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アート鑑賞をバーチャルで!『アルスくんとテクネちゃん』ミュージアムが渋谷・宮下公園の仮想空間に出現

テレビ朝日で2020年10月から2021年6月まで放送していたアート番組『アルスくんとテクネちゃん』では、大昔から非常に近しい関係にあった「アート」と「テクノロジー」のかけ合せで生まれる魅惑的な現代アート作品を多数紹介してきた。

そしてこのたび、『アルスくんとテクネちゃん』がテレビの枠組みを飛び出して渋谷区立宮下公園に「ミュージアム」を開館することに!

といってもその場所は「リアル」な宮下公園ではなく、オンライン上に存在するバーチャル空間「渋谷区立宮下公園 Powered by PARALLEL SITE(パラレルサイト)」だ。

このバーチャル空間は、大日本印刷株式会社(DNP)と一般社団法人渋谷未来デザイン、渋谷区立宮下公園の指定管理者・宮下公園パートナーズの3者によって構築された、現実の宮下公園を仮想(バーチャル)空間上に高精細に表現したもの。

さまざまなイベントを実施し、公園の価値向上や新たなコミュニケーションの創出、渋谷の新しいカルチャーの発信などを推進している。

2021年7月のオープンからクラッシックな絵画展や謎解きイベントなどを展開しており、今回はテレビ番組とのはじめてのコラボ―レーション企画。

どこかに存在するかもしれない不思議なミュージアムを舞台にして番組を放送してきた『アルスくんとテクネちゃん』のコンセプトと、リアルな宮下公園とパラレルに存在する「渋谷区立宮下公園 Powered by PARALLEL SITE」のコンセプトが重なりあい生まれた新企画『アルスくんとテクネちゃん パラレル・アートパーク』が、リアルとバーチャルの境界へと来場者をお連れする。

◆注目の作家が趣向を凝らした展示を実現

今回のバーチャル展覧会に参加するのは、藤倉麻子さん、横山奈美さん、吉野ももさんという3人のアーティスト。

それぞれの個性あふれる作品を、デジタル的な表現方法やギミックを取り入れながらバーチャル空間に展示する。

藤倉麻子:庭石が配置につく

アーティスト・藤倉さんは、3DCGを使い普段見えている風景の先を想像したビビッドな世界を宮下公園のバーチャル空間に創出。藤倉さんならではの感性で空や建物を鮮やかな色彩に塗り替え、ピンクの艶めく岩が行き交う。

横山奈美:LOVE

画家・横山さんは、「LOVE」の文字が光るネオン管を描いたシリーズ作品を展示。リアルな展覧会会場ではめったに観ることができない絵画の裏側にも回り込める仕かけを盛り込んでいる。

吉野もも:(手前)「壁の隙間 #3 / Sukima on the Wall #3 」(奥)「それはつづいていく / it keeps going on」

美術家・吉野さんは、視覚的な仕かけを利用してホテル「sequence MIYASHITA PARK」の建物の壁面を丸ごと作品として展示したり、合わせ鏡のように空間が続く作品、壁と一体になった遊び心あふれる作品を芝生広場で展開する。

そして、エントランスや各展示エリアではバーチャルシンガー・花譜によるオリジナル音声ガイドを聴くことができる仕かけも。はじめて作品と出逢う来場者もアーティストや作品への理解を深められるようになっている。

さまざまな文化が交差し、溶け合い、進化を続ける街・渋谷に位置する新たな文化の発信拠点、宮下公園のバーチャル空間からテクノロジーとアートの融合する展覧会をお届けする。

◆作家プロフィール&コメント

※アーティスト・藤倉麻子

渋谷の街の一部をある時間帯、まるごと裏のレイヤーに連れていく、のは目の前の法則にしたがうと難しいかもしれません。できないというよりは、ある空間を、限定的に切り取り、そこにあるものと位置付けて、認識すること自体、やり方が判明していないからです。

バーチャルな空間はどこにあるのか、誰が生み出して、現実にどう干渉するのか、私もまだわかりませんが、身体が立つ場所と、バーチャルな空間が対比されるものとしてそれぞれ存在すると、頭の中の図式として組み立てられるとしたら、私はどちらにもピンクの石を置き、そこを起点として広がる奥行きの向こうについてここで考え続けるということをします。

