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パルクールは危険なのか? 話題の世界王者が徹底する“準備”「想定外がないぐらい想定している」

写真提供 LDH SPORTS

高さ数10メートルあるビルの屋上。落ちてしまえば命を落とす危険もある場所を、ひとっ跳び!

そんなド迫力映像で話題を呼んでいるのが、フランス発祥のアーバンスポーツ「パルクール」だ。

走る、跳ぶ、登る。日常の環境を活かし、身体ひとつで心身を鍛えるこの競技は、近年国内でも大会が開催されるなどカルチャーの枠を超えて発展。2028年のロサンゼルスオリンピックでは正式種目入りも目指している。

そんな競技で2020年、世界王者となった日本人がプロパルクールアスリートのZEN(28歳)。

世界屈指のパルクールチーム「Team Farang」に所属し、プレイヤーとしての活躍はもちろん、映像制作の演出なども手掛けている。

4月18日(日)に放送されたテレビ朝日のスポーツ番組『GET SPORTS』では、番組ナビゲーター・南原清隆がZENにパルクールの魅力を教えてもらった。

◆“移動”するスポーツ「パルクール」

写真提供 LDH SPORTS

南原:「パルクールというのは、どういうスポーツなんですか?」

ZEN:「街中を跳び回っている映像を見たことある方も多いと思うんですけど、もともとは身の回りにある環境を使って心と体を鍛えていくトレーニングの文化になるんです」

南原:「トレーニングだったんですか?」

ZEN:「そうなんです。ルーツでいうと『A地点からB地点までをいかに効率的に素早く移動できるか』。それを追求していくなかで、障害物は毎回違う形で身の回りにあるものなので、自分自身が障害物に適用して身体はもちろん、ときには精神的にパフォーマンスを制御しないで鍛えていくというものです」

◆危険と隣り合わせ「自分にごまかしはない」

南原:「危なくないですか?」

ZEN:「そうですね。最初はもちろん怖くて、そこに至るまでいろいろなプロセスを踏んでやっていくんですけど、(距離が)足りなかったときにどういう風に対処しようっていうのを何通りもやるんですね」

南原:「このときはこんな風にやれば命は助かる、みたいのをいくつも?」

ZEN:「そうです。いくつももっているんです。これがダメだったらこれを出すっていうように、もう何千通り何万通りと想定してやるんですよ

南原:「だから、勇気をもってできるわけですね?」

ZEN:「想定外がないぐらい想定しています。本当に危険なところに陥るまでには、いくつもその間に手段があるっていう感覚です」

南原:「めっちゃ用意周到」

ZEN:「それこそ南原さんも、たくさんのカメラの前やお客さんの前でしゃべるのって本当は緊張するし、プレッシャーがあることだと思うんですよ。

でも、そのなかで自分のパフォーマンスを出せて毎回お客さんをよろこばせているということは、きっと何か1個内容が飛んでも別の対処の仕方が自分の中であって、違う言い方で話をしたり、このエピソードが丸々飛んでも別のエピソードを話せばいいやみたいな。きっとそういうのがあるから自信をもっていられるのかな」

南原:「その通り(笑)。そうなると余裕が出てくるんですよ」

ZEN:「そうですよね。それで、自分のパフォーマンスが出せる。パルクールもまったく同じなんです。これができなきゃもうダメじゃなくて、これができなくてもあれもできるし、これもできるし、これもできるから、リラックスして臨もうっていう風になるんですよ

写真提供 LDH SPORTS

南原:「今のは本当に『プレッシャーを乗り切るにはどうすればいいんですか?』みたいな質問に対する答えですよね」

ZEN:「その究極というか、絶対にプレッシャーで負けたら身の危険があるようなことをやっているので、本当に自分にごまかしはないですね」

南原:「すごい。今の言葉でパルクールの世界がよくわかります。だからできるんだ。やっている動きは氷山の一角で、表へ出るまですごくたくさんあるということですね」

◆パフォーマンスも撮影も行う動画制作の裏側

現在、アスリートとして競技パルクールの世界トップに君臨しているZEN。同時に、自身のパフォーマンスを撮影したパルクール動画の配信も行っている。

南原:「YouTubeの再生回数がヤバイことになっている。3000万回を超えていると」

ZEN:「はい。チームのYouTubeアカウントがありまして、そちらのほうで映像の発信をしています。メンバーは、タイ人とドイツ人、ラトビア人、フィンランド人、オーストラリア人、日本人の6名で、みんな国籍もバラバラですし、住んでいる地域もいまだにバラバラです。でもこういう時代なので、ネットワークを通してやりとりをしながら年に何回か同じ国に集まって、パルクールの映像シューティングをしたり、写真を撮ったり、クリエイティブな活動をしています」

