ロボコンに青春をかけた高専生たちのロマン。コロナ禍だからこその“ハッピーなロボット”で大賞受賞
テニスの現役を退いてから「応援すること」を生きがいにしている松岡修造が、東京オリンピック・パラリンピックや未来に向けてがんばる人たちを応援する「できる宣言」。
今回紹介するのは、アイデアと技術を競うロボットコンテスト「高専ロボコン」で大賞を受賞した沼津工業高等専門学校の生徒たちだ。
◆ステイホームにぴったり、ハッピーなロボット
縄跳びができるロボットや洗濯物を干せるロボットなど、多彩なロボットが参加する「高専ロボコン」。
この大会で2020年に大賞を受賞したのが、沼津工業高等専門学校のロボコン部が制作した“チャリモ”だ。
部員のひとり、渡邊敬矢くんは、「外のきれいな景色を見ながら楽しく体を動かせる。そんなハッピーなロボットです」と話す。
いったいどういうことなのか? その秘密は、チャリモを動かすコントローラーにあった。
実際にチャリモを動かしてもらうと、そこには自転車を漕ぐ部員の姿が。
実はこの自転車こそが、チャリモのコントローラー。
ペダルを漕げばチャリモのタイヤが回り、ハンドルを曲げれば、チャリモのタイヤも曲がる。自転車(チャリ)で遠隔(リモート)コントロールするから“チャリモ”というわけだ。
チャリモにカメラをつけて動かせば、家にいながらカメラを通してさまざまな景色が楽しめる。チャリモはステイホームにぴったりな“サイクリング”できるロボットなのだ。
◆突き動かしたのは理系ならではの“ロマン”
コロナ禍でも人々をハッピーにさせるアイデアで、見事ロボコン大賞の座を射止めた沼津工業高等専門学校のロボコン部。
しかし、そこに至るまでには多くの困難があった。
まず彼らが直面したのは、チャリモが倒れてしまうという問題。
チャリモと名乗るからには、なんとしても実現したいのが2輪走行。だがその思いとは裏腹に、バランスがとれず倒れてしまうことが相次いだ。
修造は思わず「2輪を辞めたらどうですか?」と聞くが、部員たちは「4輪で走るのはつまらない」(草茅新太くん)、「そこは僕らのロマンなんで」(渡邊くん)とキッパリ。
そのロマンを追い求め、約150時間にもおよぶリモート会議を実施した末、ようやく2輪走行に成功する。
ポイントはチャリモの後ろにつけた円盤。コンピューターで車体の傾きを感知し、重りのついた円盤を回転させることで、進んでも止まってもバランスを取りつづけられるようになった。
また、コロナ禍での災難もあった。
例年、工場の機械を借りてロボットのパーツを製作するのだが、コロナ禍で工場が使用できない状況に。
そこで彼らは自宅の3Dプリンターで部品を作製。細かなものまで各部員が設計して削りだし、持ち寄った。
こうして幾多の困難を乗り越えチャリモを完成させた部員たちが、未来に思い描いているものとは?
「チャリモもこの先発展していけば、実際に選手とかが集まらなくてもチャリモで競技するといった形もできるんじゃないかなって」(陣内康輔くん)
「“チャリモピック”ってこと?」と修造が聞くと、「そうですね、チャリモピックできたらうれしいです!」と笑った。
そんな沼津高専ロボコン部のできる宣言は、「チャリモでハッピー!テクノロジーで今までにない体験を!」。修造は「ハッピーできる!」とエールを送った。
※番組情報:『TOKYO応援宣言』
毎週日曜あさ『サンデーLIVE!!』(午前5:50~)内で放送、「松岡修造の2020みんなできる宣言」も好評放送中、テレビ朝日系