松岡修造も驚いた“普通じゃない映画館”。運営主が目指すのは「誰もが楽しめるユニバーサルな社会」
テニスの現役を退いてから「応援すること」を生きがいにしている松岡修造が、東京オリンピック・パラリンピックや未来に向けてがんばる人たちを応援する「できる宣言」。
今回紹介するのは、東京都北区の商店街にある、どんな人でも楽しめる日本で唯一の映画館「シネマチュプキ」の取り組みだ。
「変わった映画館で、ユニバーサルシアターといって誰もが楽しめる映画館なんです」
そう教えてくれたのは、代表の平塚千穂子さん。
「誰もが楽しめる映画館」とは、いったいどんな場所なのか? 修造がなかに入ってみた。
まず目についたのは、劇場の後ろに設けられた親子鑑賞室。明るい室内で親子はもちろん、暗闇が苦手な人なども映画を楽しめるという。
そのほか、劇場の一角には車いす用のスペースを設置。また上映する映画には、耳が不自由な人でも楽しめるよう、邦画を含めすべての作品に字幕が付けられていた。
普通の映画館にはない工夫がいたるところに施された「シネマチュプキ」。さらに、客席にはリモコンのようなものまで設置されている。
修造:「左右の音って書いてありますね?」
平塚さん:「目の不自由な方にイヤホンで音声ガイドを聞いていただくための、ボリュームのコントローラーなんです。映像の視覚的な情報を補ってくれるナレーションが聞けるようになっています」
修造:「目の不自由な方がこの映画館に来られるんですか?」
平塚さん:「はい。すべての作品に対応している映画館はチェプキが日本で唯一です」
◆「もっと一緒にいろんなことを楽しめるはず」
音声ガイドとは、映像で何が起こっているか解説するナレーションのこと。
21年前、映画館でアルバイトをしていた平塚さんは、視覚障がい者に映画を楽しんでもらう企画を考えたことがきっかけで、音声ガイドをつくりはじめた。
それまで映画鑑賞をあきらめていた人たちの間で、少しずつ音声ガイドが広まり、2016年にチュプキを開館。健常者から障がいのある人まで、多くの人が集う場となった。
すると町に思いがけない変化が起こったという。
平塚さん:「角のお米屋さんが信号待ちをしている視覚障がい者の方を見て、人が誰もいないときに危ないから、おまわりさんに『音声信号にしといて』と言ったんです」
修造「お米屋がですか!?」
平塚さん:「それで、音声信号になったんです」
チュプキがきっかけで、誰もが楽しめるユニバーサルな社会へ一歩進んだのだ。
そんな取り組みをおこなってきた平塚さんのできる宣言は、「誰もが一緒に楽しめる世界をチュプキから!ユニバーサル社会をみんなで作りたい!」。
修造は「チュプキで心をひとつに!」とエールを送った。
※番組情報:『TOKYO応援宣言』
毎週日曜あさ『サンデーLIVE!!』(午前5:50~)内で放送、「松岡修造の2020みんなできる宣言」も好評放送中、テレビ朝日系