写真提供 LDH SPORTS

南原:「自分たちでも撮るってちょっと特徴的だと思うんですけど、(撮影しているのは)カメラマンさんじゃなくてパルクールの選手?」

ZEN:「そうです。自分たちでカメラをもって自分たちで動いて、交代で撮っていました。跳んだと思ったら『次は別の人を撮るからレフ板やって』みたいな感じで」

南原:「みんながカメラマンや照明もやっているということですか?」

ZEN:「そうなんです。だから遊びの感覚ですよね。『じゃあ俺こうやって撮るよ』って言って、地面にゴロンってカメラを構えて『じゃあ光当てるか』って」

◆「あくまで自分は一要素」

今回、ZENは『GET SPORTS』出演にあたり、番組とコラボしてショートムービーを制作。

六本木ヒルズや増上寺、テレビ朝日など六本木の街を舞台に、番組のテーマソングに合わせてアクロバティックなパフォーマンスを披露した。

<YouTube動画はこちら>

ZEN:「桜をテーマに、また今回は “和”ということで、日本から世界に向けて映像を制作させていただきました」

南原:「こだわったカットとかありますか?」

ZEN:「本当に一つひとつの場所が素晴らしいので、この場所を活かした動きになればなっていう風に考えながら」

写真提供 LDH SPORTS

南原:「僕もやりたい、何かの形で。おもしろいね。パルクールをうまく撮るコツとかあるんですか?」

ZEN:「僕が心がけているのは、そのときのシチュエーションというか、シチュエーションをどう活かしてあげるかということですね。技はたしかにメインではあるんですけど、そこに対してちゃんと環境があるわけじゃないですか。

あくまで自分は一要素で、ここに自分を置こうっていう考え方。ただ動きだけを考えるのではなく、その状況をしっかり活かしてあげるために自分の動きを変えてあげたりすることですかね」

南原:「すごくわかります。すべての条件をどう捉えるかですよね」

ZEN:「自分の切り取り方次第というか、自分にどう見えるかっていうところじゃないですか。正解が常にあるというより、自分がどういう風に見えたかを出してあげるっていう感じです」

◆パルクールを一般化したい

競技、カルチャーを通じ、世界のパルクールシーンを作り続けているZEN。今後、彼が目指すパンクールの未来像とは?

ZEN:「やっぱり一般化してほしいという想いですね。パルクールは限られた人たちにだけ開かれたものでは全然ないので。もっとライトな形でみなさんにパルクールをやってもらえるようになったら、一番うれしいことだなっていう風に思うんですよ

写真提供 LDH SPORTS

南原:「あと僕は地方再生。いろいろな地方の疲弊しているところにパルクールで行って、ちょっと古びた、たとえば神社とかが実はこんな風にかっこよくパルクール的にできるよとか、いろんな可能性を出してもらいたいですね」

ZEN:「そうですね。僕も海外にいろいろ行ったりするんですけど、なぜいろいろなところに行くのかというと、やっぱパルクールって周囲にある環境を使うので、その環境が毎回変わることに意味があるんですよ。要は自分のやりやすい環境とか慣れているところばかりだと、対応力がなくなってしまうんです。

いろいろな環境でパルクールをやるのは、自分がやりにくい環境が出てきたときに、じゃあどうしようと考えるきっかけになるからなんです。地方に行ったら地方なりの“色”というか建物などがあったりするので、スペースが余っているところや、何かの跡地などをちょっとだけ整備して、パルクールのトレーニングスペースとして貸し出してあげれば、世界や日本各地から足を運んで、新たな気づきを求めて…といったことができるのかなと思います」

番組情報:『GET SPORTS
毎週日曜日夜25時25分より放送中、テレビ朝日系(※一部地域を除く)

『GETSPORTS 現代版忍者!パルクール特集 世界王者ZEN×南原清隆』を「ABEMA」で配信中!

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