったのがバレエで変われたという実感はあったので。からだを動かしたりとかそういう時間がすごく好きだったんですよね。なので、はじめて何か物事にのめりこんだのがバレエだったかもしれないです」
-発表会などもあったと思いますが、人前に出て踊った感じはいかがでした?-
「普段は人前に出るとダメだったんです。学校などで発表会とかがあると顔を真っ赤にして何も言えなくなるみたいなタイプだったんですけど、バレエに関してはわりと気持ちいいみたいな感じで(笑)。
自分が人前に立って表現するということに興味が沸いたのは、バレエをはじめたくらいからだったかもしれないです。でも、だからといってバレリーナになりたいとはあまり思わなかったんですけど、テレビなどを見て芸能界に憧れる気持ちは小学校の4年生くらいから自覚しはじめた気がします」
※筧美和子プロフィル
1994年3月6日生まれ。東京都出身。2013年、『テラスハウス』に出演。ファッション誌『JJ』やグラビア雑誌でモデルとして活動。一般投票で6万8000票を集め、2013年10月~2014年9月まで『めざましテレビ』にリポーターとして出演。『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ系)、『これは経費で落ちません』(NHK)、『緊急取調室 3rd SEASON』(テレビ朝日系)、映画『犬猿』(吉田恵輔監督)、『スマホを落としただけなのに』(中田秀夫監督)などドラマ・映画に多数出演。11月26日(金)には映画『幕が下りたら会いましょう』の公開が控えている。
◆17歳のときにスカウトされて芸能界へ
小学校4年生くらいから芸能界に憧れていたものの、そのことは家族にもなかなか言い出せなかったという。
「恥ずかしくて言えなかったです。素直じゃない子だったので(笑)。ちょっと声をかけていただいたりしても、本当は興味があるのに『ありません』と言ったりしていました」
-声をかけていただいてというのはスカウトされてということですか?-
「そうですね。スカウトとか、身近な親の知り合いとかに『どう?』って言われても何か素直になれないという感じでした。なので、芸能界への興味はありつつも誰かに伝えたりしたことがなかったので、自分の本気度みたいなものも全然わからないままで。中学時代はバレーボール部で部活を必死にやったりしていました」
-芸能界に入ることになったのは?-
「高校生のときに今の事務所にスカウトされて。ちょうど進路も考えないといけないというときで、はじめて恥ずかしさをちょっと取り払って話を聞きに行ってみたりして結局入ってみることにしたという感じです」
-ご両親に反対はされませんでした?-
「そうですね。そのとき17歳だったので親も将来のことは心配していて。『20歳までに芽が出なかったらほかの道も考えなさいよ』と言われたんですけど、『そんなにすぐに芽が出るわけがないじゃん』と思いつつ(笑)。でも、そういう期限みたいなのがあったほうがいいのかなって思いながらはじめました」
-17歳でスカウトされて事務所に入って、最初はどんなことを?-
「最初はレッスンを受けたり、オーディションを受けたりという感じでした」
-はじめての仕事は?-
「最初はファッションショーでした。スポーツブランドのファッションショーに出させていただいたんですけど、そのときにはまだ明確に何がやりたいとかもちょっとボヤッとしていて。
でも、モデルの仕事に行かせてもらうことが多かったですね。お芝居のレッスンを受けることはあったんですけれども、自分は縁遠いんじゃないかなという感じがしていました」
◆オーディションで『テラスハウス』出演
筧さんは、19歳のときに『テラスハウス』のオーディションを受けて出演することに。『テラスハウス』は、男女6人がシェアハウスで共同生活を送り、そこで繰り広げられる青春模様を記録して放送するという恋愛リアリティ番組。
「『テラスハウス』に関してはもともと番組を見ていて、『楽しそうだなあ』って興味はありました。面接ではプロデューサーさんと普通に恋バナをして、楽しくおしゃべりして帰って来ちゃったみたいな感じで(笑)。普段のオーディションと全然形式も違っていて不思議な感じだったので、受かる自信とかもなかったです」
-受かったと聞いたときはいかがでした?-
「ほかの仕事と比べると自分の地をすごく出さなきゃいけない番組だと思うので、今後芸能生活をしていく上でこういうことが残るということを心配するマネジャーさんもいたし、悩みました。でも、やっぱり大きなチャンスだとも思ったし、単純にああいう番組がすごく新鮮で。そこに仲間入りできるというのが楽しみな部分もあってすごくワクワクしていた気がします」
-はじめてご実家を離れての生活はいかがでした?-
「見ず知らずの人たちと本当にあそこで暮らしていたので馴染むのに時間がかかるかなと思っていたんですけど、そのときのメンバーがすごくあったかい人たちだったのでわりとすんなりと溶け込めて。すごく楽しい時間だったなと思っています」
-生活しているさまを放送されるということに関しては?-
「もし今出ていたら自分の気持ちも全然違っていたかもしれないですけど、あのときは何も知らなかったのであまり余計なことを考えずに本当にその瞬間瞬間を楽しめたのかなと思います」
-最初は洗濯機を回すときに洗剤の量がわからなかったということもあったとか-
「そうですね。本当にそのレベルでした。家事のことも全然わからなかったので」
-『テラスハウス』に出演されて注目を集めることになっていくわけですけれども、ご自身ではどうでした?-
「本当に目まぐるしく環境が変わっていって。すごく望んでいたはずなんですけど、一つひとつの気持ちの整理が追いつかなくて。あの時期は結構つらいこととかも多かったです。
でも、ポンと一人暮らしをしてやっていたらもしかしたら心が折れていたかもしれないですけど、『テラスハウス』のメンバーが近くにいてくれて、わりと刺激し合っていたと思うのであの状況を乗り越えられたのかなと思います。
本当に右も左もわからない状態でいろいろはじまってしまって、大きなチャンスだということはわかっているけどどうしていいかわからないみたいな…必死でどうにかやろうとしているという感じでした」
素の部分が出る『テラスハウス』で、キュートなルックスとグラマラスな肢体に加え、性格のよさで好感度が高かった筧さんは人気を集め、モデル・女優として多忙な日々を送ることに。
次回は篠山紀信さん撮影の写真集『ヴィーナス誕生』、5年間専属モデルをつとめた『JJ』、映画『闇金ウシジマくん Part3』の撮影エピソードなどを紹介。(津島令子)
ヘアメイク:白水真佑子
スタイリスト:小松千鶴
※映画『幕が下りたら会いましょう』
2021年11月26日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
監督:前田聖来
出演:松井玲奈 筧美和子 しゅはまはるみ 日高七海 袴田吉彦 ほか
実家の美容室を手伝いつつ、鳴かず飛ばずの劇団を主宰している麻奈美(松井玲奈)の妹・尚(筧美和子)が、突然亡くなった。その日、尚からの着信があったにもかかわらず電話に出なかった麻奈美は複雑な思いを抱えて…。