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西田尚美、石橋は“たたかないで渡る”タイプ。コント番組でも大活躍「迷うなら行動に」

映画『ひみつの花園』(矢口史靖監督)、『ナビィの恋』(中江裕司監督)、『凪待ち』(白石和彌監督)、ドラマ『半沢直樹』(TBS系)、『にじいろカルテ』(テレビ朝日系)など作品ごとにさまざまな顔を見せてくれる西田尚美さん。

チャレンジ精神も旺盛で『LIFE!~人生に捧げるコント~』(NHK)ではコントにも挑戦。抜群の好感度で、幅広い分野で活躍中。6月18日(金)には主演映画『青葉家のテーブル』(松本壮史監督)の公開も控えている。

◆コント番組でコメディセンスを発揮

2012年~2016年までレギュラー出演していた『LIFE!~人生に捧げるコント~』には現在も不定期に出演し、コメディセンスを発揮している。

-コントもやられていますし、幅広いですね-

「たまたまそういうお話が来て、自分にできるのだろうかと思いましたが、今このタイミングも何かの縁かもしれないと前向きになり、だったら飛び込んでみようとなりました。内村(光良)さんはものすごく映画がお好きで、監督もなさっています。内村さんの監督作品に出させていただいたこともあったので、ご一緒ならばとチャレンジしてみました」

-わりと長い期間レギュラーでやってらっしゃいましたね-

「4シリーズレギュラーでやっていて、今は年に1、2回不定期でやらせていただいています」

-コントを経験して何か変化はありました?-

「どうなんでしょう(笑)。でも、いい刺激はいただいています。芸人の方たちの瞬発力には毎回驚かされますし、それを間近で体感できるのはすごく楽しくて勉強になります」

-チャレンジ精神旺盛ですよね。石橋をたたいて渡るタイプではなくて石橋をたたかないで渡っちゃうとか-

「どちらかというと、たたかないで渡るタイプです。迷うなら行動に起こしてみようと思う性格ですね」

-慎重そうに見えるので意外でした-

「情報が入りすぎると尻込みして、一歩が踏み出せなくなることは誰にでもあると思うんです」

-やってみて後悔したことはありますか?-

「ないです。もちろん失敗することはいっぱいあります。でも、その失敗は気持ちの中で収まりがいいんですよね。つぎ頑張ればいいという励みにもなります」

-失敗して引きずったり、落ち込むことは?-

「引きずります(笑)。それは私生活でも仕事でも、1日うまくいかなかったときは後悔ばかりで延々とウジウジしてしまいますね。撮影現場では監督がOKを出しているので、もうそれを信じるしかないと思うようにしています。出来上がったのを見ると、自分がダメだったなって思う部分も編集や音楽、ほかの方たちの相乗効果で逆にそれがよくなっていたりすることもあるんですよね」

-同じ監督からオファーが続くというのはそれだけ信頼されているのだと思いますが-

「二度目があるというのは本当にうれしいです。監督やスタッフさんとの再会があるたびに想いも強くなりますし」

©︎2021 Kurashicom inc.

※映画『青葉家のテーブル』
2021年6月18日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
企画・製作:北欧、暮らしの道具店
配給:エレファントハウス
監督:松本壮史
出演:西田尚美 市川実和子 栗林藍希 寄川歌太 忍成修吾 久保陽香

◆最新主演映画で等身大のヒロインに

6月18日(金)に公開される映画『青葉家のテーブル』では、高校生の息子をもつ主人公のシングルマザー・春子を演じている西田さん。この作品は月間200万人が訪れるECサイト「北欧、暮らしの道具店」が制作したWebドラマを映画化したもの。

春子と息子のリク(寄川歌太)、春子の飲み友だち・めいこ(久保陽香)、その彼氏で小説家のソラオ(忍成修吾)の4人で共同生活をする青葉家に、ある夏の日、春子の20年来の友人で気まずい過去がある知世(市川実和子)の娘が美術予備校の夏期講習に通うため居候することになる。そのことがきっかけで、春子と知世の過去が…という展開。

-配信のドラマが映画になると聞いたときにはどうでした?-

「びっくりしました。配信のドラマが4本続いただけでもすごいと思うんです。そのときに『いつか映画とかできたらいいですね』ってみんなで言っていたんです。そうしたらわりとすぐ映画化の正式なお話が来ました。すごい実行力ですし、作品に懸ける情熱がすごいと思いました」