ふじくら・あさこ|1992年、埼⽟県⽣まれ。2016年東京外国語⼤学南・⻄アジア課程ペルシア語専攻卒業。2018年東京藝術⼤学⼤学院映像研究科メディア映像専攻修了。主な個展に「エマージェンシーズ!035 《群⽣地放送》」(2018)、グループ展に「多層世界のもうひとつのミュージアム――ハイパーICCへようこそ」(2021)、「Close to Nature, Next to Humanity」(2020)、など。LUMINE meets ART AWARD2020グランプリ受賞。港区⻄⿇布のCALM & PUNK GALLERY で個展「Paradise for Free」を開催(3/19〜4/4)。

※画家・横山奈美

言葉とネオンの構造はよく似ています。言葉には必ず意味が存在するように、ネオンにはガラス管を支え、光りを放つための配電線やフレームが存在します。それらはどちらが欠けても成立しません。ガラス管は「言葉の形」に、背後に存在する配電線やフレームは「言葉の意味」として言葉の形を表しています。

絵画という物質を扱う私にとって、バーチャル空間での展示は難しい問題でした。そこでは重さ、軽さや大小が自由に設定可能なため、現実世界における制約がありません。

しかし物質としての絵画はその制約の中で成り立っています。そこで今回は絵画を支えるための構造や、絵画を取りつける金具などバーチャル空間に必要のない要素を作り込むことにより、絵画とは何かをあらためて問いかける空間を作れるのではないかと考えました。

開発チームの方々に金網に絵画をかけるための留め具や絵画の裏側まで再現していただきました。展示空間を歩きながら絵画の表や裏をご覧ください。

よこやま・なみ|1986年、岐⾩県⽣まれ。愛知県⽴芸術⼤学⼤学院修了。 近年の展覧会に「アペルト10 横山奈美 LOVEと私のメモリーズ」 (金沢21世紀美術館、2019年)、「開館25周年記念コレクション展 VISION Part 1 光について / 光をともして」 (豊田市美術館、2020年)など。

※美術家・吉野もも

壁や地面、ブロックなど、固有の環境に合わせて、まるでそこに奥行きがあるように描く。絵は周囲の素材と関係性が生まれ、まわりの空間や、鑑賞者をも巻き込んでいく。そうして絵画は、枠を飛び越えて、拡張していけるのではないかと考えています。

今回は、過去に制作した平面作品や、近年下絵として利用している3Dモデルを、現実の宮下公園にある建築物や、仮想の環境と干渉し合うように、バーチャル空間上に立体的に立ち上げました。これまで表面的に現れていた作品世界のなかに入り込むことができます。次元を超えた絵画の広がりを体感してみてください。

よしの・もも|1988年、東京都⽣まれ。2014年イギリスのロイヤルアカデミースクールへ留学し、2015年に東京藝術⼤学油画修⼠課程を修了。近年の個展に、「being」(2018, rin art asspciation)、「Link」(2017, ⻄武渋⾕店)など。また「ART PROJECT TAKASAKI 2020」(2020)ではビルの壁に巨大壁画を制作。2022年3月にはMITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERYにて個展を予定。

◆バーチャルシンガー・花譜 コメント

『アルスくんとテクネちゃん パラレル・アートパーク』に私花譜もナレーションで参加させていただきます!

バーチャル空間のミュージアム、中にはワクワクがびっしり詰まっていること間違いなしです。絶対に楽しいです。

ぜひアーティストの方々の素敵な作品を皆さんにも見てほしいです…!

※展覧会概要:『アルスくんとテクネちゃん パラレル・アートパーク
開催期間:2021年10月20日(水)~2022年3月31日(木)

料金:無料(PC、スマートフォンでブラウザからご参加いただけます)
主催:大日本印刷株式会社
企画:テレビ朝日
参加アーティスト:藤倉麻子・横山奈美・吉野もも(五十音順)
音声ガイド:花譜
アート監修:山峰潤也
イラスト:佐々木充彦
後援:一般社団法人渋谷未来デザイン、宮下公園パートナーズ、一般財団法人渋谷区観光協会、渋谷芸術祭実行委員会

※推奨動作環境 :
【PC】CPU Core i7以上(Intel CPUの第7世代以降、またはそれと同等以上のパフォーマンスのもの)、メモリ(RAM)8GB以上、推奨ブラウザ:Google Chrome
【スマートフォン】・iPhone : iPhoneX(iOS14)以降、推奨ブラウザ・safari
・Android : Android10以降、メモリ(RAM)4GB以上、推奨ブラウザ・Google Chrome