-映画化のお話はいつ頃聞かされたのですか?-

「Webドラマ4話目の試写のときに発表されました。世界観は変わらずにドラマの世界からスクリーンに向けて動き出せるかと思うとワクワクしました。それと同時にWebドラマでは短編だったので、映画として成立するための物語がどうなるのか台本が待ち遠しかったです」

-映画では春子さんの人生が解き明かされるし、20年来の友人との過去のいきさつも明かされるという興味深い内容ですね-

「20年会っていない親友がいきなり娘を預けてくるってすごいですよね(笑)。でも、台本を読んだ印象はその設定にムリがなかったような気がします」

―西田さんと市川さんのバランスもいいですね。お2人はモデル時代から交流はあったのですか?-

「モデルとしての交流はあります。雑誌とかショーでもご一緒したりしていましたけど、女優としてご一緒したのは今回がはじめてでした」

-はじめてお芝居で共演されていかがでした?-

「最初は気恥ずかしかったですが気付いたらなじんでいましたし、気心が知れているのでやりやすかったです」

-お2人の10代のときのパートもあって、それぞれがドラマがあって。そしてまたお料理が本当に美味しそうでした-

「見た目もすてきでしたし、何より美味しかったです。食事のシーンの撮影は毎回楽しみのひとつです。料理の色味と食器の大きさなどが計算されていて、食卓がひとつの画として成立するんですよね」

©︎2021 Kurashicom inc.

◆コロナ禍での家族との時間

一人暮らしが長かったこともあり、もともと料理を作ることが多かったと話す西田さんだが、『青葉家のテーブル』に出演したことをきっかけに料理教室に通いはじめたという。

「ここ最近通いだしました。劇中に出てくるお料理は、フードスタイリスト・冷水希三子さんが作られているのですが、今回パンフレットにレシピが載っているので参考に作ってみました」

-知世さんのお店の看板メニューの「はあちゃんライス」も、オムレツ風のご飯に特製ラー油がのっていておいしそうですね-

「あの上にかけるタレ(特製ラー油)さえ作っておけば何にでも万能で使えそうですよね」

-お嬢さんが映画を見たら、登場する料理を作って欲しいとか言われるでしょうね-

「『こんなおしゃれな料理作ってない』って言われそうです(笑)。冷水さんの料理教室に通いはじめたんですが、生徒さんは女性ばかりなので、おしゃべりしながらの集いは楽しいです。

この前家族に『料理教室に行っているけど1回も作ってくれたことがないよね。レシピもらってきたのを自慢しただけだ』って言われてしまいました(笑)。挽回すべく後日披露したら絶賛してくれたのでガッツポーズでした。

先日『はあちゃんライス』の上にのせているタレのようなものを作っていたら、娘が『何かいい匂いがする。この赤いの何? 何?』って(笑)。前のめりに興味をもってきたので炒めてもらい、それを味見してという作業が一緒に出来て楽しかったです」

-映画の中のシーンみたいですね。2020年の緊急事態宣言のときには学校も休校で撮影もお休みだったと思いますけど、その間はどのように過ごされていました?-

「撮影がストップしている期間は、家で当たり前の日常を変化なく過ごしていました。こんなにも長く家にいるという期間は今までなかったかもしれません。仕事で外に出ていることで心のバランスを保てていたということも実感できました。

そして家にいると家事、洗濯、掃除とやることがいくらでもありまよね(笑)。終わりがないです。でも、期限はないので合間で映画を見たり本を読んだり自由な時間もたくさんあり、今までを見つめ直すいいきっかけになりました」

-今後やってみたいことは?-

「いっぱいやりたいことはありますけど、まずは『青葉家のテーブル』が公開になるので、コロナ禍のこういうときだからこそたくさんの人に見ていただきたいです。美味しそうなお料理や北欧雑貨もすてきだし、見終わったあとちょっと気持ちが楽になると思うので、ホッコリしてもらえたらうれしいです(笑)」

透明感あふれる明るい笑顔、クルクル変わる豊かな表情がチャーミング。独特の心地よい空気感に包まれる。女優としての仕事に加え、主婦として子育てや家事にも忙しい日々を送っている西田さん。気分転換は一人の世界に入れる車の中で、セリフの暗記をすることもあるとか。

今後も連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK)、映画『かそけきサンカヨウ』(今泉力哉監督)、映画『護られなかった者たちへ』(瀬々敬久監督)も控え、多忙な日々が続く。(津島令子)

ヘア&メイク:茅根裕己〈Cirque〉
スタイリスト:岡本純子
ワンピース:ヌキテパ(パサンド バイ ヌキテパ)
パンツ:エンフォルド
ピアス:ヴラスブラム(Vlas Blomme 目黒店)